第56話 66
しばらく反応はなかったが、中からドンドンと叩かれた。意味のない反応だ。
だが、今の音からして硬いものを壁にぶつけたような音だ。動かせるの頭だけなのか? サイズからしてもコクピット型ではないようだ。
バッテリー的なものが切れて中から開けられないのか? こういうのって、手動で開けられるもんじゃないの? 切れたら死ねってことか?
それでも手動で開けるところはあるはずだと、槌で叩いてそれっぽいのを探した。
三十分くらいして腰のところに小さなレバーがあった。これか?
それを回るほうに回すと、背中の装甲の隙間が爆発。ガシャンガシャンと装甲が剥がれ落ちた。威力、低くね? 湿気ってたか?
疑問に思っていると、ジージーが着ていたとは違う宇宙服を着た者が出て来た。力なく。食べてないようだ。
体型からして男。筋肉マッチョって体ではない。ボク並みに細いぞ。
「言葉はわかるはずだ。この世界の言葉を翻訳できるだけの技術力があるのはわかっているからな。無駄な抵抗はしないことだよ。君に遅れを取るような連中じゃないからね。そちらがなにもしなければこちらもなにもしない。どう判断するかはそちらに任せる」
「降参する。こちらに戦う意思はない」
細身の男がヘルメットに手をかけて、開放させた。やっぱ敵対していると技術体系が違うんだな~。
「ボクはレイ。君たちと敵対する者と接触して、ある程度の情報を得ている。そちらはどこまで情報を得てるか教えて。軍事関係のことは話さなくていいからさ。話されてもよくわからないしね」
「接触? アルセイムレクタールではないのか?」
「ボクはこの星の生命体。君らからしたら文明の遅れた石器人だね。でも、その石器人は強いよ。それは身を持って知ったでしょう? 死にたくないのならこの星の生命体のように偽ることだ」
「……わかった……」
「名前は?」
「66だ」
ろくろく? 数字? 番号で呼ばれる社会なの? 人権なし?
「それだとこの星で生きるには大変だからシックスと名乗るといいよ。敵からも身を守らないといけないからね」
「わかった。シックスと名乗ろう。だが、なぜ助けてくれる? アルセイムレクタールと接触したのだろう?」
「ボクらに君たちの戦争に興味もなければ関係もない。他人事だ。戦争したいのなら宇宙に戻ってから好きなだけ殺し合いをしてくれ。地上でやられたら迷惑でしかない」
町一つ破壊できそうな武器で殺し合いをしている連中だ。そんなものを地上で使われたら堪ったもんじゃない。平和のためにも自棄にさせないようにするのだ。
……ジージーと同じくサイボーグ化されているはず。なら、それなりに強いはずだしね……。




