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3話 兄と妹

「お兄ちゃん?何処に行くの?」


「街に行くのさ。家の奴らに見つからないとこで保護してもらおう」


 レトスは妹にご飯を食べさせ新しい服を着せるとルーチェを背負い街を出た。商人の馬車の荷台に隠れて関所を抜け、数日経って頃に頃合いを見て抜け出し、現在広大な野原を歩いていた。


(馬車の移動時間を鑑みるとここはきっとマゴ平原かな、来たことがない場所だけど魔物は危険度1しかいない様だし対処できるだろう……街までは山一つ超えなくてはならないけど朝方に出れば夕暮れには着く筈。そして街の孤児院に保護して貰えばいい、ドクトリン家の管轄外の街だし、いざバレてもまた逃避行を繰り返せばいい)


「お兄ちゃんがいれば何処でもいいや!」


「俺もルーチェを守れるなら何処へでも行くよ!だから約束して欲しいことがある。これからの道中僕が嘘をついても黙ってついてきてくれ。ルーチェを守るために必要なんだ」


「うん!分かった!」


(よし、ルーチェも少しは元気を取りもどしてる)


 幸せを噛み締めていると目の前に二つの人影が見えた。


(距離のせいかもしれないけど小さいな……僕たちと同じぐらいの子供か?もしかして近くに孤児院があるのか?)


 別に街から外れた場所に孤児院があるのはおかしなことではない。


 魔物が出ると言っても危険度1の魔物しか出ないのであれば王都からも建設許可は出る。


(正直野宿は危険だと思っていたしルーチェにも負担をかける……もし孤児院に泊めさせてもらえるならありがたい。よし!話し掛けてみよう)


「お兄ちゃん?」


「あの人達と少し話してくる。岩の裏に隠れてくれ」


「大丈夫なの?」


 大丈夫という絶対の保証はない、でも相手は子供だ。ならば何かあっても対処はできるはず、だから自信を持って答えた。


「大丈夫さ」


少し前に出ると向こうも自分に気づいた様だった。


「…………!」「?…………、?」


(何か話している様だが、わからないな)


 観察していると、僕が気になったのかこちらまで走ってきた。


「え!やっぱ子供じゃん!迷子?家出?」

「迷子はないだろフィル兄……身なりはそんな良くねぇけど……服自体はいいもん着てやがる、貴族か?」


(へぇ、驚いたな、まさか当てられるなんて……そしてやっぱり二人共まだ子供だ。と言うことは近くに孤児院がある可能性が高い。嘘をついて様子見かな)


「いやいやただの平民です、そして言いにくいのですが……実は今迷子になってしまって困ってたんですよ」


「やっぱ迷子じゃん!じゃあ俺達の孤児院に泊まるか?歓迎するぜ?」


「孤児院か?あの家」


「身寄りのない子供が集まってる家は孤児院だよ」


(なんだ?2人がいる場所は孤児院じゃないのか?)


「ん?お二人は孤児院に住んでいるんですか?」

「まぁまぁくればわかるよ」


 僕の微妙な表情を感じ取ったのか、僕と同年代ぐらいの子が説明してくれた。


「ちゃんと説明するとよ、俺とフィル兄含めた三人が共同で暮らしてるんだ。そして住んでる家を孤児院って言ってる」


「おいおいライが説明したらまるで俺が不真面目みたいじゃん」


「不真面目だろ」


(ん〜……とりあえず嘘はついていなさそうだな……1日……いや2日だけでも泊めさせてもらえるだろうか?)


「なるほど……ではとりあえず一緒に行ってもいいですか?このままでは夜になって危険ですし……」


「いいよ!」「いいぜ」


「ありがとうございます。妹もいるんですが大丈夫ですかね?ほらルーチェ出ておいで」


 岩の後ろからルーチェがとことこと出てくる。


「おー妹さんもいたのか〜大変だったろ?」


「いえいえ、むしろ妹に元気をもらっていますよ」


「かっけー兄貴だな、ルーチェちゃんっていうのか?よろしくな」


 家の者と以外あまり話したことがないルーチェは緊張しながらも自己紹介をした。


「は、はじめまして!ルーチェと申します!」


 辿々しくも精一杯挨拶するルーチェに三人は優しい雰囲気に包まれた。



▲▽▲▽▲▽▲



 レトスは二人に案内される道中に事情を話した。勿論嘘は混ぜるが。


「へーじゃあ二人で迷ったんだな……大変だったなぁ」


「帰ると言ってもここからあそこまでっつったら歩きだと相当な距離だしな」


「はい……不幸にも迷ってしまった様ですがが運に恵まれましたね。お二人と会えましたし」


「おいおい〜褒めてもシチューぐらいしか出ないぞぉー」


「シチュー食べれるの!やったー!」


 フィルがルーチェを抱えると肩に乗せた。ルーチェは少し驚きの表情を見せたがすぐに満面の笑みに戻った。


「たか〜い」「だろ〜」


「随分楽しそうですね。もうすっかり懐いてます」


 レトスは驚いていた、緊張しいルーチェがもうほだかれていることに。


「フィル兄には今まで妹分が出来たことないから嬉しいだと思うぜ。ルーチェちゃんは可愛いな、まぁその分兄貴のお前が大人びてんのかもな」


「2歳下ですからね……可愛い妹ですよ。お二人の他にもう一人いるとお聞きしましたがどんな人なんです?」


「姉貴分っていうのかなぁ〜まぁ会えば分かるぜ」


(姉か、嫌なことを思い出すな。まぁそんな人ではないと願いたいが……)


「お二人の家族ってことはさぞかしいい人なんでしょうね」


「貴族様は随分と口がお上手だな」


「はは……平民ですよ」「はっ!どうだかな」


 若干牽制し合っている二人の空気を裂くかの様にフィルの声が響く。


「見えて来たぞ〜」


「わぁ!綺麗で大きなお家ね」「おぉ」


 そんな風に声が漏れるほどには素晴らしく綺麗な家だ、広大な野原にポツンと建っている。 元からあったものを転用したのだろうがライムグリーンの壁と庭の花壇合って蕭灑な家になっている。


「素晴らしい孤児院?ですね」


「だろ?色塗ったり補修工事したり頑張ったんだよ」


「でもすごい綺麗だよ〜」


「そう言って貰えると嬉しいもんだ、じゃあどうぞごゆっくり」


ギィぃぃぃぃ


 大きな軋む音を鳴らしながらドアが開くと洗濯物であろう服を持った一人の女性が立っていた。


「あら?どうしたの?その子達」


「ちょっと色々あって……」


話そうとするフィルを手で制す


「大丈夫ですよフィルさん、僕からお話しします」


「あっそう?」


「はい、初めましてレイラさん、私はレトスと申します。隣にいるのは妹のルーチェです、実はピクニック中に迷ってしまって。どうか数日間だけでも泊まる場所を貸していただけないでしょうか」


 そう言いながら片足を斜め後ろの内側に引き、もう片方の足の膝を軽く曲げた上で、背筋を伸ばしたまま会釈をする。少し遅れてルーチェも頭を下げる。


「そんなに堅苦しくなくていいわ、レトス君にルーチェちゃん?少し仕事はしてもらうけど……それができるのなら泊まってもらって構わないわ。あととりあえず水浴びしてきなさい?詳しい話はそれからでいいわ」


「ありがとうございます。ルーチェ行こうか」「うん!」


「水浴び場まで案内するぜ」


「あんた達も汚いんだから浴びてきなさい!」


「「へい」」


(楽しい人達だな……本当に怪しい人達でもないみたいだし、久しぶりにぐっすり寝れるかも)



▲▽▲▽▲▽▲



 食堂にて、五人は夕食のシチューを食べながら今後について話していた


「それは大変だったわね。1日2日ぐらい泊まっていくといいわ」


「ありがとうございます。明後日の早朝には山を超えて帰ります」


「山か……山には主がいるから危ないぞ?それに早朝もよくないな……まだ活発な魔物がいるかも知れない」


 陽気なフィルさんが冷静にそう言った。


「では昼からに、それで主っていうのは?」

「山で一番強い魔物ののことだよ、多分危険度は2ぐらいかな」


(危険度2か……絶対に勝てないレベル帯だな……ルーチェもいるし出来れば安全な道で行きたい)


危険度、名の通り魔物の危険性を表す数値。


危険度0:無害かほぼ一般人でも対処可能なレベル


危険度1: 武や魔法を使えるのもなら対処可能なレベル


危険度2:兵士1人が必要になるレベル


危険度3:騎士や強い冒険者でないと対処不可能なレベル


危険度4:都市の脅威となるレベル


危険度5:地方全体に影響を与えるレベル


危険度6:複数の都市や王国の一部を脅かすレベル


危険度7: 国家存亡の危機をもたらすレベル


危険度8:世界を滅ぼせるレベル



「出る時間帯などは分かりますか?」


「魔物だし夜は論外ってことしか分かんないな、実際に会ったことないし」


「でも頂上に棲家があるって聞いたことがあるわね」


(頂上か、もとよりそこまで行くつもりもなかった。時間が掛かっても迂回するか)


「なるほど……ではやはり昼に出て急いで駆け抜けるしかないですね」


「そうね……でも万が一があるかもだからフィルを連れて行きなさい。こんなんだけど案外強いわ」


 中々に強めの勢いでフィルの頭を叩きながらレイラは言う。


「いえいえ……これ以上迷惑をかけるわけには」


「別に気にしなくていいのよ?」


「いや、お気持ちだけでも……ありがとうございます」


「そう……分かったわ、じゃあみんなお皿下げて〜もう寝るわよ」


「「「はーい」」」


 そんな問答をしてから2日たった日の昼時。レクトとルーチェは玄関にたち、フィル達に見送られていた。


 決して嫌な時間ではなかった、むしろ家族を忘れられるほどには楽しく忙しい2日間だった。ここに居る人は皆優しく今も僕達の見送りをしてくれる。妹はまだ自分の背中で寝ている、相当精神的にも体力的にも参っていたんだろう。


「じゃあなレトス、俺らあんま学がないから話聞いて面白かったよ」


「そうだぜレトス、またこいよ」


 フィルさんにライ、とても優しく面白い人達だった


「そう言って頂けると幸いです……」


「ルーチェちゃんにもよろしくな!」「じゃあまたいつか!」


 玄関を出て見送られ歩き出す。


(とてもいい人達だった……嘘をつくのに罪悪感が溢れるほどに。でも慣れなければ……これからずっと逃げるんだから……ずっとずっと…………そうだずっと逃げなければいけないんだ、僕は別に逃げれるだろうし逃げる覚悟もしてる。でもルーチェはどうだ?今回の家出でも疲れ果ていたのにずっと追われて神経をすり減らされて大丈夫なのか?大丈夫な訳がない…………でも安心出来る場所なんかない……ここは本当に大丈夫なのか?本当に……)


信用してもいいんじゃないか?


どうしてこんな目に……


悪い人達ではないのは分かる


ルーチェも懐いてる


でも本当に信じていいのか?


僕達を売るかもしれない


信じるってなんだ?


親にすら裏切られたのになにを信んじたらいいんだ


バカみたいに信じてルーチェを失いたくない


だから僕は……やっぱり……


今の僕はどんな顔を……


 孤児院を背にルーチェを背負って歩く、山麓を歩いていた辺りでルーチェが起きる。


「......んっ。お兄ちゃん……?ここどこ〜?」 


「ん〜?山を登ってるんだよ」


「レイラお姉ちゃんは?ライとフィルは?」


聞かないでくれ


「あの人達とは別れることにしたんだ。あそこにいたら奴らが追ってくるかもしれないからね」


「えー!じゃあ助けに行かないと!」


「僕はルーチェが無事ならいいんだ」


「そんなことないよ!みんなを助けに行こうよ!嘘はついてたけど優しい人達だったもん!」


うるさい


「だめだ」


「どうしてよ!」


「ダメなものはダメなんだルーチェ。分かってくれ」

「分かんないよ!みんなにあんなにお世話になったのに!」


うるさいよ……


「しょうがなかったんだ……」


「しょうがないってなにがしょうがないの!?」


なんで分かってくれないんだよ


「ルーチェを守る為にはしょうがないだろ……」

「だからなにが……!」


「しょうがなかったんだ!」


 つい口から溢れた本音、それは一度出たら止まることなく……


「信じれなかったんだよ!あの人達を!またあの家にいた奴らみたいにいつか裏切ると一度でも思ったら止められなかった!人間不信に陥ってるのは分かってるよ!でもしょうがないだろ!どうしてルーチェにまで責められなきゃならないんだよ!」


「わ、私は……」


「ルーチェを守りたいから此処まできたんだ!ルーチェを見捨てることも出来たのにわざわざだ!なのにどうして責めるんだよ!僕がルーチェに何をしたってんだよ!」


 ふと見えたルーチェの顔を見て、熱くなってた頭が冷水をかけられるように冷えていった。


(はっ!僕は今何を言って……)


「ご、ごめんなさいお兄ちゃん……お兄ちゃんのこと考えないで否定しちゃってごめんな……さい」


 背中から震えてるのがわかった。


「ひっく、だからぁ、すてないでよぉ…………」


(僕は何をしてるんだ?何でルーチェを泣かせてるんだ……分かってたのに……ルーチェが一番不安を感じてるって。ルーチェは世の中をまだまだ知らない、ルーチェの中で信用出来る人は僕しかいなかったんだ…………2日前まで……せっかく出来た信頼できる人達と離れたら不安に心細いに決まってるだろ、バカか僕は!)


「ごめんルーチェ!僕が間違ってた。疑心暗鬼になってた、あの人たちを信じれなかったんだ。またルーチェを失うのが怖かった……怖かったんだ」


 今まで堰き止めてた感情が溢れ出した。それはルーチェへの失望でもなんでもなく、ただ大切な妹を守りたいという一心。


「もうあんな思いはしたくなくて、あの人達にも嘘をついた……信じなかったいや信じようとしなかったんだ。こんな僕を……許してくれ……失望しないでくれ……」


お願いだから


 ふとルーチェに抱きつかれた。いつもの元気いっぱいの抱きつきではなく……慰めるような優しい抱擁だった。


 静かに……そして僕の心を落ち着かせる様にルーチェは言った。


「失望なんかしないよ……たった一人のお兄ちゃんだもん。だからね、今からでもフィル達に謝りに行こう?お兄ちゃん」


 何故かわからない……安心したからかもしれない……緊急の糸が解けたからかもしれない。ただ……ただ涙が溢れて止まらなかった


(あぁ本当にルーチェは……)


「僕なんかよりよっぽど…………」


「どうしたのお兄ちゃん?」


 バレない様に目を擦る。


「いや、何でもない。今から謝りに行こう、そしてまたあそこで暮らさせて貰えないかきこう。許して貰えるかはわからないけれど……」


「許してくれるよ!フィルもライも優しいもん!」


「レイラさんもな」


「「あはははっ!!」」


 久しぶりに心の底から笑えた。もう心は軽かった。ただ解放感だけが体を満たしていた。


 だからこそだったのかも知れない、後ろから殺気を感じれたのは……



「ゴグルゥゥゥゥゥ」


「「え?」」


後ろを振り向きトパーズの瞳に飛び込んできたのは5m級の熊型の魔物だった。


(なんてデカい魔物!まずい……!早く魔法を!)


レトスの判断は早かった。咄嗟にルーチェを抱えて後ろに飛びながら魔法を放つ。


水魔法 初級 「水弾(セレスト)


 高速の水弾が熊型の魔物を撃ち抜く。


「ガァアッァァァァ」


 今までのレベルの魔物だったらここで終わっていた。


(効いてないのか!?いや通りが悪い…………この見た目にこの強さ間違いない)


「山の主……か……」


(ルーチェだけでも逃がせるか?落ち着け……焦るな、焦るな……このままだと二人とも死ぬ)


 攻撃され激昂した山の主がレトスを睨み姿勢を低くし猛獣特有の4足歩行の臨戦体勢を見せる。


 必ず目の前の相手を葬ると誓った体勢。


 睨まれたレトスは直感する。


(ダメ……ダメだ、絶対に勝てない。でもルーチェだけでも……)


「ルーチェ逃げろ!山から降りて助けを呼んでくれ!」


「で、でも!」


「でもじゃない!早く!大丈夫だ、絶対死なないから。だから助けを呼んでくれ!ルーチェ」


 ルーチェは何も言わなかった。ただ走り出した。


「大丈夫……これでいい、ルーチェはきっと助かる……」


「グルゥロォォォォォォ」


 大地を割るほど勢いで山の主はレトスに爆進する


氷魔法 初級 「氷壁(ラシスト)


(氷の障壁……これなら!)


「グラァァァァァァァァ」


 勢いを失わないまま氷の障壁を貫通しそのままレトスを殴り飛ばす。


 木を何本も投げ倒しながらレトスが吹き飛んだ。


「げっほ、かはぁっあ•••••!」


(何が起こった?殴ってきたのか?くっそ……化け物め)


 一呼吸おいて再び山の主はあの戦闘体勢をとった。


(判断を間違えた!もっと時間を稼がなきゃ。またあれがくる!いや、でも……防げないの分かってる……骨が折れて息を吸うのも苦しい……逃げたいな…………逃げたい、逃げたい逃げたい逃げたい!)


 立とうとしても腰が抜けて立てない。


 勝てないって心の底から分かってる……怖くてしょうがない……


「死にたくないなぁ……まだ……もう一度ルーチェと……一緒に」


死にたくない……



死にたくないよ……



「グォォォォォォォォォォォオ」


再び山の主が爆進する時!





 レトスの後ろから一つの石ころが山の主に投げられた。


「グルロォォォ」


(石……?ルーチェか!?何で…………)


 逃した妹が帰ってきてしまったのだろうか……そしたら再び覚悟を固めなければならない。


 急いで不安から後ろを振り向いたが……


「おい、お前……何してんだ」


先刻別れを済ましたはずのフィルが立っていた。


「フ、フィルさん?どうして」


「不安だったからやっぱ追いかけてきた、ルーチェから聞いたよ」


「そ、そうですか……うぐっ、くぅっ!でも逃げて下さい!絶対勝てません!」


(この人達まで巻き込むわけには……)


 焦りと痛みからかつい言葉が強くなってしまったけどしょうがないだろう、早く逃げろとそう言おうとした瞬間。


”ぽんっ“と頭を撫でられた。


「よく頑張った……よくルーチェを逃した。怖かったろうに……よく……よく耐えた、頼りないかもしれなけどさ……あとは俺に任せてくれ!」


 微笑みながらフィルは腰に携えてた剣の柄を握り締める。


 たった2日間だけでもフィルのことはよく分かってたつもりだった。優しくもどこか抜けてて頼りない……そんな人だと思っていた。


 だけどどうだ、そんな頼りないと思っていた人の背中は


今までのどんなものよりも大きく感じた。

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