プロローグ
この運命の恋を起こしたのは、夏。
まだ幼き頃の思い出。甘く、悲しい、純愛。
せっかく結びついたと思ったら、離ればなれ。
それでも、今私の目の前に映っているのはまぎれもなく、君だった。
君は今、どう思う――――。
私はずっと逢いたいと思ってたよ。ずっと、ずっと。あの時から、
君を想い続けた。
「瀬奈・・・・・?」
「優輝、だよね?」
「・・・・・」
「ずっと、ずっと逢いたいと思ってた・・・・・。心の中で、どんな時も、
優輝のことだけを・・・・・」
「瀬奈、瀬奈・・・っ!!」
私達は駆け出した。
まるで磁石が引き合うかのように。
こんな奇跡が、あるだろうか。
「やっと、逢えたね・・・」
「瀬奈、逢いたかった・・・。いずれ、また逢えると信じていたから。それが
今日、叶った・・・・・」
「うん・・・・・」
再び巡り逢った季節は、夏。最初に君と出逢った季節もまた、夏。
「今度こそはずっと離れない。どこにも行かない」
「うん。優輝、もうどこにも行かないで・・・・・」
短い期間でも、それを『恋』と呼ばせて。
思いつき。ユーミンの歌でこういう歌詞があったような気がして、
書いてみました。5話ぐらいで終わるかな、多分。
by姫ちゃん