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blood 血の誓い  作者: さくらもち
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期間限定のグミ

葉山玲 side



期間限定いちじくグミと書かれたグミの袋を開封し、ひとつ口へ含めば甘酸っぱくてクセになる味が口の中に広がっていく


噛めば噛むほど甘くなり、口の中で無くなる度にまたひとつグミを頬張った




先ほど、士郎さんと共にコンビニへと向かった理由はコレだ。


昨日から販売の期間限定商品


大のグミ好きからすれば、期間限定と言う言葉には大変弱く、聞いてしまえば絶対に欲しくなるのだ。しかも、鉄分豊富ないちじくきたら、もう買うしかない



期間限定、そうCMやSNSで宣伝してるのを見かけてから、ずっと食べたくて仕方がない



本当ならば、昨日のバイト帰りに購入するはずだった予定だった。なので今日こそはと、心に決めて家を出たにも関わらず、今朝もバタバタと急いでいたせいか、また買い忘れ。



そんな時、ちょうど暇そうな士郎さんに頼んで、コンビニへと連れて来てもらえば、やっと念願のいちじくグミを発見し、早速購入する事ができた。


買いに行くのが面倒で、籠の中へ20袋入れれば、士郎さんは買いすぎじゃね?と籠の中を白い目で見ていた。



士郎さんの視線を気にせず、レジへ向かい支払いを終えると、未だに隣で買い過ぎじゃね?なんて、言ってくるがとりあえず聞こえないふりをした。




車の中に戻り、早速グミの袋を開ければ袋の中から、いちじくの甘い香りが溢れた。

隣で美味しいのそれ?と覗き込んでくる士郎さんは、ほんの少しだけグミに興味があるのだろう



「美味しいよー?俺昨日からこれ食べたくてさぁ、期間限定なんだよね」


「へぇ?おこちゃまだなー」


「はは、お子ちゃまだからいいんですぅー!」


甘そうで無理だわ〜なんて、食べもしないのに言われるのはとても心外だ



けれど、確かに甘いのは事実だ。だからと言ってこんなに美味しいグミを食べないなんて、なんて、損な男なんだろう。



袋の中からグミをひとつ取り出し、パクリと口に頬張れば、初めこそ酸味はあるけれど、甘くてクセになる味がすぐに口の中に広がっていった。










射撃の練習がひと段落した所で、休憩しようと、ソファーが置いてある廊下へと向かった。


どさりと、柔らかいソファーへと腰を下ろし、持ってきていた鞄の中から、先ほどのグミを取り出し、新しく封を開け、グミを口に放り込んだ。



舌にのせた途端、グミのまわりに付いている粉が酸っぱいが、噛めば噛むほど中から果汁の甘味が溢れていく。



黙々とグミを食べながら、射撃場をガラス越しから眺めれば、イヤーマフを付けた海が必死にハンドガンを構えていた。

水色の長い髪を揺らし、的を狙う姿は案外様になって見える。



士郎さんも、何やら天明さんと見守っているのを見ていると、なかなか先輩らしいなと、後輩の自分が思うのも可笑しいが、ふと微笑ましくなった。



2人に教えてもらう海を見ていると、自分もあんな微笑ましい時期があったのか、と懐かしくなるが、自分の時は、天明さんとボス直々に教わったから、とても厳しかった思い出しかない。


それも、今となっては懐かしい思い出になり、感謝している。






暫く黙々と食べ過ぎてしまい、気づけば20袋もあった袋は現在12袋、8袋も食べてしまい若干後悔したけれど、また帰りに買って帰ればいい


そう、自分の中で決めると躊躇する事なく、再度グミを口へと頬張った





「んぅ〜…うまい」



「…おはよ、何食ってんの?」




グミに集中していたせいで、誰もいないと思っていた廊下から、急に声が聞こえ、驚いてポロリとグミをひとつ落としてしまった。


食べ物を落とすと言う、痛恨のミスをしてしまい、流石に小さい悲鳴が溢れた



咄嗟に落としたグミを拾い、3秒ルールだとすぐさま口へと放り込めば、なんとかセーフ…




ホッと胸を撫で下ろし、相変わらず魅惑的なムスクの香りを漂わせる、声の主を見上げれば、

寝起きなのか、いつもよりも、幾度か眠たげな表情をしたボスが立っていた。




「何してんの?」


「期間限定グミを食べてます」


「…なにそれ?」



意外と興味があるのか、やけに何味?と聞いてくるボスへと、グミの袋を見せれば、うまいの?と袋をまじまじとガン見してくるので、しょうがない、とひとつ差し出せば、無言で受け取り、ボスは口へとグミを放り込んだ



しかし、口に含んだ瞬間、一瞬だけ眉間を寄せたボスの表情


その原因はよく分かる、きっとあの粉が酸っぱかったんだろう。


あまりにもボスの表情が面白く、思わず笑いそうになるが、流石にここで笑うのはまずいと思い、コホンと、咳払いをして誤魔化すと、どうですか?と感想を求めた。



なんとなく、返事はわかっているが、聞いてみれば、ボスはあからさまに渋い顔をした




「んー…微妙」


「酸っぱいけど、甘くて美味しくないですか?」




俺これ沢山買ったんですよと、グミの袋でいっぱいのコンビニ袋を見せれば、更に眉間を寄せた




「やばいってお前…虫歯じゃん」



「え、ちゃんと歯磨いてます!検診も行ってまーす!」



流石に、酷い言われ様にちゃんと検診には行ってると訴えるが、はいはいとあしらわれた。


士郎さんもそうだが、大人組はグミの良さを全く分かっていない様だ。



流石に納得がいかずに、美味しい事を力説するが、軽く無視され、ボスの興味はすぐにいちじくグミから射撃場の方へと変わり、3人へと視線を向けている


 

「…なにあれ?天明が教えてんの?」



「そうですよ、俺が呼びました」



双剣が習いたいみたいだったからと、付け足して言えば、興味なさげにふーんと返事を返し、階段へと引き返していく




「あれ?覗いて行かないんですか?」



「あー…俺は上に戻って寝るわ。じゃあね」



あれ、射撃しに来たんじゃないの?と不思議に思ったが、とりあえずはーいと返事を返して、再度また甘くて美味しいグミを口に放り込んだ。

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