13ピース
ありがとうございます。
「あれぇ? セイくんはぁ土に還ったよねぇ?」
「こぉの糞ほっそりノッポがー。さっさと出てこいつぅーの。お前のせいで、セイくんが悲しい思いしただろーがぁぁぁぁ」
手を離し、両手を挙げて、怒りの叫びを軸層に響かせていた。
「ま、これで安心ね。とりあえず、セイくんなら何とかしてくれるわ。さ、あたしは、もう1つの軸層を見にいかなくちゃ」
「セイくん。なにしてるのぉ?」
その細くて長い身体に向かってセイは走り出していた。その身体から両手が前に出され「危ない、危ないよぉ」と焦っていたが、お構いなしで進んだ。そして、思い切り飛びついて抱きついた。と思ったら、細くて長い身体は横に避けることに成功していた。セイは、その後ろにいた綺麗な長い黒髪を1つに束ねている女を、抱きしめてしまった。
「セッ、セッ、セッ、セイさん! あわわわわわ」
その女は男に抱きつかれて驚き、セイとわかるとまた驚き、セイに抱きつかれていると認識すると、目を回して倒れてしまった。その後ろに倒れた女よりも幼い女の子がいて、倒れた女とセイを代わるがわる見た。
「そりゃあ、アレちゃん倒れちゃうわ」
ウツテとイトは倒れている2人を見ながら、微笑んでいた。ここに、とっても暖かい感情があったと自分に言い聞かせていたら自然に抱きしめる力が強まってしまった。
「あーっ。セイさん……」
このままではアレが起きれないとイトに言われたので、アレから離れて、立ちあがった。アレが「あっ。セイさぁん」と手を伸ばそうとしていたが「はいはい。よかったね。もうおしまいですよー」と、イトが無理矢理アレをひっぱっていた。
「セイくん。ちゃぁんと説明してくれないとぉ、ぼくも倒れちゃうよぉ」
なんて言いながら、近づいてきたウツテはセイの片に手を乗せて横に並ぶと、日の火の方に向かってゆっくりと歩きだした。その姿は懐かしい面影を残しつつも、セイがしっているウツテよりも大きくなっているように見えていた。
「さぁ、なんでぇセイくんがクオカに戻ってきたのかぁ。教えてくれないかなぁ」
セイはどこから、話そうか、どう説明しようか悩んだ。あまみは言っても理解してもらえないと言っていたが、クオカで生きてきたセイが「違う片からきた」と言うのは話しがかみ合わない。セイは考えながら話しを始めた。「ウツテ、今から話すことはウツテだから話すんだ。アレにもイトにも言わないで欲しい」
「わかってるよぉ。セイくん、どこかぁ、変わったねぇ。それはいいやぁ。教えてくれるぅ?」
ウツテは変なとこで勘がいいから、わかってくれるのではと思ってしまった。
「僕は、土に還ったと思っとったら、神という女の子の所に連れられとったとよ。そこで、わからんやったことをたくさん教えてもらったと。そしたら、片は前はたくさんあって、今はバラバラになってしまったって教えてくれた。神の女の子は、その片を集めたいとよ。そのお手伝いを僕がするようになったと。森の中から歩いてきたら、クオカに来てたとよ。そしたら、誰も居なくてどうしようかしてたら、ウツテたちが来てくれたとよね」
ウツテはわからないことが多すぎた。しかし、セイが自分に話すということは大事な話なのだと思い真剣に聞いた。そして、まだ続いている話しを聞き終わってから、もう1度セイに教えてもらおうと思っていた。
「それで、このクオカ片と僕と神の女の子が居るところに結べる道が作れると。その道は僕しか通れないとけど、片と片を結んでいったら、いつかはウツテたちも森の向こうの見えない壁の向こうにある片に行けるとよ。そのために、片の長の涙がいるとよ。ウツテの涙よね。それと、この片の誰かの欠実をもって帰らやんとよ」
ウツテの口が開きっ放しになっていて、目のあっちこっち向いてしまっていた。
「セイくん。わからないことが多すぎるよぉ。何度聞いてもわからないと思うからぁ、ぼくができることを教えてくれるかなぁ。できるだけ簡単にぃ」
話しながらも、頭がフラフラしているウツテだが、協力してくれることにセイは安心した。ここで、ウツテが「セイくん、そんなことできないよぉ」なんて言い出したら、どうしようもできなかったので「そうよね、ありがとう」と言ってセイはまたウツテに話しを続けた。
わかってもらえるように、言葉の説明をしながら話したことと、ウツテがセイのことを信じてくれているからか、これからセイがクオカでやることをウツテはうまく理解してくれた。もちろん、できる限りの協力をしてくれるとのことだった。
「そういえば、ほかのみんなはどこにいったとね」
そういうと、ウツテは「あぁ」と言って立ちあがった。
「ついてきてぇ。セイくんの話はみんなにしなくてもいいと思うけどぉ、みんなセイくんに会いたいはずだしぃ」
そして、日の火の炎から階段を上り、ウツテの家の裏のほうに歩いていった。途中でイトがアレの額をペチペチ叩いて起こしていたので、手伝おうとしたら「大丈夫だから、早く離れて」と追い払われた。
「ここからぁ、階段だよぉ」
と細くて長いウツテが下りていくので、慌ててついて行った。ここに階段があったなんて知らなかったし、もちろんこの先になにがあるのかわからない。少し緊張していたら「そんなに固くならないでいいよぉ」とウツテが声を掛けてくれたが、いつも以上に気を付けて階段を下りて行った。すると、階段の下の方から声が聞こえてきた。聞いたことのある、懐かしい声だ。早く階段を下りたいのに、ウツテがゆっくりとしか進まないから、セイもそれ以上のスピードでしか進めず、細くて長い身体の横からなんとか先を見ようとしたが、全く見えず、あきらめて、しだいに大きくなる声を聞きながら階段を下りていった。
「ウツテ、みんなは何で下に居ると?」
「それはぁ、みんなで楽しいことを見つけたからだよぉ」
下りる階段がなくなり土の地面に足が着いた。ウツテが横に動いてくれたので、地面の向こう側が見えるようになった。そこには、セイが必死に探していた、クオカのみんなが居た。しかし、階段を下りてきたセイとウツテの方を全く見ていない。みんなの熱い視線の先は、トクとミロとタロに向けられていた。
「よし! 決まりだ!オレはウツだぜ」
「ボクはナゲるですよ」
「タロはとるだよ」
そう言って3人を見ているクオカのみんなに大声で教えていた。
「よーし!ウツんだぞー
「ミロ、しっかりナゲるんだからねー」
「タロちゃんも、しっかりよ」
みんなも、3人を後押しするような声を出していた。
「セイくん? セイくんだー!」
そう言いながら小さな身体を思い切り動かしながら走ってくる女の子。セイはすぐにその子に気づき、走り出していた。そして、女の子の身体を両手で抱きかかえた。
「セイくんなのね。ホントのホントにセイくんなのね」
抱き上げた女の子は、セイの顔を見つめて、キラキラの笑顔を向けていた。周りのみんなも「セイだ」「なんでセイさんが?」などと、驚きながらも近くに寄ってきた。そして、いつの間にかセイの周りはクオカのみんなでいっぱいになっていた。「これは、嬉しい。あまみちゃんが教えてくれた嬉しいやね」そう思い、流れてしまいそうな涙を我慢しながら、ハナをゆっくりと地面に降ろそうとする。
「みんなぁ、セイくんのことは驚くだろぉけど、まずは「ナウト」をやってからにしよぉか」
ナゲルがみんなにゆっくりとした口調で伝たら「そうだった」「よし、やろう」「セイちょっと待ってろ。すぐに終わらせてくるからな」と思い出したように、さっきまでいた場所に戻っていった。
次もよろしくおねがいします。




