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彼女の笑顔から、目が離せなかった
昼下がり。
陽は高く、校舎の影は短い。
外の一角が、いつもより少しだけ賑わっていた。
「参加しないの? すごく楽しそうだよ」
唐突に、マリナが言う。
「ん?」
「レンに誘われてたじゃん。いいのかなって」
「んー。いいや。見てる方がおもしろい」
外に目線を向けると、沢山の人の中心にレンがいるのを見つけた。
「さすが人気者。いつもどこからその元気がきてるんだろうね。どこにいてもレンの声が聞こえるんだもん。こわいよー」
「たしかに」
「でも、さっきの誘い断られたレンは珍しくしおれてておもしろかった!」
「でも一瞬で戻ってたけどね」
「ねー」
静かになる。
外から視線をずらし、マリナの方を見る。
マリナは変わらず、騒がしく声のする方を眺めていた。
その横顔は、楽しそうに微笑んでいる。
「んー。でもさ、私としてはレンの方行かないでくれて嬉しいよ。1人になっちゃうもん。寂しいじゃん」
マリナがこちらを見る。
「今のレンには内緒ね」
そう言って、にこりと笑った。




