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4話 状況確認

俺たちは30分ほど、建物やスタジオを調べた。


「皆、状況調べてくれてありがとう。まとめるとこんな感じになるな」

虎之助さんが、全員で調べた結果をホワイトボードにまとめてくれた。


-----------------------------------------------------------------------

〇ライフライン

・ガス、水道、ネット回線(メール、SNS含む)、電話→NG

・電気→OK(パソコンなどの電子機器、CGソフトも使える)



〇建物の状況

・スタジオは5階建てビルの弊社は2階にあるが、

3階に上がる階段途中と、1階に下がる階段途中が大きな岩で塞がっている。


・外に出るには窓から出るしかない。



〇食料、水など

・カップラーメン、インスタントラーメン、お菓子など→5人で2週間分ほど。

・2リットルの水→5本


-----------------------------------------------------------------------

「電力だけは生きている?って事か」

「水は出ませんが、電子レンジは使えるっすね。スマホもネットを使う事以外はできますね、写真や動画撮るとか」

「ふむ……スマホなどの充電も可能のようですね」


皆がこの不思議な状態に混乱している。

どういういう仕組みになっているんだ?


「電力、どこから来ているんでしょうね」

俺は一番、不思議に感じている部分について聞いてみた。


「まったくわからないな……この世界に電力があるのかもわからないし全てが謎だ」

虎之助さんも頭をかきながら困った表情を浮かべている。


「この世界について、調べるのはまた朝になってからにしよう。まずは食料と水の事についてもう少し話をしよう」

「そうですね、流石に会社ですしそんなに食料が多くある訳ではないですもんね」

俺も虎之助さんと同意見だ。

異世界転移なら死んだ訳でないはず、食料や水なくては生きていけない。


「空のペットボトルはいくつかあるので、水を集める事は可能です」

「川や湖があれば、魚とかもいるかもしれないな」

「サヴァイバルな感じですね。外に出て川を探したいですが、今は危険そうですね」

「あぁ戦が行われていのは、5~6kmほど先だとは思うので巻き込まれる事はないと思うが…、この世界にどんな生物が存在しているのかもわからない。夜に森の中を歩き周るのは危険だ。明るくなるまでは待機にしよう」

流石、虎之助さん。

ごもっともない意見。


全員、今は動かない事にした。


そして俺たちは寝袋など常備してあるので寝る準備をする。

会社として良いのか悪いのかは置いておいて緊急事態にも対応できるのでラッキーではある。


俺たちは眠りについた。


×   ×   ×   ×


「虎之助さん、戦は終わっているみたいです」

「あぁ、チャンスだ。外に出てみよう」

翌朝、俺は誰よりも早く起きて外の様子を確認し虎之助さんに報告した。


俺たちはまずはスタジオがあるこのビルがどのようになっているか確認する為、全員で外に出た。


1階への階段が岩でふさがれている為、窓から外に出る事にした。

そして外から見て初めてわかったのだが、ビルの2階だけが切り抜かれたように建っていた。


「だるま落としで、2階だけ抜かれてるみたいじゃないですか~他の階は転移してないみたいです」

「このままでは、目立ってしまいますよね。何とかした方が良さそうですね」

流石に森の中でコンクリートの建物があったら異様に目立ってしまう。

魔物たちにもすぐに見つかってしまうだろう、危険すぎる。


という訳で、全員で草や枝などを集めて建物に乗せて目隠しする事にした。


「ふむ……ホワイト〇ースを隠す感じですね」

義雄さんがぼそっと呟く。

が、アニメの例えが古すぎて虎之助さん以外には大抵伝わる事はないのである。



スタジオを周辺を見て回ったが、人や魔物がいる様子はなかった。

森の中の奥地であり、あまり人が訪れる場所ではないようだ。


「近くには川がなさそうですね……水探しに行った方がいいんじゃないですか~?」

「すまない、任せるよ。俺は仕事してるから」

「え?でもここ異世界じゃないですか~?」

虎之助さんの言葉に驚き、哲さんが思わず聞き返す。


「納期近いだろ?それは変わらない」

「まぁ……そうですけど」

「急にこの世界に来たという事は急に戻るかもしれない。その時何も出来ていなかったらクライアントになんて言う?スタジオごと異世界に行っていたので、何もできていません。って言えるか?」

「頭ヤバイ奴扱いされますねぇ……」

「そうだろ?まぁ仕事するのは俺だけでいいから」

「でもでも僕怖いので~遠く行きたくないじゃないですか~?」

「制作進行が外回りしないとか、ないだろ……」

困った様子の虎之助さんが俺の方を見る。

「それなら、スネタと和彦で水の確保お願いできるか?」


「うっす。俺はどっちでもいいっすからやりますよ」

「虎之助さん!俺は残って仕事したいです、やらせてください」

和彦は納得したようだが、俺は納得がいかず虎之助さんに詰め寄る。


「有難いが、和彦1人で外に行かすのも心配だ。スネタも一緒に行ってやってくれ」

「虎之助さんがそこまで言うなら……わかりました……」


と、いう訳でスタジオ内で「仕事するチーム」と、「水を確保しに行くチーム」に別かれる事になった。


(この時は、俺も含め誰も気付かなかった)


ビル内を調べた時、1階を塞いでいた岩が青く光っていた事を。


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