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おいらthe3rd  作者: 川進


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26/27

小辰の夢 に






 すずめマネージャーは早起きである。

ポストから新聞を取り出すと、

一通の手紙がひらりと地面に落ちた。


すずめマネージャーは。

鉛筆で丁寧に書かれている、

不揃いな文字に。

ちょっぴり胸を打たれた。




うずらたまごくんせいぷれみあむ 

あげる

すなば

こたつ




ぷ、プレミアム?




すずめマネージャーは。

きらきら光る袋に入った、

高級うずら玉子燻製を思った。





 きじは。

校庭に踏み込んだとき、ふと感じた。



今朝なら。

高く飛べる。



きじは羽ばたいた。

しかし案の定。

いつもと同じくらいの高さであった。



ならば。

距離を伸ばす。



きじが強く思ったとき。




じゃじゃじゃっ


みんな!


じゃじゃじゃじゃじゃっ


おはようございます!




砂場の小山のてっぺんで。

かささぎ先生が発声練習を始めた。


きじは気を乱されバランスを崩した。

落ちるように降下する途中、

地面に小さなザルが見えた。


きじは間も無く。

柔らかな衝撃を足に受けて、

無事に着地した。



すずめマネージャーは、

うきうき跳ねていたが。

きじの危うい着地に気づくと、

慌てて飛んだ。




きじさまーっ!

ご無事ですかっ⁈




おお!

ずーさんか!

わしって!

ついとる!




きじは興奮気味に言いながら、

潰れたザルをリズミカルに、

踏み踏みした。



こたつちゃんは植え込みのかげで、

テグスの端を握りしめて震えた。





 教室に向かう、こたつちゃんの羽が、

しょんぼりしている。

かささぎ先生は声をかけた。




こたつちゃん!

おはようございます!


毎日暑いね。

変わりはない?




こたつちゃんは目を潤ませた。




せんせい。


いっぱいかんがえて。

なんかいも。

れんしゅうしたこと。

しっぱいしちゃって。




かささぎ先生は頷いた。




そうだったんだね。

けれど。


これからまた。

少しずつ集めるみたいに、

諦めないで。


より大きなものに、

変わるまで待って。


それからまた。

掴みに行っても、

いいんじゃないかな。




かささぎ先生の言葉を聞いた、

こたつちゃんの頭の中に。

小さな炎が生まれた。



そして、たくさんの。

すずめマネージャーが現れた。


次々に。

すずめマネージャーは、

隣のすずめマネージャーにぶつかりながら。

だんだん大きな、

すずめマネージャーになってゆく。


最終的には。

一羽のきじになった。



こたつちゃんの炎は、

急激に膨らんで爆ぜた。




そうか!

よりおおきな!

まるやきだ!




え?




かささぎ先生は首を傾げた。





 むったは完全に遅刻していたので、

急ぎもせずに校庭の上を飛んでいた。


ふと下を向くと。

潰れたザルが見えた。


むったは。

己の直感を信じ急降下した。


くちばしでザルを突き刺し、

跳ね除けた。


そこには。

潰れたうずら玉子燻製が、

10粒くらいあった。

きらきらと光る袋の上で、

ぜんぶ平らになっていた。





ちこく。

さいこうっ。


ぜんぶ。

おいらのもの。




むったは満足気に、

むしゃむしゃ貪り。

きれいにたいらげるなり、

直帰した。








おしまい


373( ◉⌓◉ )39


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