第55話 フラグだった
うん。フラグでした。おもいっきりフラグを振りました~。
これはボクか? ボクなのか? 人生でフラグを揚げたことなんてないぞ。これはライアーズ冒険隊がフラグを揚げたんだよね?
「まさか巨石獣とまた遇うとはな。やるぞ!」
そう。帰ろうとしたら巨石獣──マニュアーが現れた。
右腕がないことからしてライアスさんが斬ったマニュアーだろう。まだこの辺を彷徨いていたんかい! 逃げろよ、バケモノがいんだからさ!
全高四メートルはあるか? 宇宙で戦うには小さい。宇宙船に突入する用か? ロボットってよりアーマーって感じだし。
長いこと自然の中にいたんだろう。下半身が泥だらけ。エネルギーもあまりないのか、動きが鈍い。バッテリー的なものの残量が少ないんだろうよ。
「ライアスさん。あまり追い詰めないで。自爆するかもしれないから」
突入用なら自爆機能があっても不思議じゃない。下手に巻き込まれたら堪ったもんじゃないよ。
「なるべく近付かないように撹乱して。動きから力が尽きようとしているかもしれないから」
「わかった。やるぞ!」
ボクは邪魔にならないよう退避させてもらう。あの中に入ったら死ぬ未来しかないわ。
宇宙兵器に肉体で挑む五人。どっちが脅威(驚異か?)かわかんないな。
中に人が乗っているのを示すように、動きがメチャクチャになってきた。パニックになっているんだろう。わかるよ。マニュアーと生身で戦うのがいたら恐怖でしかないだろうからな。可哀想に……。
「もう限界っぽいな」
動きがさらに鈍くなり、地面に足を取られている。男のほうは柔軟性がないようだ。
とうとうマニュアーの膝が地面についてしまった。
「離れて! そして、物陰に隠れて!」
ボクも大きな木の陰に隠れ、そっと顔を出してマニュアーの様子を見た。
十分くらい様子を見るが、光が点滅するようなこともなく、変な音がするわけでもない。まったく動く気配がなかった。
……近付いて来たところをドカン! か……?
さらに十分様子を見るが、まったく変化はなし。中の人、死んだか?
木の陰から出て近付いてみる。万が一のときは頼みますよって目をライアスさんたちに向けた。
槌を出してジリジリと近付いて行く。
エンジン音だかモーター音らしきものは聞こえていたのが、今はまったく聞こえない。完全に停止してはいるようだ。
自爆するにも数秒は掛かるはず。それを信じてさらに近付き、槌で膝の部分を軽く叩いた。
シャレインから教わったモールス信号的な合図で、中の人に呼び掛けた。降伏しろってな。
さあ、どう出る?




