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消えた妃(ジーク目線)

ジーク目線!短めです!

ぎりぎりまでアリアに抱き着いて粘った後、ジークは渋々、騎士団の団長室へ向かった。


「全く…心配なのはわかるが、他の仕事を疎かにされても困るぞ、ジーク」


最後まで見張るためについてきているジェイドをじろりとにらんで、ジークは言い返す。


「知るかよ。ご存知の通り、俺は貴族も騎士も団長も…全部アリアのためにやってるんだ。あいつが守れないくらいなら全部投げ出すぞ」

「堂々と言うなよ…今回に関しては、いずれにせよアリア様に関わるんだから。…しかし、まさか遺体がそっくりそのままなくなるとは」


難しい顔をしたジェイドを見て、ジークも顔を顰める。

内心で、ジークはあの日、()()()()()()()()()()()()()を部下に任せたことを後悔していた。


普段の任務であれば、決してそんなことはしない。

我ながら、アリアに会える、と浮足立っていたことが否定できないのが情けないところだ。


ジークたちは今、アリアの希望で『上級妃』の所在を明らかにすべく動いていた。

彼女の考えでは、イフリードが『古の魔女の力』をコントロールする術を持っている以上、もしかしたらアリアたちのような『仕事』を与えられた『上級妃』を意のままに操ることもできるかもしれない、とのことだ。


『古の魔女の力』の中には、イフリードを生き返らせることができるものもあるかもしれない。確かに早急に処理すべき案件ではあるが―――――、



「……とにかく、数が多すぎるんだよ!」



ジークは妃にされたと思われる女性たちの名前が記された、大量のリストを前に、苛立ちを募らせることとなった。

とにかく、後宮にいた人間の数が多すぎるのである。今思えば、よくあの状況でアリアを見つけ出せたものだ、とジークは自分を褒めた。


その数は3桁どころか…4桁に届こうとしていた。

イフリードは他国の姫だけでなく、貴族の子女や平民に至るまで、手当たり次第に後宮に引き入れていた。おそらく、『古の魔女の力』を受け継ぐものは身分に関わらず無作為に現れるためだろう、とジークたちは考えている。


少しでも怪しい噂を聞けばとにかく手元に引き入れ、()()を行っていたのだ。


照会に使っているリストはあくまで、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()の名前しかない。

蓋を開けてみれば、リストにすら載っていない人間も多くおり、『上級妃』探しは難航していた。


「アリア様たちに、他の妃と接触する機会がほとんどなかったのは、おそらく意図的だな」


そのまま横でリストを整理していたジェイドは、苦々しく言った。ジークも頷く。


「とにかく全容がわからないように、小細工してやがる」

「必ず交わされるっていう魔法契約書が残っていればよかったんだけどな…あれは契約不履行になったとたんに、燃えてなくなるようになっている」


クーデターのあの日、アリアが見た本宮の火事は、実はこの、大量の魔法契約書の一斉発火によるものである。

予定になかった大火事に、炎を操れるジークも出て行かざるを得ず、一度馬車の中にアリアたちを閉じ込めなければいけなくなったのだ。ジークは舌打ちした。


「あのくそみたいな契約書め。なくなったらなくなったで、手間を取らせやがって…」

「伯爵さま~言葉遣いに気をつけろよ~」


ジェイドは苦笑をした後、ため息をつく。


「…とりあえず、リストの照合は各国で分担して進めながら、聞き込み隊の進捗に期待するしかないな」


妃たちの照合と並行して騎士団が行っているのが、旧皇国の貴族や使用人たちへの「聞き込み」という名の取り調べである。こちらも数が多いので、なかなか終わっていない。しかし、実際に『上級妃』たちの世話を担当していた侍女たちへの聞き込みを最優先で行っているので、そこで何とか、彼女たちの身元や所在を明らかにしたかった。


「今のところ、名前が分かっているのが、アリア様たちを含めて6名。そのうち4名は所在までわかっていて、2名は捜索中。なーんの情報もないのが1名…ここが問題だな」


10人の『上級妃』のうち、3名はイフリードの妻として召し上げられた者たちだから除外する。

ジークたちが見つけるべき7名のうち、どうしても1名に関してだけ、情報が何も得られないのだ。


「めんどくせえ…俺は新婚だぞ…」

「バカめ。お前たちの新婚生活の幸せは、これらすべての問題を解決しないとたどり着けない場所にあるんだよ。そういう立場なんだ…後悔しているか?」


からかうように問いかけたジェイドを、ジークは鼻で笑う。


「するかよ。全部片づけてやるって思えるくらい愛してるから、剣を取ったんだ、俺は」


あの、アリアの華奢な肩に、清らかな心に、これ以上の重荷を背負わせるつもりなど毛頭ない。


「アリアが泣くのは、もう終わりだ。あとは俺がイフリードを泣かす」


激しい感情の揺らめきによって拳に炎を出現させたジークに「子供の喧嘩じゃないんだから」とジェイドはため息をついた。




ちょっと謎解き要素が出てきてしまい…なんとか入れるぞ、いちゃいちゃを…。

引き続き、応援のほどよろしくお願いいたします。


明日は閑話を入れる都合で8時と16時の2回投稿となります!

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