表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
72/129

宴会と子守とバザー

 数十分後。

『ふむ。南方へな』

「『ええ。戦乱の残り火くすぶる地と聞き、少々気がかりなのです――余計なお世話だろうとは思うのですが』」

 ジャングルに生えるイモ類や畑の野菜、大型獣の干し肉などを用いた豪華ごうかぜんをかこみつつ、魔王と酋長は話し込んでいる。

『いかにも、彼の地は人間界の中で、最も戦闘とその被害が激しかった。われらの父祖は南より戦火を避けて、『橋』を渡った』

「『すると、貴殿らはもともと人間界に?』」

『左様。もっとも、入植したのは戦役よりも随分昔だ……。放浪の中でわれらの血脈は、この人間界に枝分かれして行った』

 魔王は膝を打つ思いであった。

 世界各地に散らばった『戦闘民族』と呼ばれる人々は、もともとは魔界の住人であり、この地より拡散し血を薄めて、その流れを保ってきたのだ。

 酋長は少し不思議そうな顔をしつつ、その妻のしゃくで酒を楽しむ。『なぜ、そこまで人間界のことを知りたがる。といって侵略など片時とて考えていぬと見えるし……』

「『わが望みはこの世界の全貌を掴むこと。他方、人間という種族にも興味がありましてな』」

 酋長は腕を組み、深く嘆息たんそくする。呆れたと言うわけではなさそうだ。

『おもしろい場所がある。明日、連れて行ってやる。それと南方の伝手つてに連絡を取ってやろう』

「『ありがたき。何か返礼をせねばなりませんが』」

『子ども等と遊んでくれただけでも充分だが、そうだな。何か珍しいものなど持っていないか』

 魔王と妻は宴会の間じゅう、まだ酒を飲めない子ども達の相手をしていた――といっても、ロデルは今度は彼らを寝かしつけにかかっているのだが。

「『承知。子ども等が寝る間に、我が社の商品をご覧あれ』」

 ある子には手品感覚で魔法を見せてやり、ある子にはオルゴールを聞かせてやったりと、生意気でやんちゃな怪獣達に手を焼いているようだ。

 酋長が苦笑する慌てぶりを見て、スゴロクは救援要請に応えるのだった。

2016年 01月14日 11時48分

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ