048 入学
とても短い。
今日は大学の初授業で疲れたんです、勘弁してください。
入学式については割愛をさせていただこう。
特に前世と変わらないふつうの入学式だ。
新入生の人数が、50人強しかいなかったことが唯一の特異点だったようなきもするが。
「終わりましたね」
「終わったな」
入学式が終わったとともに、俺はこの学園生活も終わったような気がした。
まず、誰も龍眼族に近づこうとしないのだ。
手の甲にある鱗をみては道をよけ、俺の目を見てはその変質した幾何学模様に驚く。
それは上級生も同じで。
入学前に学園長がいっていたとおり、龍眼族は史上初のものであり、それだけ大きな存在だということなんだろう。
「まあ、シルバさんは同じ寮の方もいらっしゃいますし大丈夫ですよ」
「エスペランサだって結構評判よかったじゃないか」
エスペランサは、贔屓目にみなくてもかわいいことは十分わかっている。
そのため、……うーむ。
彼女は照れたように笑うと、新しくできたらしい友達に呼ばれてどこかにいってしまった。
……まあ、俺とずっと一緒にいるよりはそれの方がいいか。
俺は自分で納得すると、視線の向きを変えてロキアスの方をみる。
……孤立していた。
あっちは、顔がよすぎて逆に敬遠されているような気がする。
俺とは大違いで、一部の女子は目がハートになっていた。
なにそれうらやましい。
だからといって、その位置にいようなんて俺は思っていないが。
なんだか大変そうである。
「シルバぁー!」
「……は!?」
ロキアスに気づかれたらしい。
大声で名前を呼ばれ、俺が戸惑うのと。
なにあの人、と女子が一斉に俺を見つめるのがほぼ同時であった。
いや、そんな顔で見つめられても。
「どうしたんだ?」
それに対して、ロキアスは満面の笑みで俺を見つめていた。
……なんだか、面倒なことになりそうな予感だ。
……実に何か起きそうで怖い。
御読了感謝です
明日からちゃんと書きます…。