第230話 無情
そんな要塞もSFを防ぐことは出来なかったんだから無情だよ。
いや、そんなSFに勝っちゃうファンタジーも無情か。無情しかねーな、この世界は……。
勝ったことが各町に伝わったのか、ボクたちみたいに物資を届けに来た荷馬車が集まっていた。
「人も死んでいるんだ」
遺体が並べられ、布が被せてあった。かなり激しい戦いだったんだな。
ハルジームの町でもかなり死んだらしいし、ファンタジーとSFの戦いは過酷なんだな~。
走り回っている兵士に救援に来たことを伝えると、要塞に向かうように叫ばれた。
簡易に掛けられた橋を渡り、長いトンネルを潜って要塞内へと入った。
野球場ほどある広場には突入艇が三──いや、四艇があった。うち二艇は破壊されている。どうやったんだ? さすがに剣でどうこう出来る強度ではないぞ。
「ハッチにあるボルトが爆発したんじゃないか? 修理出来ない突入艇はたくさんあったから」
雷の魔法で誤爆したか? 乗っていたヤツは報われんな~。
「レイ!」
と呼ばれて振り向いたら剣王さんがいた。
「ご無事でなによりです」
死ぬとは思っていなかったが、全身包帯だらけだった。大丈夫なの?
「いや、殴られて骨が何本か折れたよ」
普通なら死ぬんだけどな~。何本か折れたら動けないんだけどな~。ボクはどんな法則を見せられてんだろう?
「……安静にしてなくていいので……?」
「動いているほうが治りが早いんでな」
どこの世界の常識なんだろう? ファンタジーではそれが常識なのか?
「そうですか。まあ、一日でも早く完治することを願いますよ」
バケモノになると超常的なことが起こるんだろう。そう納得しておこう。うん。
「結構な人数が亡くなったようですね」
「ああ。少なくとも二百人は死んだと思う。レイが用意をしてくれたものがなければもっと長引いて、もっと死んでいたことだろうよ」
一艇に六機だとして二十四機。それだけあれば千でも二千でも相手出来るはず。それが出来てなかったってことはそれだけ整備されていなかったってことなんだろうな。ルクセル人も報われないわ。
「役に立てたのなら幸いです。負けてたらボクが吊し上げられてましたよ」
「なに言ってんだ。レイがいたから勝てたようなものだ。これで巨石兵を十体は破壊出来たし、光も盾で防げた。雷魔法であの船も爆発させれた。感謝しかないよ」
だからってこの戦果は戦った者が得たもの。ボクのものではないさ。
「全滅させられたんですか?」
「いや、巨石兵を何体か逃した。今、追撃隊を選んでいるよ」
逃げたか。賢い判断だ。




