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女性VTuber向け 朗読しやすい3分シチュエーションボイス台本集 〜季節イベント対応〜(無料・使用許諾不要)  作者: 常陸之介寛浩 本能寺から始める信長との天下統一
5月に合わせた台本集

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頑張れない日があっても、ちゃんと好きだよ (お姉さん系/五月病の夜/少し年上の親しい相手)

……もしもし。

うん。

出たよ。


……ふふ。

そんなに黙ってたら、もしもしの意味なくなっちゃう。


どうしたの。

こんな時間に電話してくるなんて、ちょっと珍しいね。

……うん。

うん。

そっか。

今日は、だめな日だったんだ。


……大丈夫。

ちゃんと伝わってるよ。

言葉が少なくても、声でわかる。

今日は頑張れなかったんじゃなくて、頑張るところまで行く前に、もう心が疲れてたんでしょ。


……そう。

そういう日、あるよ。


ねえ。

今、ベッド?

それともまだ机の前で、だらっとしてる感じ?


……ああ。

机の前なんだ。

じゃあ、もう今日はそこから離れよ。

いいから。

立てる?


……よし。

えらい。

そのままベッドかソファに移動して。

今日はもう、“ちゃんとする場所”にいなくていいから。


……うん。

そう、そのまま。


今夜は、何もしたくないって思った自分を、追い立てなくていい。

五月ってね、そういう夜が来やすいの。

新しいことに少し慣れたころ。

周りから見たら、もう普通にやれてるように見えるころ。

でも心のほうは、ちょっと遅れて疲れが来る。


四月は緊張で立っていられたのに。

五月になると、その反動で急に膝から力が抜けるみたいな。

そういうの、ある。


……うん。

だから今日は、弱いとかだらしないとか、そういう話じゃないよ。

単純に、ちょっと消耗してるだけ。


ねえ。

電気、明るい?


……少し明るい?

じゃあ、もしできるなら、少し落として。

夜は、ちゃんと夜の明るさにしたほうがいい。

頑張れない日の心って、強い光に当たるだけで余計に疲れるから。


……そう。

そのくらい。


ふふ。

今、ちょっとだけ呼吸がゆるんだ。

音でわかるよ。

肩のあたり、少し下がったでしょ。


えらいね。

ちゃんと、休むほうに向かえてる。


……なに?

そんなふうに褒められると変な感じ?


変じゃないよ。

だって、しんどい日にちゃんと助けを求めるのって、思ってるよりずっと難しいことだから。

こうして電話してくれたの、ちゃんとえらい。


それに私は、こういう夜に呼ばれるの、嫌いじゃない。

むしろ少し……うれしいかも。

信じてもらえてる感じがするから。

“今はこの人の声がほしい”って思ってもらえるのって、やっぱり特別だよ。


……うん。

今のは、ちゃんと本音。


ねえ。

少しだけ、目閉じてみて。


返事しなくてもいいよ。

閉じたら、そのまま、私の声だけ聞いてて。


今日はね、頑張れなくてもいい日。

誰にも会いたくないって思ってもいいし。

何も進まなかったって落ち込んでもいい。

でも、そのあとで自分を責めるのだけは、今日はやめよう。


だって、責めたところで、今のしんどさが減るわけじゃないでしょう?

それなら、せめて今夜くらいはやさしくされたほうがいい。

……私に。


……ふふ。

今、少し黙った。


ねえ。

私はね、頑張ってる日のあなたも好きだけど。

こういうふうに、何もしたくないって声で言う日のあなたも、ちゃんと好きだよ。

むしろ、そういう日のほうが、近くにいたくなる。


強い顔してるときって、たぶん私が入る隙間、少ないから。

でも今日は少し違う。

少しだけ、触れられそうな夜って感じがする。

……ああ、もちろん、ほんとに触るわけじゃないよ。

でも、声って不思議でしょ。

ちゃんと手じゃないのに、近づけることがある。


今夜は、そういう感じ。


ねえ。

今日は何もできなかった、って思ってる?


……そっか。


じゃあ、私が言い直してあげる。

今日は“何もできなかった日”じゃなくて、“ここまでで止まったほうがよかった日”。

無理に進まないで、ちゃんと止まった。

だから、今こうしてまだ壊れてない。


……うん。

そういう見方もあるよ。


真面目な人って、すぐ“できたか、できなかったか”で考えちゃうけど。

本当は、“今日はここでやめたほうがいい”ってところで止まれたなら、それも上手な過ごし方なんだよ。


だから今夜は、だめな日じゃない。

ちゃんと、休みに向かえた日。


……ふふ。

少しだけ、息がやわらかくなった。


いい子。


あ。

今、ちょっと照れた?


でも、今夜くらいそういうふうに甘やかされて。

だって、五月病の夜って、たぶん理屈より先に、安心が必要だから。

“がんばれ”じゃなくて、

“今日はもういいよ”って言ってくれる声のほうが、たぶん効く。


それに。

あなたって、たまにちゃんと甘やかされないと、ずっと自分を追い込むでしょう。

私はそれ、少し心配。


……うん。

わかってるならよし。


じゃあ、今夜はちゃんと私の言うこと聞いて。

まず、深呼吸。

吸って。

……そう。

吐いて。


もう一回。

吸って。

吐いて。


上手。

ちゃんとできてる。


ねえ。

今、少し眠い?


……まだ、そこまではいかないか。

じゃあもう少しだけ、話そうか。


五月の夜って、少し肌に残る熱があるよね。

暑いっていうほどじゃないけど、布団の中に入ると、自分の体温がちゃんとわかるくらいの感じ。

ああいう夜って、不安も少しだけ近くなる。

考えなくていいことまで、ぼんやり頭に浮かんだりするし。


でも、そういう夜だからこそ、誰かの声が近いと落ち着く。

耳元で静かに話されるだけで、体のこわばりがほどけていく感じ、あるでしょう?


……ある?


ふふ。

よかった。


じゃあ、もう少しだけ近い声で話すね。

大丈夫。

置いていかないから。


今日、ちゃんと疲れてる。

ちゃんと無理してた。

だから、今日はもう頑張らなくていい。

何も生まなくていいし、何も証明しなくていい。

ただ、休んで。

ただ、甘えて。

ただ、今日はここにいて。


……うん。

それでいい。


私は、そういうあなたも好き。

元気な日だけじゃなくて。

何もしたくなくて、声が少し低くて、返事も遅い夜のあなたも。

ちゃんと好きだよ。


だから、安心していい。

今のままで、嫌いになったりしない。

むしろ、今夜みたいに少し弱いあなたを見せてもらえるの、私は少しだけうれしい。


……あ。

今、黙ったの、たぶん泣くの我慢してるでしょ。


ふふ。

いいよ。

泣いても。


頑張れない日って、泣きたくなることあるもん。

何があったわけじゃなくても。

ただ、いろんなものが少しずつ積もってて、それが夜になってほどけるだけ。

だから、変じゃない。


……うん。

大丈夫。

ちゃんと聞いてる。


ねえ。

このまま少しだけ、黙っててもいいよ。

私は切らないし。

あなたが眠くなるまで、ここにいる。


返事がなくてもいい。

たまに呼吸が聞こえるだけで十分。

そのくらいのつながりが、今夜はたぶんちょうどいいから。


……おつかれさま。

ほんとに。


頑張れない日があっても、ちゃんと好きだよ。

元気じゃない日も。

やる気が出ない日も。

少し弱って、私の声に寄りかかってくる夜も。


だから今夜は、安心してだめになって。

そのかわり、明日また少しだけ戻れたら、それで十分。


……ふふ。

うん。

その小さな返事、ちゃんと聞こえた。


じゃあ、そろそろ眠ろうか。

布団、ちゃんとかぶって。

スマホ、落とさないように持ってね。


おやすみ。

今夜は、何もできなくていい。

私の声の近くで、ゆっくり力を抜いて。

朝になったら、少しだけ軽くなってますように。


……おやすみ。

大丈夫。

今のあなたも、ちゃんと好きだから。

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