7.
85話 あなたに権利はありません
談笑中の鋼と絵美。後ろで鈴がパソコンに向かっている。
鈴「はい、契約書」
鋼・絵「はやっ!」
鈴「内容はしっかり読んでね。追加したい項目あったら遠慮なく言って」
鋼「は、はい」仮作成の契約書を受け取る。
絵「あたしの意見は?」
鈴「そのみんの意見なんて必要ある?」じとっと見つめる。
絵(あたしの人権は??)
86話 次回作
鈴「そういえば今日来てもらったのは?」
鋼「モデルを頼まれていまして」
鈴(そうだ、スポーツ男子の少女漫画? のモデルだっけ)
ムキッとコンテストっぽいポーズを決める鋼を想像する鈴。
絵「違います」ぜったい違うはず
絵「次回作は、今の作品をそのまま高校生にするんだ~」
『現在、中学生の甘酸っぱい純粋な恋を描いております』
担当さん「次は大人っぽさを追加してみない?」
絵「って言われたから、ちょっと大人の階段登らせてみようって」
87話 大人の階段とは
首を捻る鈴と鋼
絵「ほら、お決まりの」
壁ドンとか、肩ズンとか、床ドンとか、キスシーンとかをほわほわ思い浮かべる絵美。
鈴・鋼「なるほど」
鈴「で、そこになぜ筋肉?」
絵「え、だって」
絵「やっぱラッキースケベに必要なのはいい身体じゃない?」
鈴・鋼「??」
それって、男女逆では??
88話 どうにでもなる
鈴「待って、高校別になる設定じゃなかった?」
一緒にいる時間減るのに、ストーリーできんの?
絵「そこは漫画家の腕の見せ所よ!」
高校別でも家は近く、部活の応援にも行くし、お世話にも行くし、会う機会が減るという貴重な時間をどう過ごすかっていうどきどきもあるし、学校が別の分お互いの家の行き来が増えるわけでそこでラッキースケベは入れやすいし、新しい高校でお互いの友だち同士、三角関係も作りやすいし、デートとかさせるのもいいし、遠距離恋愛的などきどきもあるし、学校で青春を謳歌してるところも描けるし、ぺらぺらぺら
ぺらぺらは続く
鈴・鋼(どうにでもできるってわけね……)
絵「で、そこには知らぬ間に(身体が)成長してる彼にキュンとする場面が必要なわけですよ!」
鈴・鋼「あ、うん」そういうことか?
89話 必要なのは
絵「そこでばっちり鍛え上げられできあがったこーくんの身体が必要なわけです!!」
照れる鋼
鈴「……」(そこ照れるとこなんだ)
鈴「じゃ、私はお暇するね」
絵「なんで?!」
鈴「だって、脱ぐ……わけでしょ? 私が見るわけには」
絵「いやいやいや、だめだよ帰っちゃ!」
ものすごい勢いで止める絵美
鈴「あんた……何考えてる?」
絵「ぎくっ」
蛇に睨まれた蛙の絵。
90話 弁護士を呼んでください
鈴「正座」
絵「はい」
鈴「なにをさせる気?」
絵「……」
絵「黙秘しま」
鈴「北江くん、それじゃ契約書の件よろしくね、じゃ」帰ろうとする鈴
絵「待って!!」
絵「二人にヒロインとヒーロー役やってもらいたいのぉう!!」
鈴(やっぱそうか)
91話 年齢を考えて
鈴「今私、いくつだと思ってんの?」
絵「え? はたちだけど」何を知ってることを、と言い返す。
鈴「漫画の設定高校生でしょうが!!」
絵「いいんだよ、ポーズだけやってもらえれば」
鈴「あのねぇ!」
鈴「鋼くん、なんか言ってやって!」
鋼「え?」
鋼「ヒーロー役は気恥ずかしいですけど、ポーズをするのに問題ありますかね……?」
『鋼、そういったことに疎い、さらにヒーローの意味違う』
絵美はにやりと笑った
92話 ちょっとした好奇心
鋼「やってもいいと思いますが……おれは」
絵「だよねー!!」キラキラ
鈴「なにやらされるかわかってる?」
鋼「かっこいいポーズですよね? ちょっと気になります」
絵「だよねー!!」
鈴「私はいやだから!」
絵「そんなこと言わずに! ねっ」
鋼「そうですよね……おれが相手じゃ嫌ですよね……」しゅーん
鈴「あ、え、そういうことじゃなくて」
93話 良心ちくちく
悲しそうに萎れる鋼。
絵「あーあ、鋼くん傷ついちゃった~」
ぎろりと睨まれるがどこ吹く風の絵美。
鈴「もう! ちょっとだけだからね」
結局負けた鈴である。
94話 条件つき
鈴「やるかわりに! 条件をつけさせていただきます」
絵「なに?」
ぺらり、とA4の紙が出される。
鈴「これにそのヒロインの顔、等身大で描いて」
絵「もしかして」
鈴「その絵を顔に貼ってやります」
『あー!!!』
95話 まずは壁ドンから
壁際で装着
絵「では始めますぅ」不服そうな声
絵「鋼くん、こっちこっち」
こーしてあーして
ちゃーん!
絵(絵はいいのにやばい、吹きそう……!)ぷぷぷ
96話 好奇心は後悔へ
こーしてこーして、と身体を動かされる鋼
鋼(え? え? これどういう??)脳内パニック
絵「これでOK! 動かないでね!」
鋼(顔ちっか!!!)絵なのに直視できない!
97話 距離感バグる
片方の手首をつかみ壁へ押し付けて~ ※つまり強制的な壁ドン
『腕ほっそ!』
反対の肩を掴んで~
『華奢!!』
近づいて~ あ、足はからみあいそうなかんじね~
『足! 触れそう! 体温!!』
顔は首筋に近くして~
『なんかいい匂いがします~?!』
身体を動かしたあとは後ろではばりばり描いている絵美
98話 責任感
鋼(今さら辞めるなんて言えない!)
『責任感が強い』
絵(やばーい、りんりんは残念感半端ないけど、鋼くんが赤くなってていい! いい!)
ふんすふんすとペンが進む。
鋼(別のことを考えろ! 別のこと!!)
筋トレしているときのことを思い出す。
鋼(だめだ、息が上がりそう)ぷしゅー
99話 会話
鈴「鋼くん、なんだか息荒い? けど、大丈夫?」小声
鋼(え? あ、はい!)
きらん、と絵美が振り向く
鈴(そうだよな、私は壁にもたれてればいいけど、鋼くんは身長かがめてるだろうし体勢辛いよね)
鈴「もう少し息抜いていいよ」小声
鋼「いや、このままでいいんです」
(恥ずかしさよ飛んで行け!)
100話 筋トレなるか
鋼(これは筋トレ、これは筋トレ)
『実際辛くない』
でも息継ぎは必要。
筋トレで息をしないと血圧上がります!
ふぅ、と小さく息を吐く鋼
鈴「ひゃんっ」
鋼(?!)
絵(!!)キラン




