13.小嵐のあと
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「そりぇで?りじゅままはやっぱりがくえんいかにゃいの?」
「行かないの!何?リーゼはやっぱり一緒が嫌なの?」
昨日の嵐、と言うほどでもないな、小嵐のあと。
本日も恒例のティータイム。私はじっとりとリーゼロッテをねめつける。
「ちあうよ!だって、やっぱりあにょダメおやじ、ダメじゃん!ゆうべのごはんもさあ」
「あ~、でもほら、お茶会でこっちも放置しちゃったしねぇ」
「しょれはじごうじとくでしょ!」
「それもそうだけどね」
優しいリーゼロッテは少しの苦笑で済ませてくれているが、昨夜の晩餐でのダメおやじはダメおやじだったからね!まあ分かってたけどね!
まず!自分が!リーゼロッテをひと月以上放置していた認識があるのか?!と胸ぐらを掴んでぐらぐらさせて問い質したかったよね!!
そして相変わらずの仏頂面。そんな顔してる人と、一緒にいたがる人っている?しかもご飯時に!一番ムカつくやつ!
「わたしより、リーゼは大丈夫だったの?」
「じぇんじぇん……!!」
あまりの怒り心頭ぶりに、昔の記憶は飛んで行ったわ!!
「りじゅままがたくしゃん、しごとのはなしをふっても、ああ、とか、そうだなとかばっかだったじゃん!」
「まあ……でも、今の瘴気の状態とかは確認しておきたかったからね。今後の為に。ありがたい情報よ~」
「……しょうだけど。……だって、しまいにはしゃ……」
「……リーゼ?もしかして、エレーナ様の話が出たから気にしてくれてるの?」
「…………」
図星を突かれて横を向く。
そりゃあ私からしたって大事な実母で。恨みなんて全くなくて、泣きたいくらいに感謝していて、もっともっと一緒にいたかった、大切な大切な人だけれど。
リーゼロッテのことも、大好きなんだもん。
育ての親ってすごいと思うんだ。そりゃあ産むのも大変なんてもんじゃないよ?けれど、その後の方がその何倍もキツイ。少なくとも私はそうだった。自分の子じゃなくても可愛がれるのって、すごいどころの話じゃないんだよ。と、昔から思っていた。
だから。
「あんにゃ、くらべるみたいに」
悔しいのだ。
比べるのも違うと思うし。
そもそも、お前は何一つやってないだろうと強く言いたいしっ!!
思い出し怒りで泣きそうになった私を、リーゼロッテが優しく包み込む。
マリアンとエリーも心配そうに視線を向けていてくれている。
「リーゼが怒ってくれるのはとっても嬉しいわ。でもごめんね。わたし、申し訳ないくらい気にしていないから」
「……へっ?」
「本当に、旦那様にね、こう…気持ちが無い?というか」
「……」
「前の記憶を思い出したことが大きいとは思うのよ。こう…曲がりなりにもリーゼのパパだし?心底嫌いではないのだけれど、以前のような執着はなくて。この間も言ったけど、むしろ迷惑をかけた後ろめたさの方が先立つと言うか。リーゼへの対応への腹立たしさが勝つというか」
「……」
テヘッと可愛らしいしぐさで言っているが、内容は全くもって可愛くない。
「……それに、前の奥様に一途なところ、わたしはそれはその方が素敵だなって思うの。とても愛していらっしゃるのよね。すぐ忘れるなんて無理よ」
「……りじゅままは、いいの?ほんとに?」
「本当に!浮気性だったり、人を騙してまで不倫に走るような男より何億倍もいいわよ」
「そりぇは、そう、だけど」
「でしょ?!」
な、なんだかまたリーゼロッテに迫力が……。
「り、りじゅまま、もしかしておとこうん、わるかったり……?」
「わ~!言わないでぇぇ~~!胸に刺さるからあ~!」
「ご、ごみぇん」
謝りつつもチラっとマリアンとエリーの顔を見ると、頷かれた。たぶん前世で何かあったな、そして今生の男運も大概だなと三人で思った瞬間だった。
せめて私は、いつかはあんなダメおやじじゃなく、ちゃんとリーゼロッテだけを見てくれる誠実な人に巡り会えますように、と心から祈ろう。
私のママじゃなくなる案件かもしれないけれど、そこはそれとしてだ。うん。
娘だって、親の幸せを祈るのだ。




