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最後は勿論ハッピーエンドでございます


 なんとその後にフレディ様がご用意されたのは、一際輝く大粒のダイヤモンドの指輪。

 その場で見た感じですと、10カラットよりも大きいような気もするのですが、一体どれほどのお値段なのでしょうか?

 日本円だと1億円は手堅くしそうですが……。

 わたくしがプロポーズを断っておりましたら、この指輪とお金が完全に無駄になりませんこと?

 いえ、それはわたくしが断ること無いような策略なのでしょうか?

 それならば効果てきめんでございます。

 実際にいくら転生前が元財閥令嬢とはいえ、流石にこの金額に相当するものは戦慄きますからね!!

 それも透明度もハイレベルでしょうから、考えれば考えるほど恐ろしいですわね……ってそんなことに気を取られるわけには参りませんわ。

 フレディ様に指輪をはめてもらいませんと……ってもうフレディ様がわたくしの左手を取って薬指にはめてくださりましたわ。

 付ける許可も取らないだなんて礼儀としてどうかとお伺いしたいところですが、今回は不問と致しますわね。

 ふふ、本当に綺麗な指輪ですわ。

 装飾も美しくて、しっかりと選んでくださったことがよく分かります。

 本当にアリスは……麗奈は愛されておりますわね。



 「フレディ様、素敵なシチュエーションで素晴らしいプロポーズをしてくださり、本当にありがとうございます」

「あぁ〜凄く緊張したから喜んでくれて良かった。レイナが喜んでくるるかなと思って温室にしたけど、やっぱり温室に呼んで正解だったね」


 全然緊張しているようには感じませんでしたが、と言いますか落ち着いておりませんでしたか!?

 流石王太子……ポーカーフェイスが上手でございますわね。

 わたくしすっかり騙されてしまいました。

 あと確かに特定の部屋ではなく、温室に来るよう仰ったことに疑問を持っておりましたが、わたくしのためにここへお呼びになられたとは驚きましたわね。


「もしかして、フレディ様は最初からわたくしにプロポーズをする予定でしたの?」

「え、そうだけど……どうしてそんなことを聞くの?」

「もしわたくしが婚約解消に乗り気でしたら、プロポーズどころではないかと思いますが」

「もし勝機がなくてもプロポーズはするつもりだったよ。それに絶対に大丈夫だと思っていたから、そこまで考えていなかったのが本当のところだけどね」


 あら、意外ですわね。

 フレディ様は様々なことを見据えて、あらゆる角度で準備をしてそうですのに。


「フレディ様は、どうしてプロポーズすることしか考えていらっしゃらなかったのですか?」

「だってそれはレイナが俺に好意を向けてくれたことが分かったから。レイナはすぐに顔に出るからね、考えていることが分かる。まあ、普通の人なら隠せるだろうけど、俺はそういうのには目利きがあるし」

「ではわたくしがフレディ様と婚約解消したくないと思っていたのもご存知だったと仰るのですか?」

「まあそういうことになるね」


 何ですって!?

 まさかフレディ様が全てわたくしの気持ちを見抜いた上で、セッティングされたシチュエーションだったなんて……完全に最初からフレディ様の手の上に転がされておりましたのね。

 それにも気づかずに1人で突っ走ってしまったとは……一気に恥ずかしさを感じてしまいましたわ!!

 少し悔しいですが、それでもそれ以上に嬉しいことでしたから、今回は良かったのでしょうか。

 いえ、そう思わないと立ち直れませんわよ。


「それにしてもレイナが優しさと強さを1番として理由に挙げてくれたのは嬉しかったな」

「あ、それは違いますわよ」

「え、それどういうこと?」

「確かにフレディ様の優しさと強さに惹かれたのが決め手となりましたが、1番の理由はその完璧な容姿ですもの」

「え、それが第1理由!? 何だか少しショック!!」


 フレディ様、言葉と言動が合っておりませんわ。

 少しどころか、かなりショックを受けておりますわよね。

 何だかさっきわたくしを慌てふためかせたことへの仕返しが出来たような気がして、少し気持ちがスッキリ致しますわ。

 本当に悔しがっているフレディ様が可愛らしくて暫くずっと拝見したいほどです。

 しかしこれ以上からかうのもよくはありませんわね。

 そろそろこちらからも話を切り出しましょうか。


「それでこそフレディ様が家柄や教養だけでなくチートも含めて好きだと仰ってくださり嬉しかったですわ。フレディ様はわたくしの何処か1番好きですの?」

「率直に言って顔だね」

「それだとわたくしのこと言えないじゃないですか!! おあいこですわ」


 もうそこまで悔しがっておきながら、フレディ様も結局はわたくしの容姿に惹かれたのが1番なのですわね。

 そこは普通遠慮がちになりながら顔と答えそうですが、間を一切置かずに答えるところがフレディ様らしいと言いますか……。

 普通の女性なら少し、いえかなり引くかと思われます。

 しかしわたくしはフレディ様と異なって、容姿が1番でも無問題ですわよ。

 なんせアリスの容姿は世界一、いえ宇宙一ですもの!!

 この美貌に惚れない方が可怪しいのですわ。


 

 

 こうして、わたくしとフレディ様は婚約解消されることなく半年後には籍を入れて、わたくしは王太子妃兼フレディ様の妻となりました。

 結婚式のウェディングドレスと言えば、それはそれはもうあまりにも素晴らし過ぎて、語るに語れない涙の物語がございますわ。

 わたくし達の結婚式をご覧になりたかった方には、本当にごめんあそばせ。

 ただ1つだけ確実に申し上げることが出来ますのは、その時は間違いなくいつもに増して美しく、確実に2位の方と離して(誰が2位だか存じ上げませんがね)、断トツで宇宙で1 番美しかったのです。

 また、フレディ様もこれでもかと思うほどの美形のオーラを放ちまくりまして、間違いなく今まで宇宙で1番素敵な新郎新婦だったこともお伝えしておきましょう。

 それはそれはもう皆様わたくし達の美しさに見惚れていたのですからね。


 そして、わたくしは自身の教養とチートを十分に活用して政治にしっかりと関わることで、国民の声を聞くことも出来ておりますし、公爵家やフレディ様からだけではなく、貴族の方や国民の皆様から愛されておりまして、本当に幸せですわ。

 聖女様と祭り上げられるのも嬉しく思います。

 あぁ、あと1つ言い忘れましたわね。

 緑茶を気兼ねなく毎日飲むことが出来るのも本当に幸せな1つでございますのよ!!



 ふふ、それでは転生前から令嬢であったわたくしが、転生しても令嬢としてだけではなく、王太子の婚約者として逃げようと致しましたところ、最終的には王太子妃となったアリスこと麗奈の物語でございました。

 え、最初は公爵令嬢だと語っていたのに、話が違うですって?

 だってそれは最初に王太子妃だと申し上げましたら、このお話の完全なネタバレになってしまいますもの。

 わたくしが王太子妃になるのか、はたまた冒険者となるのか、そのドキドキハラハラを楽しめたのではございませんの?

 あら、そんな嬉しそうにするなと……それはそれは失礼致しましたわね。

 え、まだ続きはあるのかですって?

 それはもうございませんわ。

 結婚してハッピーエンドが物語においては、基本的な終わり方でしょう?

 従いまして、わたくしも則ってそれで終わりに致しますの。

 あ、「公爵令嬢は国外追放されましたが、持っているチートで世界一の冒険者になりました」の魅力を語るのでございましたら、今回の10万字と言わずに100万字ぐらい、いえ100万字を超えて語らせていただきますが……あら皆様そこは即座に全力で否定なさりますのね。

 少し残念でございますが、わたくしは十分に楽しませていただきましたもの。

 これで満足ですわ。


 さて、最後は淑女らしく挨拶を致しましょうか。

 皆様と出会うことが出来まして、本当に光栄でございました。

 それでは皆様、御機嫌よう。

 また会うことはございませんが、最後は定型文としてまた会いましょうと締めくくらせていただきますわね。


 つづ………きませんわよ、本当に。   〈fin 〉



約1年をかけてとうとう完結することが出来ました。

色々反省点がある作品でしたが、最後まで楽しく書くことが出来まして、本当に幸せです。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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― 新着の感想 ―
完結おめでとうございます! 百点満点のラストでした( ˘ω˘ ) 名作をありがとうございました♪
連載完結おめでとうございます! ラストエピソード、タイトルからもレイナとフレディの幸せが溢れてきそうですね。レイナがフレディに惹かれた第一の理由と、フレディがレイナに惹かれた第一の理由、互いに飾らず率…
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