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博士の小さな野望(3)

「そう、だな。微力だが余も協力を惜しまない。きっかけを作ったに過ぎんが、あの姫ならあるいは」

「おい待て、アンタまさかマジで『上』の城に行ったのかよ!?」

「ふふふ。ちょちょいと、な。法に触れるようなことはしとらんよ、何せ小心者でな」

「いきなり強引に君主に会いに行く小心者がどこにいるってんだ、まったくアンタって人は……」

「滅茶苦茶ついでに、尋ねたいのだが」

 笑っていた魔王はふと真剣な口調になり、「ぜんたい、結界の中身は今……どうなっている?」

「見たそうだなオイ。しゃあねぇ、色々都合ついたらカーヤ連れて行くよ。抜け道作れるのァあのだけだ」

「初耳だな」

「あの結界作ったのあたしだもん。ちょっと遊ぶくれぇいいじゃんよ」

 おどける『数列の魔王』の直弟子じきでしは、母親のような気分で見守っていた『勇者』の復活を待ち望んでいた――なんてことを、素直には口にできないようである。

「らしいと言えばらしい」

「だろー、ケケケ」

「あのなぁ……」

 ここまで事を運んでおいて今さら気づく。どうにも南大陸で展開される事態は、構えていたよりも深刻ではないらしい。

 スゴロクは肩をすくめてため息をついた。カーヤとともに留守番に回った未来の妻の爆笑が、聞こえるようだった。


2016年 02月15日 12時03分 公開

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