あとがき
あとがき
ここまで読んでくださった方、ありがとうございます。
ここから読んでみて決めようとしてくれている方、ありがとうございます。
内容にふんわり触れますので、ご了承ください。
この物語は、私が中学生のころに書いた物語を、書き直したものです。
なんとなく内容を覚えているまま、中学生のころに書いたものは読み返さずに書きました。
書きながら思いました。
重いなあ。
だって、主人公が死と向き合わざるを得ない内容じゃないですか。
主人公は、自分にも死が内包されていることに気がつきますね。
そういうことに気がつくのは、いったい何歳ぐらいなんでしょうかね。
これが物語の芯です! 核です! テーマです!
なんて、読む人の自由ですから、言わないんですけれども。
でも、中学のころの私は、とても面白い思考をしていたので、これ、中学のころと私にとっては、物語のテーマ「じゃないんですよ」って話をします。
あのころに、何を描きたかったか、それは鮮明に覚えています。
テーマは明確でした。
中学の頃の私にとって、この物語のテーマは「死」ではなかったんですよ。
この物語に、中学生の私は、なぜ死の要素も入れたんだろう。
この物語と久々に向き合って、そんなふうに感じました。
もう永遠に会えない、みたいなことがあるって、気がつき始めていたんですかね。
そういうのって、ごろごろ転がっていますものね。
今回書くにあたって、私の中のテーマはどうだったかって、それはもちろん秘密です。
セルフリメイクは、内容を知っている状態で書くので途中で飽きてしまうのですが、さすがに十五年も置いておくとほぼ忘れているので、同窓会みたいな気持ちで書きました。
こんなにも強い人たちばかりだったのだなあと思いました。
いい人たちと絵本を作ることができました。
読んでくださって、本当にありがとうございます。
あなたにとって、この物語にふれてくださっていた時間が、よいものでありますように。
2020.1.6 村咲アリミエ




