鬼ごっこ
( ):投稿不備発見しちゃった……詫びます。切腹の代わりに……なんだ? 上手い言い回しが出てこない。とりあえず二つ投稿しようそうしよう。
⭐︎⭐︎⭐︎ 【延戦刀士】 オール・フォルタム
「さぁて、どうしたものかねー……」
うーん。これはもしかして……閉じ込められた?
目の前に聳えるとてつもなく大きな光の柱。言うまでもなく例の白い虎さんが原因のこれは、どうやら私たちをここから逃がさないためにあるらしい。思えば、前回これが降ってきた時も、私たちを中心に囲むように設置されていたし、そう言う効果があったんだねぇ。
「これは……まぁ、そこまで不味くはないかな?」
周りを見渡してみれば、結構遠くに……それこそ、ここが高台だからこそ見えるこことは反対側にある光の柱。まぁざっと目算で見るに、おそらく二キロメートルくらいは離れていると思う。つまり、この私たちを逃さないための光のフィールドは半径一キロメートルの円で形成されているってことだ。
「まぁ逃げれないのはそこまで問題ないにせよ……大事なのは食料かなぁ」
そう、ここで重要なのは、逃げられないと言う事実ではない。一番やばいのは、食料がいつかは尽きてしまうと言うことだ。幸いにして、私たちの拠点は光の柱の範囲内に入っているから元々ちょっと蓄えていた分も相まって、食事を必要とするベフェマだけならこのままでも3日程度は持つだろう。もちろん、調理とかはしないとだけどね。
だが、そのあとは自分たちで食料はこの範囲内から取ってこないといけない。レベル上げをするだけなら獲物を倒して終わりだけど……もし食料を輸送している途中に襲われたら結構危ないと思われる。
「なぁんでこうなるかなぁ……やるならもっと合図とか出すべきだよねぇ……、いやほんと、マジでびっくりしたんだから。これはなんかしら慰謝料もらわないとですねぇ……」
はぁ。まぁそんなのあるわけないし、ないものねだりは今はいい。だから、これからどうするか、ってことなんだけど、さーて、どうやって食料問題解決しよう。心配だなぁ。
「……うーん。もういっそのことベフェマにその場で倒したやつを食事がわりにしてもらうか?」
いけなくはないけど……ベフェマの機嫌が下がりそうだなー。なんやかんやで舌が肥えていませんかねベフェマさんや?ここどこか知ってる?原始世界with逃走中だよ?まともな調理なんてできるわけないじゃん……、いや、できる人ならなんとかしてるのかな?私には思いつかないけど。
「まぁとにかくベフェマには自己供給してもらうしかないかぁ……後でお肉奢ってあげよう。焼肉みたいな感じで」
うん、きっとそれがいい。まぁ、全部ここを凌げたらの話なんだけど。
そう言うわけで現状の伝達と、ベフェマの食事事情もかねて念話をした。やっぱりと言うべきかごねられたけど、焼肉パーティをすることで許してもらえた。……なんで私が許される側なんだ?
うん、なんか気づいちゃいけなさそうな闇は触れないでおいて、完全に行動方針が決まったところで念話は終了。各自定時連絡と、指定した日時に私が作った戦場に集合することで決まった。
「それにしても……表面上消費がないと思ってたスキルはこう言う仕組みになってたのね……」
私が今開いているのは『解析』によるステータス。そこには、今まであったHPMP欄に加えて、SPという、スタミナポイントが追加されていた。どうやら気力とかお腹の満腹度とか、そんな感じのことを表す数値らしい。因みに、念話とかもSPを消費していた。まぁMPは何故かずっとゼロだしね。なんでだろうほんと。
まぁそれはおいといて、久しぶりの単独行動。そして、なるべく獲物は狩らないといけないと言うことで、ここからは思考を切り替えていこう。
「……お、第一村人ならぬ魔物はっけーん」
まぁ当然だけど私以外にもこの領域内にはいるわな。はい。先駆け一発。
「キュェア!?」
鹿さんだねぇ、戦闘力には自身がないと見える。逃げ出そうとした鹿さんに再度発砲。鹿さんが逃げようとした目の前の地面に威嚇射撃をして怯ませる。そして、二秒程度も時間があれば、次の攻撃なんざ簡単に当てられる。
「神刺」
「ギュ、ァ……」
首筋に刺突を一つ。うん、入ったね、致命攻撃。か細く鳴いて絶命した鹿さんは普段なら拠点に持って帰るところだけど、今は非常事態だから土に埋めることで土葬する。冥福を祈るよ。殺したの私だけど。南無南無。
「さて、次だね」
『気配感知』で次の獲物を探し始め、再度疾走を開始する間も、今の一連の流れで得た気づきを考察する。そう、私、攻撃系統の刀術もちょっとずつ扱えるようになっているのである。実を言うと、これは今始まったことじゃなくて、青龍を倒した後からのことなのだ。
まぁ、当然だよね。なんせボロボロで意識もあやふやだったけど、あの時の私はすごい挙動をしていたから。うーん。戦いが終わった後は覚えてた気がするんだけど……あー、これは思い出せないパターンだなぁ。残念無念。今度からは覚えてたらメモしておこう。
まぁでも、覚えてるのは奥義相当の技を使っていたんじゃないかってぐらい。まぁ流石にそこまではないかな?でも、どちらにせよ高度な技を使えていたからか、その時の挙動を少しだけでも学習した私の刀の腕は、日進月歩だけど上がってきている。
でも今重要なその腕を上げる原因となったあのすごい挙動の原理は分かってないんだけどね?でも、あの時の私ができたってことは理論上今の私もできなくはないってことのはずなのだ。
だって、人は無からいきなり力を得たりしないのだから。まぁ、こんなファンタジーな世界で、しかも死霊の私がそれに当てはまるかって言われるとちょっと首を捻るところだけどね。
「第二村人はっけーん……複数体か」
狙いを定めて……ヘッドショット(ネイティブ発音)。惚れ惚れするね(キリッ)。
断末魔をあげて崩れ落ちた仲間を見て、慌ててこちらを振り向くがもう遅い!そこは既に、私の攻撃可能範囲だよっ!!
「グルォワ?!」
二匹いた狼のうち一体を刀で喉笛を掻っ切る。そのままの勢いで……旋風旗。
「ゴ、ォ……」
まぁ普段は相手からの運動エネルギーで使う技だけど、今のは踏み込みを利用したちょっとした変則技だね。
「……あれ?私ってすごいのでは?」
なんか一気に成長してる気がする!!これはもしや……成長期、来た?
『条件を満たしました。レベル54へと上昇しました。』
『条件を満たしました。称号【延戦刀士】進化が可能です。複数進化候補が存在します。選択してください。』
「わぁいおっきな成長キタァ!!」
ついにレベルマックスで止まってた【延戦刀士】が進化できるんですね!?流石っすわぁ!誰に言ってるかわからないけど!
「えーとどれどれ……選べるのは……三級称号、【抜刀士】、【強刀士】、【不動刀士】、【応撃刀士】、【絶命刀】?うわぁー、多いなぁー」
なんでさっきまでなんも進化候補なかったのに急に出てきたんだ?ん?あぁー………そう言うことねー、討伐数かぁ……。
私は『解析』をステータス画面に表示される進化候補自体にかけることもできて、その場合は軽い説明と、取得条件みたいなのもあるんだけど……うん、見事に全部討伐数条件だったね。
まぁそうか……【刀士】系統ってそもそも討伐数がデフォルトで取得条件だったよね……うん、三級称号だったら一気にこれだけ討伐数増えるんだね。そりゃ出ないわけだ。
でもなぁ……三級ってそこまで強いようには感じないんだけどなぁ。この感じだと多分最上級が一級でしょ?それなら割と一級とかみんなとってるんじゃないかな?……あー、それならダメ元で白虎か青龍の称号見ておけばよかったか。スキル重視で見てなかったからなー、もし等級がわかれば基準がわかったのに。
でも、どちらにせよ今は取れるものとらないとね。勝つために力を少しでも伸ばすのが大事なんですよー……。ん?
説明をそれぞれ見てる中で、最後だけ称号の表記がちょっと違うなぁって思って説明を開いたら、なんとこちら【刀士】系統じゃなかった。ふむふむ……えーと?【絶命刀】は、【刀】系統に属するらしい。え?【刀士】と何が違うのかって?まぁ説明するからちょっとまってよ。
えー……【刀】系統の称号は、どうやら補正するところが違うみたいだね。まぁこれは当然か。えーと、具体的には……と。まぁ説明文を見せるかな?
『【刀】系統称号は刀という武器の性質を最も重点的に補正する称号群です。その性質上、基本的にはステータスへの補正率は少なく、代わりにそれぞれの称号に適する強力な技能を複数取得することができます。取得する技能は、基本的には刀への付与効果、刀の変質など、刀に限定した使い勝手の良い技能が主となります。』
……というわけです。まぁ要は【刀士】は刀を振る人間に対する補正を加えて、【刀】は刀にのみ補正を加えるということだね。うむ、似てるようで違う!
「……あーでも、刀にのみ補正を、ってことは、それを扱う人は変わらないわけで……もしかしてこれって、結構玄人向け?」
私が思ってるのは、例えば刀の速度を三倍にする、という技能を得たとして、その技能を使うと刀だけが暴走列車の如くぶっ飛んでいき……結果的に自分が得物を失うだけになる、というようなことになるのかも、という懸念である。
「……うーん、他のはー……【抜刀士】、抜刀だけに補正極振りかぁ……こんなんでも刺突とかやるからちょっと向いてないかな?【強刀士】、は……普通、だねぇ。なんか【刀士】のグレードアップって感じなのかな?名前からしても多分あってるかな」
【不動刀士】、【応撃刀士】は多分私が今までやってきた延長戦の結果が反映されたのかな?えーと効果としてはそれぞれ……あー、防御系統とカウンター系統かぁ。う、うーん。ど、どうしよう……?白虎と戦う以上、消極的な戦い方で勝てるとは思えないし……しかも戦場も短期決戦目的で作ってるし……今回は、なし、かな……?
「仕方ないけど、今回は【強刀士】か【絶命刀】。……片方は主力になる技能がない可能性大。片方は扱いに困りそうな技能しかない可能性大。むむむむむ……でもなぁ、ここは【絶命刀】かなぁ……?玄人向けとすると、ハマれば強いんだろうしなぁ……」
……よし!!【絶命刀】にしよう!
「思い立ったら即日即時即完遂!天の声ー、【絶命刀】ちょーだーい」
さ、流石にこんな適当じゃだめか
『条件を満たしました。称号【延戦刀士】が称号【絶命刀】へ進化しました。』
『条件を満たしました。技能『妖刀:命秤』を獲得しました。』
『条件を満たしました。技能『致命穿』を獲得しました。』
……うそやん。
「……いやいやいや!ほぼ絶対反応ないと思ったのに受理されちゃったよ!わぁぁああ!?もしかしたらもっといい選択肢あったかもなのに!?ハっ!!まさかガチャの女神……ここでも、出てくるのか……?天の声(適当)が私に返答するか否かの2択の可能性で、より私にとって不利益になるだろう方に傾けたのか?!(違います)」
なんてやろうだ……!!まさかここまでとはっ!!お前はそんなに人の苦しむ姿を見たいのか!?(自業自得)えぇい、貴様っ、これはガチャじゃないぞ(当然)!!管轄外だろうがァ(関わってない)!!そうやって人の不幸を啜って楽しいかぁァア!!(被害妄想)。
なんだと……?貴様、これで私が明日転ぶことになるだと?!(幻聴)
っ、ガチャの女神が嘲笑っている……!!(幻覚)
「はぁっ……はぁっ……黙れぇええええええええええ!!!」
※(彼女には幻聴が聞こえています)
※(オールは正常です)
◆
「……くっ、己策士ガチャ女神め、こうまで私の心をかき乱すとは、やはりただものではないな……邪神の類であったか」
私はあの後、腹いせ(理不尽)に鹿さんやら狼さんやら鮫さんやらをぶっ倒していた。……いや最後のおかしくない?
「レベルは……、あぁ、そこそこ上がったかな」
今の私のレベルは58。結構上がった方でしょう、1日にしては。そして、天を仰いでみれば、日はもう沈み、夜になりかけていた。
『……あー、あー、マイクテス、マイクテス、なーの』
『……いや、これに、マイ、ク、ない、ぞ?』
「やぁやぁお二人方。そちらはいかがかなー?」
『こんばんはオールさん!こちらは大体52なーの!』
『……62』
「おぉー、ヴェイガーが一番高いねー。流石は元ソロ」
『それほど、でも』
『あーっ!ヴェイガーさん照れてるーの!オールさんのマフラー役は渡さないのー!!』
『……いや、そもそも、無理だが?』
「はっはっは、ウェットに飛んでるねぇ」
『……これ、ウェッ、ト?ほん、とに?』
「まぁまぁまぁ。順調そうね。この調子なら、4日ぐらいで大体準備は整うかな。あ、2人とも、あれから白虎には遭遇した?」
『いえー、ないですーのー。あ、でも一回遠目に見たーの。すぐ身を隠したから気づかれなかったけど、なーの』
『こち、らは、ない』
「じゃあ今のところはベフェマだけだねー。まぁでも、最初が順調な時ほど最後が厳しいから油断せずにね。それじゃあ定期連絡終わり。明日も生き残ろうか」
『はーい、なーの』
『……当然』
念話がプチッと切れた感覚がして、再びひとりぼっちになる。まぁだからといって特に感じるものがあるわけでもないけどね。元々大体ぼっちだったし。さて……今のところは順調。でも、だから不安になる。だって、ここはすでに白虎の狩場なのだから。そして獲物は私たち。
「……怖いなぁ」
こんだけ戦って戦い抜いても怖いものは怖い。特にこんな静かな森で、トラウマ相手なんて。
「……」
やけに気色悪い木が大きく見える。気の所為だと知っているから、さっさと体を休めることにした。死霊の体でも、浅くなら寝れるんだよね。よかったよかった。
「じゃぁ、また、あし……た?」
『ーーーー!』
「ッッッ!!!??」
木に身を預けて寝ようとした時、背中にゾワリと悪寒が走り抜ける。咄嗟に前に跳べば、後ろでは木が閉まるところだった。
「……まぁじですか。本当に大きくなってたってことですか……!!」
『-------!!!』
木が文字通りに襲いかかってくる。猛る木の枝は受け流し切れないと判断、回避することで対処する。こちらへ迫る大きな口は、銃弾を発砲することで強制的に閉じさせる。
「マジですか……いや、本当にその言葉しか出ないな……死ぬ間際だったし当然か」
私は全くバカだよねぇ。この森で、安心できる場所なんて私たちが築いた拠点しかあり得ないのに、わざわざこんな気の根っこでねようだなんて……私は知っていたはずなのに。
「こういう時に限って、トレント系の魔物が出るのはなんなのか」
『-------』
人間の掌の如く広げられた木の枝が私を潰そうと迫ってくる。この速度、明らかに私と同格以上。困るよなぁ、本当に。
すでに油断はなく、冷静に、冷酷に、勝ち筋を導き出す。それが、私だ。
ーー
種族:ウィザード・ウェザーズ・ウッド レベル:56/88
状態:通常 ランク:B +
称号:【守護者:Lv4】 副:【三属術師:Lv7】
HP:623. MP:482. SP:93
STR:23. VIT:703. AGI:0. INT:577. MND:304. DEX:12
技能:『ガーディアン・ハート:Lv1』『硬化:Lv9』『鋼体:Lv5』『ユニゾン・マジック:Lv4』『土魔法:LvMAX』『水魔法:LvMAX』『風魔法:LvMAX』『雨乞い:Lv4』『雲手繰り:Lv7』『天気の子:LvMAX』『増魔:Lv3』『強命:Lv4』『護法:Lv2』『ウッドハンド:LvMAX』『不動根:LvMAX』『隠密:LvMAX』『擬態:Lv3』
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準備が整うまで、概算での期間、残り4日。
初日、最初の夜に訪れたのは白虎ではなく、しかして容易には倒せない相手。それでも、負ける気はない。
「最初の夜くらい余裕に突破させてもらうっ!!」
裂帛の息と共に、動き出したのは私の刀と、先へ進むための大志。
対するは、風を裂いて、水を纏って、下から土を生やして、多角的に攻撃を迫るトレント。
「戦闘開始だぁい!!」




