最終話 彼女と彼は幸せに笑う
それから。
雪山登山の準備をしようと寄った町で、偶然息子さんとお出掛けしていたアルおじさんに会ったり。
彼がウィアさんに連絡を取ってくれたことで、登山する必要がなくなって楽が出来たり。
ウィアさんが闇エルフの里を訪れて、魔法陣を書き換えてくれたり。……まあ、あれは訪問というより襲撃だったかもしれませんが。
ナートが、私の世界についてきてくれたり!
色々あって、元の世界に帰ったあとも、私はすくすく育って、大学はナートと一緒に通ったりして。
成人した今は、異世界と日本を行き来できる魔法をウィアさんと一緒に完成させて、異世界を旅して回っている。
腰を落ち着けるなら異世界がいいな、とは思っているけれど……まだ、それは先のことだ。
「大好きですよ、私の愛しい旦那さま!」
「ぼ、僕も、その、好き……だよ」
「うふふー♪ 顔が赤いですよ?」
「照れてるって分かってるでしょ!? いま顔を近づけられるのはもっと恥ずかしいから! やめて!」
「えー。ナートをからかうの、楽しいんですけど」
「からかわないで!?」
「あははー☆ ナートが可愛いから、ついからかいたくなっちゃうんですよ」
「うう……そういう留香は、すっかりからかい好きな自由人になったよね……」
「はい!」
召喚された賢者の孫娘は、今日も伴侶の側で、幸せそうに笑っている。
補足コーナー
・2人のその後
大学を卒業して直ぐ、日本で籍を入れ、異世界に飛ぶ。
異世界でも籍を入れ結婚式をしつつ、新婚旅行代わりに異世界を旅して回っているのが最終話現在。
ちなみにお付き合いを始めたのは瑠華が中学生の時です。
あちらの世界を一通り回った後、第1子をもうけ日本に帰還。出産し、生まれた息子が小学生になるまでは異世界事情に触れさせず日本で育て……という感じで、子供を可愛がりつつ幸せに暮らしている。




