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この日は朝から大混乱だった。
王宮に居るはずの国王陛下:トゥティヴァン・テル・フレッド・フェムレスイ国王陛下が、早朝からここハルハートン辺境伯邸に訪問した。
理由は簡単、三日前に決まった事をごり押しでハルハートン辺境伯に飲ませる為。
次に宰相:ニリカスト・オル・ヨレシルさんたちが訪れて、戸籍とかの書類を持ってきた。
通常であったら、俺が役所とかに廻らないといけないが、ハルハートン辺境伯が来るとなっては時間的猶予はなかった。
これは若干俺も悪いが、タイミング的に本当に悪かった。
俺の家名や紋章を決める事になったが、陛下が横から口出しするもんだから、中々決まらない。
飛行艇が王都上空まで差し迫り
「もういい!家名無し!紋章なし!」
っと・・・つに俺がキレてしまたった。
「流石に、紋章なしだけはきつい!」
っと宰相の泣きの一言で、紋章だけは決まった。
紋章の中心線から二つの白い翼に一振りの剣が描かれた紋章っとなった。
どこぞの壁外調査のエンブレムに似ているがここは気にしない事にした。
すべての書類にサインをした時に、飛行艇が着陸した。
「ギリギリだな。」
「ギリギリですね。」
「ギリギリじゃったな。」
「ぎりぎりです。」
俺・ヨレシルさん・フェムレスイ陛下・シフネルさんの順番で溜息をついた。
*
「それは一体どういう事です!!」
さすがの辺境伯もキレたか・・・。
一連の事をフェムレスイ陛下とヨレシルさんから話を聞いて憤慨していた。
それに対してヨレシルさんが、
「書類は全て届てられ決定されている。」
っと言い返した。
最高決定者がここにいるからな、間違いはないな。
此処に書類が有るのに凄いすっぽ抜けだ・・・。
飛行艇の建造技術をある意味独占したと思っていたら、一番の基幹部分(飛天結晶)が王家に奪われていた。
それも、子飼いにしようとした俺が、王家に囲われていたのだ。
それは切れるよな・・・。
辺境伯とヨレシルさんの言い争いに、俺に火の粉が降って来た。
「何でサインをしたのです!」
「え?陛下が禁書を見せてくれると言ったから、そうそう俺、学園に入学するから今まで有難う!」
「はぁあ!なんだってぇ!?」
「ふふふん、もう君は彼の保護者でもないんだよ。」
嬉しそうにヨレシルさん言ってくる。
相当に悔しがっているがハルハートン辺境伯であったが、その家臣のシフネルさんがいそいそと他人事のように、フェムレスイ陛下たちを接待していた。
*
王家の方でも辺境伯に対して、何らかの制裁を考えていたらしい。
こういう切っ掛けになったのは、やはり独断で飛行艇を運用したせいであった。
それを聞くと辺境伯の自業自得であった。
そりゃ、全員やっちゃうだろうなー。
「所で、学園の入学金は如何するんで?」
まだしつこく、問いただしていた。
「それは・・・。」
ヨレシルさんが初めて言葉が止まった!
ってか、それまだ決まっていなかったの!?
ここは恩を売ろう。
「あー大丈夫、大丈夫、稼ぐから。」
『は?』
「魔境の素材が大量に有る。それを売ったら問題はない。」
特にバレットの森で採った物が死蔵状態だ。
魔導鞄が無尽蔵でなかったら行動に支障をきたしていたはずだ。
「魔境の素材と言う事はロッスド山地の素材か?」
ハルハートン辺境伯が聞いてきた。
「飛行艇や航空機の素材となる物は売らないよ。」
ほっとしたようにしていた。
反対に陛下とヨレシルさんは残念そうにしていた。
「そう言えば、学園には完全寮生活?」
魔物単体で売ったら場所の特定されるから、細かく解体してから売りたい。
他人の目を出来るだけ避けるためにもここではない他の場所で行いたいが、王都から出る事もままならない。
ここは、家でも借りて腰を落ち着かせたいが、学園に入る少しの間のみっと言うのも問題だ。
「いや、学園から近い家の子たちは通っている。貴族の子たちはコネを作るために寮に入っている。」
とヨレシルさんが答えてくれた。
なるほど、貴族云々はどうでもいい。
「学園に近い空き家でも探してみます。」
「寮に入らないのかね。」
っと陛下が言って来た。
「秘密主義な物で。」
「今後の地盤固めのために知り合いを増やすのは良い事だぞ。」
っと辺境伯が言ってくるが、
「その程度で出来る知人は要りません、単体で王都を血祭りにできる戦力に地盤固めって必要なんでしょうか?」
『・・・。』
三人とも固まったが、一番早く復帰したのは陛下だった。
「宰相・・・一番腕利きの不動産屋を紹介してやれ・・・。」
「・・・御意」




