表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔王になろう(本当の異世界を少女と歩むMMO-RPG)  作者: Tand0
Saga 3 少女と異世界を歩んだらこうなりました。
22/52

失敗した。

『ねぇねぇ、魔王(マスター)

『んあ? なんだい?』

『ちょっとスキル取って良いい??』

『あー、いいよー』


 何か生返事だけど、魔王(マスター)からのOKは出た。

 私は一気に、≪瞬間転移≫をLevel.20、≪視線感知≫をLevel.4まで振ってみる。


≪飛行≫Job.Level.3

≪瞬間転移≫Job.Level.20

≪視線感知≫Job.Level.4

消費スキルポイント:35(残0)


「こ、これでついに……」


 まず、魔王(マスター)の視線を感知しようとする。

 視線を感知すればウィンドウが開いて魔王(マスター)の姿形が見えるはず、と思ったが表示されない。

 おかしい。もう一度≪視線感知≫の説明文を良く見てみる。


「えーっと……。『スキルを使用された場合視線を感知できる?』 なら……」


 私は、5メートル先を指定して自分で≪瞬間転移≫をクリックしてみる。


 ――なにもおきない。


 おかしい。


 これじゃ魔王(マスター)の元に飛べない。

 『見たことがある』の条件に掛からないじゃないのよ。


『ねぇねぇ。魔王(マスター)。ねぇ、魔王(マスター)ってば――』

『もう、なんだい。今動画見てるから後にしてー』

『動画?』

『あぁ、異世界のジアちゃんは知らないだろうけど、それを見るととっても笑顔になるって、あぁあああああ――――。なんじゃこりゃぁぁ――』


 急に魔王(マスター)が叫んだ。どうしたというのだろう?


『スキルポイントが勝手に振られてるぅぅぅーーー\(^o^)/』


 主に私のせいだった。


『えーっと、スキル取るとき確認しましてよ?』

『ぐ……、完全にログが残っているからぐうの音もでねぇ……。適当に答えたのがまずったorz..。変身スキルとか取りたかったのにぃ。魔法少女の定番! 変身バンク! ジアちゃんの変身みたかったのになぁ……』


 何か不穏なセリフを聞いたが、私は聞かなかったことにした。


『ところでマスター。ちょっと実験したいんで、≪瞬間転移≫して頂けないでしょうか?』

『OKOK-。ジアちゃんの頼みだ。スキル振って何がしたかったのか見てあげようじゃないか。なんでもするよッ。ってポチっとな』


 私の視線が飛び、また5mくらい移動した。

 その瞬間ウィンドウが表示され、ぼやけた黒い服の男の子の姿が見えた。


『お、俺の姿が映っているじゃん。なんじゃこりゃ。これはえーっと、PCのカメラ? って、これがジアちゃんの取りたかった≪視線感知≫の能力? でもこれ、敵の攻撃かわすならLevel.5まで上げないと意味ないんじゃ?』

『私、マスターの姿が見たかったから……』

『おぉ、可愛いこといってくれるねぇー。あー。これが実験かぁ……。やっぱりジアちゃん可愛いなぁ……』


 いいえ。これが実験ではなく、これからが実験なの。

 姿は見えた。これなら――


 私は今『見た』魔王(マスター)の姿を思い浮かべながら≪瞬間転移≫のアイコンをクリックする――

 これで、魔王(マスター)の元へ――


 ・

 ・

 ・

 ・

 ・

 ・

 ・

 ・

 ・

 ・

 ・

 ・

 ・

 ・

 ・

 ・

 ・

 ・


 なにも起きなかった。

 何度も押す。反応なし。


「うそ……、なんで……」


 メッセージウィンドウを見る。何か原因が分かるかもしれない。

 確かに原因が黄色いメッセージで表示されている。


≪≪指定した転移先は視認したことがありません――≫≫

≪≪指定した転移先は視認したことがありません――≫≫

≪≪指定した転移先は視認したことがありません――≫≫

 ………


 クリックするたびに増える同一メッセージ。


(じゃぁ、私には魔王(マスター)の元にはいけないというの?)


(何か……、見落としがあるはず……)


『んー。じゃぁ今度は、俺の実験に付き合ってよ』

『えぇ……』

『あれ? 俺と付き合えないの?』


 内心気落ちしながら答えたためか、魔王(マスター)を困らせてしまったようだ。


『いいえ、そんなことはないのですが……』

『大丈夫だって、いやらしいことじゃないから。狩りだよ狩り』


『まずはゴブリン?』

『そう、ゴブリン。ちょっと思いついたことがあってね。空間魔術師って攻撃力ゼロの言ってみれば地雷職だけど、これがうまくいったらかなりの攻撃力(DPS)がだせるし。当面の目標としてはそれでレベルアップして≪視線感知≫をLevel.5にすることかな。そうすれば遠距離攻撃回避もできるようになるから――』


『えぇっとそれは――』



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ