第21話 カルチャーショック
貸してもらった部屋で早めに就寝。疲れが溜まっていたようで陽が昇ってしばらく過ぎてから目覚めてしまった。
「ジージー?」
隣に寝ていたジージーの姿はなし。外に行ったのかな?
しばらく毛布の中でまどろみ、いい匂いがして来たので起き上がった。一気に目覚めたよ。
部屋は居間と台所に続いているので、村長の奥さんとお嫁さんが食事の用意をしていた。
「おはようございま~す」
客の身分で寝坊か? とは言わないで。その分は今日、働かせていただきますんで。
軽くおしゃべりしたら井戸に向かい、顔を洗い、ブラシで歯をしっかりと磨いた。
「おはよう」
せっかくなので洗濯をしていると、ジージーが現れた。
「おはよう。散歩?」
「ええ。農作業を見て来たわ」
「ジージーのところでは農作業とかしているの? 工場で自動栽培?」
「どうだろう? 考えもしなかったわ。食堂に行けば食べられたから」
「それは羨ましい。作るのって手間だからね」
一人暮らしはまだ二年。まだまだ料理の腕はよくない。最近では面倒臭いと芋を蒸かしたものだけになってしまうよ。
「そうね。それには同意するわ」
ボクも実家にいた頃は前世を懐かしく思い、異世界暮らしの辛さに泣いたこともあったものよ。
「まあ、町に行けば食べれるところはあるから我慢だね。それに、結構慣れるもんだよ。十年も生きてたらね」
「……十年もいたくないわ……」
だろうね。よくわかるよ、その気持ち。でも、諦めたら受け入れられるものさ。快適さは自分の力で手に入れなければいけないってね。
「そのこともちゃんと考えておくべきだよ。この星の技術じゃ隣町に行くのも命懸けだ。宇宙に行くには仲間のシャレインが無事でないとダメだ。もし、ダメなときはボクのところに戻って来なよ。歓迎するからさ」
ジージーなら一緒に暮らしたいな。宇宙のこととか聞きたいからさ。
「……そのときはお願いするわ……」
「まあ、戦艦なら仲間もたくさんいたんだろうし、ジージーだけが生き残ったわけでもない。諦めなかったら希望はあるものさ」
まだ絶望するのは早いでしょう。この星に落ちて十日も過ぎてないんだからさ。
「さあ、朝食にしようか。久しぶりに手料理が食べられるよ」
この里の村に来たときの楽しみでもある。しっかり食べて皆に還元するとしよう。
村長の家に向かうと、温かい料理がテーブルに並べられていた。
「あー目が幸せすぎて落っこちそうだ!」
「相変わらず大袈裟だね」
大袈裟なもんか。これが幸せじゃないのならなにが幸せと言うのだ。これ以上の幸せはないと断言しよう!
「直すものがあったらすべて直しますね! 包丁も研ぎますから!」
「ああ、期待しているよ。レイが打ったものは錆びないし、切れ味もなかなか落ちないからね」
「一流の錬金鋼術士ですから!」
これで食べていられるのだ。プロの仕事を見せてあげますよ!




