恐怖!マッスルサスペンダー[2]
「なっ!」
リリーナが息を飲む。
イレブンはマッスルな肉体にサスペンダーと海パンのみで、乳首をギリギリで隠すと言う荒業を使っている姿になっていた。
黒い靴下に革靴を履き、ネクタイのみを首に下げ、顔には黒いブリーフを着用していた。
どこからどう見ても真性の変態へと変貌していた。
「へっ‥変態だっ!間違う事なき変態だっ!」
「マッスルー」
マッスルサスペンダーへと変身したイレブンは、最早人間の言葉を話せなくなっていた。
「マッスルーマッスルー」
「だから何言ってるのか解らないのよ!マッスルしか言えないのか貴様は!」
「サスペンダー?」
「違う言葉にすりゃ意味が解るとでも思ってるの‥?」
マッスル以外にサスペンダーも言葉に出来るらしい。
その時、現実へと精神の帰還を果たした英雄がマッスルサスペンダーに気付いた。
「なっ‥まさかこの世界に怪人が!?」
何故マッスルサスペンダーの容姿を見て怪人と判断するのか理由がサッパリだが、英雄は断言した。
「怪人‥?あれ、単なる真性の変態じゃ‥」
「何を言ってるんだいリリーナ女史?あんなに解りやすい怪人はそうは居ない!」
「‥まあ、怪人ってのが何なのか解らないけど、あんなに解りやすい変態はそうは居ないかもね‥」
「マッスルーマッスルー」
マッスルサスペンダーが英雄の言葉に頷いている。




