格好良く転生するつもりが……
酷いフラれ方をした俺にできる、唯一の反撃。
それは……最高にカッコよく異世界へ旅立つことだった――!?
(※気軽にお楽しみいただけると嬉しいです!)
とにかく格好良さだけに拘ろう。そう決めていた。
堪忍袋の緒が切れた。俺を貶めてきたあの女を見返すんだ━━!それが目標だ。いや、それしか目標はねえ。
そうだ。その通り。転生場面をとてつもなく格好良く決める。そうすれば、あの女も俺を振ったことを少しは、いやかなり後悔する事だろう。
しかし、俺の頭の中にはまだ、その具体的な転生場面が思い浮かんでないのだ。なちかいアイディアはないものだろうか?
なんだか頭の中がモヤモヤして集中して考えられない。
俺の名前は回島弥生。この都立桜林高校の2年生だ。背は低く、自分で言うのもなんだけど、とくに目立たないオタク風のカーストの底辺に近い冴えない男だ。
天は人の上にひとを作り、人の下にひとを作るものだ。
実は今日、これに失敗したら人生はおしまいだ、という覚悟を持って、ある女生徒に告白をしたのだった。
校舎屋上にさりげなくを装って呼び出したまでは良かったのだが……。
向山彩夏は、独りではやって来なかった。他に もうひとり女生徒引き連れてきたのだ。
もう一人のそれは、彩夏とよくお喋りしているのを見掛ける川口 美怜であった。
美怜は鬼のような形相をもって言い放った。その言葉は、俺の心をを深く抉った。そしてさらに、追い討ちをかけるかのように彩夏本人が、
『あんた自分がモテてるつもりなの?そんなに目立たないクセに。それとも嫌がらせのつもり?』
ハスキーな美怜の声は、
『ビビったよう。だっていきなり手紙渡してきたのよ。なんのつもり?』
と鋭い目を向けてきたのだ。俺はダブルショックによって当分の間立ち直ることは出来まいと悟ったのだ。
そして半分泣いた顔をし仲間ら、ホームルームに戻ったのだ。その時に例の転生に関するアイディアを思いついたのだ。
つまり、あまりに格好良い方法で転生して見せてあげよう━━という計画である。
俺の教室の自席で頭を抱える俺の耳に、隣の席の男――学年一のイケメンでサッカー部エースの真壁まかべの声が飛び込んできた。
「おい回島、お前さっき屋上で彩夏たちに凄まじい顔で振られてただろ? 大丈夫か?」
無駄に爽やかな笑顔で声をかけてくる真壁に、俺の脳内転生作戦は一瞬で計画変更を余儀なくされた。
(待てよ……俺がトラックに跳ねられそうになった真壁を庇って代わりに壮絶に爆散すれば、彩夏たちの中で俺は『イケメンを救って散った伝説の男』として一生トラウマレベルで刻まれるんじゃないか……!?)
「真壁、今から俺と一緒に校門の前まで行かないか? 頼む、一生のお願いだ!」
「えっ、なんで? 俺これから部活なんだけど……」
「いいから来い! お前に最高のスポンサー……じゃなくて、俺の最高の死に様を見せてやる!」
ドン引きする真壁の腕を強引に引っ張り、俺は鼻鼻息荒く校舎を後にした。
つまり、あまりに格好良い方法で転生して見せてあげよう━━という計画である。
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失恋の勢いとヤケクソな勘違いから、謎の『カッコいい転生』に命をかけ始めた回島くんの物語です。巻き込まれたイケメン・真壁の運命やいかに……。
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次回もどうぞお楽しみに!




