第一章 1 『スタート・アゲイン』
初めまして。
この作品は、小説について全く知らない初心者が趣味で書いている小説です。
文章を書くのが得意というわけではないので、誤字脱字などをAIにチェックしてもらいながら書いています。
ただ、ストーリーやキャラクター、世界観などは自分で考えて作っています。
本作では、以下のように表現を使い分けています。
「」……登場人物が実際に声に出して話している言葉。
( )……登場人物が心の中で考えていること。
細かい描写よりも物語を進めることを重視しているため、描写が少ない部分もあります。
それでも楽しんでもらえたら嬉しいです。
それでは、第1話「スタート・アゲイン」をどうぞ。
「なんで近くにコンビニないんだよ」
この男の名前は原田 海千。
黒い髪に黒い目。
髪型は少し不恰好な短めのマッシュ。
顔立ちは悪くもないが、特別良いわけでもない。
体格も、他と比べれば少し筋肉がついている程度で、特に目立つほどではない。
高校二年の二学期から不登校になり現在は高校三年生になる直前だ。
不登校の理由は、先生や友人、親からの期待の大きさに押し潰されそうになったからである。
海千はクラスの中心人物だった。
明るく振る舞い、周りを笑わせ、先生に褒められるように努力をした。
しかし、海千は少しずつ、期待されることが嫌になっていった。
絶望されたくない。
捨てられたくない。
そう考えていた海千は、捨てられる前に自分から捨てた方が傷つかずに済むと思い、自ら周りとの関係を捨て、不登校となった。
今は食料調達のためにコンビニに向かって夜道を歩いている。
海千はスマホに来たメッセージを見る。
「明日にでも学校行ってみない? 学校側も新学期から登校するのを待ってるって連絡来てたよ」
母からのLINEだった。
「チッ、今更なんだよ」
海千は返信をせずにLINEを閉じ音楽をかける。
「春になったばかりだからまだ寒いな」
海千は咳をする。
「あれ、視界が安定しない。あ、戻ってきた……は?」
海千が再び目を開いた時、そこはまるで刑務所の部屋のように少し汚れた空間だった。
「なんだ?まさか今の一瞬で誘拐? いや、そんなわけがない。つまりこれは……」
その時扉が開く。
男が入ってくる。
暗い部屋で外が夜なのか光も入ってこず顔はよく見えなかった。
「-----」
男は何かを喋っているが意味は全く理解できなかった。
英語でもドイツ語でもなければもちろん日本語でもない。
「は?なんて? ここはどこであんたは誰なんだよ」
「--------------」
「----------」
声が小さくて聞き取れなかったわけでもない。
全く知らない言語なのだ。
(落ち着け。何があった? 俺はコンビニに向かって歩いてて目眩がしてそれが治ったらここに……)
海千は心の中で思考する。
(一瞬で部屋に移動するなんてありえない。ならやっぱり……異世界転生ってことか!? 男子高校生なら一度は憧れるやつ。あ、でも俺は死んでないから、召喚か転移なのか。もし召喚ならこの目の前の男が俺を呼んだのか?)
海千は興奮のあまり思考が巡る。
男が動き出す。
男は手を海千に当てて何かを声に出す。
その瞬間海千の意識が飛ぶ。
数分後、海千は目を覚ました。
しかし、おかしい。
体が動かない。
いや、動かせない。
「なんだよ、これ! 体が固定されて……」
海千の体は机に固定されていた。
実験台と呼ぶのが正しいのだろうか。
男は海千が気絶する直前と同じように手を海千に当てていた。
「俺に何をした! 何をする気だ!」
男は答えない。
一時間ほど経ったが、海千の体には何の異常もなかった。
しかし、急に海千の体に痛みが走る。
海千は、人生でこんな痛みを味わったことがなかった。
そのため、声を上げる間もなく、海千の意識は再び途切れた。
再び目を覚ました時には拘束が外され男は消えていた。
海千はしばらく呆然としていたが、我に返ると急いで部屋の出口を探した。
扉は開かない。窓は固く閉まっていた。
不登校になってから筋トレを続けていた海千でも開けられないほどの硬さだ。
「おい! ここから出せ! 何が目的なんだ! おい……おい!」
返答は返ってこない。
(どうなってんだよ。俺の知っている異世界生活は、美少女に囲まれてチートスキルでウハウハ生活じゃないのかよ)
海千は有り余った時間でアニメやドラマ、漫画、小説、ゲーム...…時間を潰せるものには片っ端から手を出していたので異世界には憧れを持っていた。
しかし、異世界に飛ばされたであろう現実は小汚い部屋に監禁されるという想像とはかけ離れた生活であった。
海千はその日、考えるのをやめて眠りについた。
次の日、また男は海千のいる汚部屋に来た。
海千は、この部屋を勝手に『汚部屋』と呼んでいた。
海千は昨日、一瞬で気絶したため、痛い思いをしたことを覚えていなかった。そのため、さほど怖がってはいなかった。
しかし、この日は違った。
「痛い痛い痛い痛い痛い痛いぃ」
あまりの痛さに海千は声を抑えられず、涙まで流していた。
昨日のようにすぐ意識を失うことはなく、海千はその痛みを味わい続けた。
数時間が経ったころ、男は部屋を出て行った。
海千は何も考えることなく痛みが終わったことに安堵し眠りについた。
その生活が1ヶ月続いた。
来る日も来る日も男は海千に手を当てていた。
1週間経った頃には海千は男に語りかけるのをやめていた。
無駄だと気づいたのだ。
2週間経った頃には海千は実験台に固定されることに抵抗しなくなっていた。
3週間経った頃には海千は悲鳴をあげなくなった。
痛みに慣れたわけではない。
声が出なくなっていた。
そしてこの部屋に来てから1ヶ月経った。
その日はいつもと違っていた。
いつも通りなら実験台に固定されて痛みを受けていた。
しかし、この日は手を光る何かで拘束され、部屋の外へ連れていかれることになった。
1ヶ月ぶりに部屋の外に出たが、そこはまだ建物の中だ。
ゆっくり歩いて建物を出た後、汚い裏路地まで連れてこられた。
そこで海千につけられた光の拘束具は外され、海千は地面に倒れ込む。
「---------------------」
男は再び手を海千に当てる。
海千は目を瞑るが痛みは走らなかった。
目を開けた時には男は歩き出していた。
海千は即座に理解した。
1ヶ月もの間、あの痛みに耐え続けた海千にはわかった。
自分は今、あの部屋から解放されたのだ。
普通の人間なら二度と近づこうとしない。
しかし海千の心に残っていたのは復讐心だった。
「許さねえ。許さねえ。絶対に殺してやる、悪魔め」
海千は気を失う。
ここから原田 海千の、いや、
ハラダ カイセンの異世界生活が始まる
この世界で、もう一度
読んでいただきありがとうございます。
ここからカイセンの異世界での物語が始まります。
伏線なども入れられるなら入れていくので伏線も探しながら読んでみてください!
よければ次話も読んでいただけると嬉しいです。




