0ピース
初投稿です。
「あーもう何十年も昔のことだし、忘れちゃったのよね」
小さな右手には、たくさんの色が混じり合ったハッキリしないピースのような物がつままれている。それを小さな顔の大きな目に近づけていき、寄り目になってしまうほどの距離で真剣に見つめる。
目を離して周囲を見回すと、どこまでも終わりのない空間が広がる。膝元にはピースがバラバラになって落ちている。右手に持っている物と似ているが、少し形が違ったり、色が違ったりするたくさんのピース。
空いている左手で頭部の真ん中から綺麗にオレンジ色になっている髪をかきながら、右手と膝元のピースに目線を度々移している。
上を向き急に立ちあがる。両手を大きく上に広げると、小さく真っ白な掌が広げられて、握っていた1つピースが落ちていく。
少女の幼さの残る綺麗な足の甲に落ちたピースは音も立てずに小さく跳ねて、バラバラに落ちているピースの上に半分ほど重なり動きを止めた。
「ルズベリーちゃんは、何であんなに完璧好きなのかしらね。どこもかしこも綺麗に枠にはめこんじゃってね」
終わりなく広がる空間を見上げて独り言のように呟く少女。
右手を使い胸の近くまで伸びている黒色の髪の毛先をクルクルと人差し指で回しながら、落ちたピースに目をやる。(小さな)つま先のところで重なるピースを見つけた。そして、よくある「思いついた」のポーズを取って可愛らしい笑顔で、また独り言を言っていた。
「できないことは、できないの。だからぁ、できる人に任せるの」
そしてまた、ピースの近くに座り込んでいった。
大きさがバラバラの木が力強い緑の葉をつけて、ほどよくまとまって生えている。よく見ると小さな実がついている木もある。地面にも草花が育っていて、小さな鳥の声も聞こえてくる。大きさはそれぞれだが、よく似ている木に草花、そして鳥たちだ。
鳥たちは、木々を自由に飛び回っている。1羽で過ごす鳥もいれば同じ種類の小さな群れも見える。高く飛び上がっていく鳥たち。ある一定の高さになると引き返してくる。もちろん鳥の意志で旋回し、空中を飛び回っている。自由にと言えばそうだが、どこかぎこちない。
3羽の鳥たちが、もの凄いスピードで追いかけっこをしている。しばらく遊んでいると1羽の先頭の鳥が降下した振りをし、急上昇をして逃げ切ろうとしている。スピードも早いが高低の幅がすさまじい。
ゴン!
高い空から、頭を真下に向けて急降下してきている。
そのまま地面に落ちてしまうか、というところで急に羽を動かし近くの木の枝に留まる。追いかけていた1羽ともう1羽もその枝に留まり、静かに心配し、鳥の身体を見回していた。
葉や実をつけた木々は、どこまでも続いている。何も考えず、木々に見とれて歩いていては、すぐに迷ってしまう。目印となる木が見あたらない、大きさ以外は同じ種類の木が並んでいるからだ。その木々も、ある場所までは並んでいるが、急に生え止まりになっている。その、生え止まっている場所から左右を見ると、美しい程ハッキリと木々の生えている列と、生えていない列が分かれているのがよく見える。
森の中に、大きな岩で囲まれた、小さな集落があった。
ご指導お願いします。




