2-8.再会
「お前……何で……」
四週間ぶりに会ったヴォルフは、鳶色の瞳を大きく見開き、ブランカを上から下までまじまじと眺める。
驚きに満ちた顔が、次第に顰められていく。
ブランカも、驚きを隠せなかった。まさか彼とここで鉢合わせるとは思ってもみなかった。
スーツ姿……。
ダムブルクで会った時と印象が違いすぎて、ぶつかった瞬間は本当に別人かと焦ってしまった。
ほっと胸を撫で下ろしかけて、思いとどまった。ぶつかった相手がヴォルフでよかったとはいえ、安心できる状況ではない。デモ隊が、フィルマン達がすぐそこまで迫っている。
ここにいては、彼にも被害が及びかねない。
早く逃げなくては。
「お前、何でこんなことに――」
「ごめんなさい!」
「は?」
ヴォルフがブランカの両肩を掴みかけたところで、ブランカは勢いよく腕を伸ばして彼の身体を突っぱねた。そのまま一歩後ずさる。
視線の先で、ヴォルフがあからさまに彼女を怪しむが、ブランカにはもう時間がない。
「あの、わたし、急ぐので……」
「おい待て!」
ブランカは身を翻してヴォルフの前から立ち去ろうとした。
しかし、叶わなかった。
走り出そうと踏み出した右足に力が入らなかったからだ。同時に激痛が足に走り、その場で膝から崩れ落ちそうになる。
後ろからヴォルフに支えられた。
そのとき、目の前を一人の男性が駆けていく。その後ろからけたたましい足音が聞こえてきた。
「そっちの方へ逃げたぞ!」
「ヤツはダールだ! 必ずとっちめろ!!」
そう吐き捨てながら、若者達が恐ろしい形相で目の前を通っていった。もしかして先ほどブランカの後ろから聞こえてきた足音は、今の男性を追っていたものだったのかもしれない。
駆け抜けていくデモ隊の数に、圧倒される。たった一人の男性を、何十人もの人間で追い掛けていく様子は、ただひたすらに恐ろしい。
既に力の抜けた足が震え出す。
あそこにいたのは、わたしだったかもしれない……。
ブランカの行く末は、フィルマンの采配に委ねられている。彼がブランカの情報を流してしまえば、もう終わりだ。
どうしよう……。
一体どうすれば――。
すると、突然ブランカの身体は反転させられた。あっと思う間もなく、ブランカの視界にはヴォルフのスーツしか無くなった。
「え……と……?」
「いいから、このまま黙ってついてこい」
彼はブランカを自身の体と彼女が被っていた布の間に隠し、そのまま通りの方へと移動した。彼は近くにあったタクシーにブランカを押し込むと、自分も横に乗り込み、手短に運転手に行き先を告げた。
タクシーは間もなく発車した。
あまり長くない距離を数分走った後、タクシーはとあるホテルの前に停車した。市街地のホテル街の一角にあるここは、外観と立地からしてそれなりに値の張るところのように思える。
ヴォルフはタクシー代とチップを運転手に渡すと、ブランカの腕を引っ張り、ホテルの中へと進んでいく。ヴォルフの足取りは淀みない。
そうして彼は、三階の奥の扉を押し開けた。
部屋に入るなり、彼は素早く鍵を閉め、そして電気を付けるよりも先にカーテンを閉めに行った。
「とりあえずここなら安全だ。安心して――」
ヴォルフはブラッドロー語で言いかけて、途中で息を飲んだ。灯りの下に立つブランカを、眉間に皺を寄せて眺めている。ブランカは咄嗟にボタンの外れたブラウスの前を合わせるが、彼は更に目を細めて厳しい表情をした。
一体何があったのか――射抜くような薄鳶色の瞳は、それを知りたそうにしている。
しかし、ヴォルフは聞いてこなかった。
彼は小さく息を吐くと、クローゼットから自分のシャツとガウン、そしてタオルを取り出した。
「まずはお前、シャワーを浴びてこい。出たら手当てするから、ちゃんと傷口も洗い流して来いよ」
ヴォルフは強引にそれらをブランカに持たせると、部屋の奥にあるシャワールームへとブランカを押し込んだ。
どうしてこうなったのか、ブランカの頭は混乱していた。ブランカは洗面台の鏡に視線を移した。
カミーユの母にもらった真っ白のブラウスとスカート。すっかり裂けてしまった上下は、すすと泥に塗れて黒くなっている。そこから覗く腕や足も所々黒く汚れていて、予想以上に大きな擦り傷と打ち身の痣があちらこちらに出来ていた。
鏡に映る自分の姿に、目を逸らした。
——また、助けられてしまった。
ひとまず難を逃れられたことに、ブランカは今度こそ安堵の息を漏らした。
けれど、同時に罪悪感が心の中に広がった。胸がひどく痛み出す。
ヴォルフは、クラウディア・ダールベルクを憎んでいる。まさか彼はその仇が今同じ部屋にいるとは思ってもいないだろう。
フィルマンたちがいつブランカの情報を漏らすか分からないが、ヴォルフがそれを知るのも時間の問題だろう。その前に早くここを出なくては。
ブランカは手短にシャワーを浴びて、シャワールームを出た。
部屋に戻ると、彼はベッドの横にあるサイドボードから救急箱を取り出しているところだった。
「お、出たか? 手当てするからこっちに……ってなんだその格好は」
ヴォルフはブランカの姿を見ると、若干眉間に皺を寄せながら目を丸くした。それもそのはず、ブランカは、上はヴォルフのシャツを着ているが、下は黒く汚れたスカートのままだった。
ブランカは彼に借りたガウンを手に抱えたままヴォルフの方へ近寄り、それを彼の手に押し付けた。
「あの、シャツだけお借りします。ごめんなさい……せっかく助けていただいたのに」ブランカはまくしたてた。「でも、あなたにこれ以上迷惑を掛けられません」
「待て、どういうことだ。わけが分からない」
「とにかく……わたしはもう行きます」
ブランカはヴォルフの手をすり抜け、足早に扉の方へ向かおうとした。
しかし、既に力尽きていた足は言うことをきいてくれなかった。ブランカは途中で盛大によろける。
またもヴォルフに支えられた。
「おい、この状態でどこに行こうっていうんだ?」
「ただ……踏み外しただけです。大丈夫ですから」
身体を捩って体勢を立て直そうとしたとき、耳元で深いため息が聞こえてきた。
「まったく、強がりやがって」
「え――」
次の瞬間、ブランカの身体が宙に浮かび上がった。ヴォルフが彼女の膝に手を入れ横抱きした。
突然のことに思わずヴォルフの肩を掴みながら、ブランカは暴れた。
「ちょ……っ! 下ろしてください!」
「暴れんな。落ちるぞ」
「結構ですから! と……とにかく下ろして……」
「はぁ……もう黙れ」
ヴォルフはブランカをソファに下ろし半ば強引に彼女を背もたれに押し付けると、ソファの前に跪き、彼女の足を持ち上げた。
「待って、何を……!」
「消毒するだけだ」
「消毒って――い……っ」
ブランカは慌ててヴォルフを押しのけようとするが、それよりも早く垂らされた消毒液に、言葉が途中で出なくなった。広い範囲で擦り剥けた膝の傷に、消毒液がひどく染みた。全身を駆け巡る痛みに、もはや足を動かすことはままならない。その痛みを逃そうと、ソファの布を強く掴んだ。
ブランカが大人しくなったのを確認すると、ヴォルフはそのまま膝の傷にガーゼを押し当てながら言った。
「何があったか知らないが、何も大丈夫じゃないだろ。何が迷惑かも分からないし」
「それは……でも」
「むしろこんな状態でいられる方が迷惑だ。大人しく手当てされてろ」
「それなら放っておいたらいいでしょう?」
ブランカは思わず言ってしまった。
瞬間、ヴォルフはブランカを睨み付ける。
射抜くような薄鳶色の瞳は、呆れと苛立ちが混ざっていた。まるでブランカを責めているような彼の瞳は、端的にこう語っていた。
――俺がそんな人間に見えるか?
ブランカは思わず視線を逸らした。
そうだ、彼はこういう人だ。何でもないように理由を聞かずに助けてくれる。だからこそ、これ以上世話になりたくないのに、傷の手当てをする彼の手は――彼の言葉は、ブランカを簡単に逃してはくれないだろう。
湧き起こる罪悪感と自己嫌悪に唇を噛みしめる。
ヴォルフは足の手当てを済ませ、今度はソファを掴むブランカの手をほぐし、腕の手当てを始めた。落とされた消毒液に、再び身体を強張らせた。
「これ、一週間あれば治るだろうが、ちゃんとロマンたちに病院に連れて行ってもらえよ。後であいつらも来るからな」ヴォルフは淀みない手つきでブランカの腕に包帯を巻いた。
「ロマンたち……? 来るんですか、これから」ブランカは顔を上げた。
「あぁ、お前がシャワー浴びている間に連絡した。つっても、ダムブルクからじゃないぞ。あいつとレオナ、今ロゼにいる」
「ロゼに……? どうして」
ヴォルフは顔を傾けた。「あいつら、お前に会いに来たって言ってたが、まだ会ってないのか?」
ブランカは首を横に振った。
「そうか……。連絡も取れないって言っていたが……」ヴォルフは訝しげに眉を顰めた。
そういえばダムブルクを離れる前、フィルマンがロマンに名刺を渡していたのは覚えている。けれど今思えば、あのときからみんな騙されていたのかもしれない。
ブランカは、ぎゅっと目を閉じた。
――最低。
作文の件で衝動的に逃げたせいで、みんなに迷惑をかけている。その上、母も助けられなくて、自分は今追われている。
ロマンとレオナ。
それにヴォルフ。
だめ、巻き込めない……。
フィルマンが――あの人が……。
すると、膝でぎゅっと握りしめた手を、大きな手で包まれた。
顔を上げると、まっすぐな薄鳶色の瞳があった。
「お前、大丈夫なのか?」
ブランカは何て答えたらいいか分からなかった。
大丈夫じゃない。
でもヴォルフに心配をかけられない。
何か言いたいのに、嗚咽でうまく言葉が出ない。
ヴォルフはポケットから新しいハンカチを差し出した。けれどもブランカは自分のポケットに借りたままの白いハンカチを入れていたことを思い出して、それを取り出した。
ようやく返せるのに、流れてきた涙を抑えられず、ブランカは白いハンカチに顔を伏せた。
大きな手が、背中に当てられる。
「なぁ」ヴォルフは低い声で言う。「お前、何かに追われてるのか? 『ダール狩り』か?」
瞬間、ブランカは凍り付いた。やけに確信めいた物言いに、心臓が激しく脈を打つ。
彼の口からすんなり出てきた『ダール狩り』。実際に今彼女を追っているのはそれではないが、まるでタイミングを見計らったかのようにこうして尋ねてきたことに、一つの懸念が湧き起こる。
まさか彼は、ブランカの正体に気が付いているのではないか、と――。
まだそうと決まったわけではない。しかし頭の中をよぎった考えが、急速に膨らみ彼女を逸らせていく。
ブランカは唾を飲んで、彼の身体を押しのけた。
「だから、わたしは出て行きます……」
「待て、何でそうなるんだ。むしろお前はここにいるべきだ」
「だってわたしは――」
「お前はただのヘルデンズ人だろう?」
言葉が空を切ったとき、大きな手に頬を包み込まれた。聞こえてきた言葉の意味を反芻する間もなく、顔を持ち上げられる。
「外に出ればヘルデンズ人と言うだけでこんな目に遭わされるんだろ? 流石にひどすぎる」
彼は壊れものを触るような手つきで、腫れた左頬を触った。こちらに向けられた眼差しは、ただひたすらにブランカの惨状に怒り、そして心配してくれている。
胸の奥が痛んだ。
そもそもこの傷は『ダール狩り』によるものではないのに、彼はそうと信じて疑わない。罪悪感が重くのしかかる。
ヴォルフはブランカの隣に座り直すと、肩を引き寄せ頭を優しく撫でた。
「もう大丈夫だ。ロマンやレオナが来てくれるし……俺もいる。お前が何者だろうが関係ないし、『ダール狩り』にも遭わせない。大変だったな」
彼の言葉を聞いていると、涙が溢れて止まらなかった。力強い言葉に、心が震える。
どうしてこの人はこんなにもまっすぐなの?
突然目の前に現れたブランカを理由も聞かずに助けてくれて、そして迷わず味方になろうとしてくれる。
その正体は、クラウディア・ダールベルクであるというのに――。
積もり積もった罪悪感が、ブランカの心を押しつぶす。
すると部屋の扉がたたかれた。
ブランカはどきりとして身を縮める。
ヴォルフはブランカの肩を二度叩いて、扉に向かった。
「早かったな」
「そりゃあ」よく知る声が聞こえてきた。
「ヴォルフさん、本当にありがとう」
ヴォルフはすぐに二人を室内に引き入れた。
ロマンとレオナ。四週間前にダムブルクを離れて以来だ。
二人は、ソファで泣いているブランカを見ると、一気に安堵した顔になり、ブランカの傍へ駆け寄った。
「あぁ本当にブランカだ! 良かった、無事で良かった!」
「ええ、まったくよ! ブランカ、あんたってば一体どこに行っていたの? って、どうしたの、この怪我。しかも泣いて。全然無事じゃないじゃない!」
「でも見た感じすぐに治りそうな傷で良かった。ヴォルフから連絡来た時には、もっとひどい目に遭っていると思っていたから」
ブランカを囲むように、二人はソファの前にしゃがみ込んだ。
レオナは眉をつり上げブランカを睨み付けている。それでいて、怪我を心配するところが、彼女の面倒見のいいところだ。ロマンは心底ほっとしたような柔らかい微笑みを、ブランカに見せている。
優しくて、温かくて、世話焼きな二人。わざわざブランカを探すためにロゼにまで来ていたという。
涙が込み上げた。
ブランカは、ヴォルフの白いハンカチに顔を伏せた。
「ごめん、ブランカ。君が見つかって安心してしまったけれど、ひどく思い詰めた顔をしているね。何かあったの?」
「それにあんた、服がぼろぼろね」レオナは、持って来た旅行かばんから新しいワンピースを取り出した。「ほら、先に着替えましょ」
「俺はフロントに氷もらいに行ってくる」
レオナにシャワールームに引っ張られながら、ブランカは部屋を出ていくヴォルフの背中を見送った。
まさかあんなことになっているとはな。
フロントで氷を待つ間、ヴォルフはそんなことを考えていた。
突然現れたブランカ。
ダムブルクであの車の男に引き取られたはずなのに、何であんな格好でぼろぼろにならなきゃならないんだ?
ヴォルフは眉を顰めた。
アルトロワ広場の一件以来、『ダール狩り』は収まってきたはずだが、目に見えないところでああして続けられていたのだろう。
よりにもよってその被害者がブランカとは。戦争には無関係だった少女にまで危害を加えようとするデモ隊の人間に、怒りさえ覚える。あんな状態とはいえ、遭遇できて良かったと心から安堵する。
しかし、彼女は今までどうしていたんだ?
十日前に西区ワーズ街で見かけた白いおかっぱ頭。あれは紛れもなくブランカだったはずだ。あのときの彼女は、表情こそ無かったが、先程のように傷だらけで埃に塗れている様子はなかった。むしろ、ダムブルクにいたときよりいい洋服を着ていたような気がする。
それに、アルトロワ広場の前で見たときも……。
「あ、ノール氏、いいところに」
ちょうど氷をもらって部屋に戻ろうとしたとき、聞き覚えのある声が、エントランスの方から響いてきた。
オレンジと金色が混ざったような髪色が特徴の警視正――ニコラ・マルシャンがホテルに入ってきた。
ヴォルフはぴくりと眉を動かす。
何故ここにこいつがいる?
仕事の協力者とは言え、このホテルに宿泊していることは警察には伝えていなかったはずだ。大使館で聞いたのかもしれないが、妙な薄気味悪さをヴォルフは感じる。
「何かありましたか?」
尋ねる声は、自然と尖ったものになった。
マルシャンはヴォルフの元までやって来ると、至極真面目な表情で声を落として言った。
「ええ、重大情報です」
「重大情報?」
「はい――クラウディア・ダールベルクが十番街で見つかったそうです」
ヴォルフは息を飲んだ。全身に緊張感が駆け抜ける。
マルシャンは続けて言った。
「身長は大体一五六センチ、全体的に細身。肩口まである茶髪に深緑の瞳、頬は赤めだそうです。ベージュの帽子、紺色のワンピースに赤い靴。未だ逃走中で、市民が全員で追い掛けているとのことです」
「分かりました。先に向かっていてください。私も用意したらすぐに向かいます」
ヴォルフは自室へと向かった。氷を持つ手が思わず震える。
――遂に、遂にヤツのお出ましか……。
ブラッドロー軍が探し続けていたプラチナブロンドの髪に薄萌葱色の瞳の少女。五年前に亡くなっていたと思われていたあの少女は、生きていたのだ。
ベージュの帽子、赤い頬、深緑の瞳。
どこかで聞いたような組み合わせだな。
そうだ、アルトロワ広場の前で見たブランカが確か――。
そこまで考えて、ヴォルフは頭を横に振った。
いやいや、クラウディア・ダールベルクは別で見つかったんだろう?
そう自分に言い聞かすが、湧き起こった思考は、どんどん別の方向へと走り出していく。
よくよく考えてみれば、ブランカは色々と条件がぴったりだった。
ヘルデンズ出身の十六歳。瞳の色は薄萌葱色ではないが、色素が沈着したらあんな深緑色になるかもしれない。
戦争孤児にしては、フラウジュペイ語をやけに丁寧に話すばかりか、ブラッドロー語まで理解する。しかもダムブルク中が重宝するレベルの教養の高さだ。フォークとナイフの扱いもきれいだった。
それに、彼女の右半身を覆う赤い火傷。その原因をヴォルフは知らないが、もしブランカがあの少女であると仮定すれば、五年前に森で燃やされたときの痕がそれではないか。
――いや、だから本人が街中で見つかったんだろう?
再び自分に言い聞かすが、行き着いた考えは頭にこびりついて離れようとしない。
ヴォルフは考えながら自室へと入った。
白いおかっぱ頭の少女が、新しいワンピースに着替えてソファに座っている。
「ヴォルフ?」
ロマンが不思議そうに声を掛けた。
ヴォルフはブランカの膝の上を見る。ヴォルフの白いハンカチの上に、布袋が乗っていた。
その中には、かつて彼女が川に投げ捨てようとし、そしてヴォルフが畑で取り戻したゴールドのブローチが入っている。そういえば、あれもただの少女が持てるような代物ではない。
もし、そうだとすれば……。
ヴォルフはブランカの布袋を見た。
彼女が大切にしているもう一つが、そこに入っている。
――違ったら、悪い!
もう、見ないふりはできなかった。
ヴォルフはまっすぐにブランカの元へ向かい、彼女の布袋をひったくった。




