第13話 リレー戦争
体育祭楽しそうだなこんにゃろー(聖夜神)
リレーのバトンを受け取った瞬間、人生で初めて「生き急ぐ」って感覚を味わった。
俺の名は翔。
普通の中学生……のはずが、なぜか五大神の一柱と一緒に暮らしている。
今日は体育祭。
テンション高めのクラスメイトと、いつもの三倍くらいプライド高めな神様ヒロインに囲まれながら、俺は全力で走っている。
「翔! さっきよりマシね。でももっと腕を振りなさい! フォームが崩れてる!」
「黙ってろ天空神! ならお前が走れよ!!」
「ええ、次走るわよ……。**最神速**で」
「中二病かよ」
天空神――この地上最強の自称・美少女神(本物)は、なぜかやたらとリレーに執着している。
「神に敗北などあり得ないわ。ましてや運動部男子に負けるなど……神の威厳が地に落ちる」
「地に落ちたのはお前の運動神経だろ!!
お前、前回の玉入れで一個も入ってなかったぞ!?」
「バスケットゴールに全部入ったからノーカウントだったのよ」
「ゴール間違えるなぁぁあ!!」
俺が三走目、天空神がアンカー。
ぶっちゃけこの布陣、信頼度で言えばセロテープより頼りない。
でも、走ってるときは考えられない。
風を切って、前を見て、ただただ次に繋ぐことだけを考える。
走ってる間は、変な同居生活のことも、神様に振り回される毎日も、全部、忘れられる。
……まあ、後で地獄のように現実に引き戻されるんだけど。
「翔、もっと内側よ! トラックの外に寄りすぎ!」
「実況すんなうるせぇぇぇぇ!!これでも既に3人抜いてるんだわ!!」
それでも、少しずつ追いついていく。
あと5メートル。
あと3メートル。
――バトンを渡す、その瞬間。
「天空神!!!」
「受け取ったわ! 神の速さ、見せてあげる!」
シャッ!! と風を切る音。
神の脚力……というより、神の気合いが一瞬だけ光った(※見えた気がした)。
……が。
\ドゴンッ!!!/
「ぐはっっ!?!?」
天空神、スタート直後に盛大にコケる。
「え、ちょ、マジかよ!?」
「しょ、翔、助けなさいよ……!」
「走れええええええ!! お前が神様だろぉぉぉぉぉ!!!」
「わ、わかってるわよ……! 誰が一位を逃すと思ってるのよぉぉぉ!!」
ギリギリ、順位は巻き返した。
……奇跡の大逆転、とまではいかなかったけど、クラスは2位でフィニッシュ。
「ふっ……本気を出していれば、1位だったわね」
「お前、本気出した瞬間ズッコケてたけどな」
「……最神速、調整が難しいのよ」
「発動やめろ二度と」
息を切らしながら並んで座る俺と天空神。
風が吹き抜けて、どこか夏の匂いがした。
ふと見ると、天空神が小さく笑ってた。
「……でも、楽しかったわね」
「……ああ。意外とな」
「なんかあいつらと仲直りしたっぽいし。楽しいんでしょー!」
「いや仲直りではない。」
(くっまだか、、、話変えよー)
「翔って意外と足早いのね。巻き返したじゃない。
運動神経いいんでしょうねー。しょうだけに」
「ダジャレかよ」
そして俺たちは、次の騎馬戦へ向けて――
地獄の作戦会議に突入するのであった。
裏話
翔は100m走11秒です。
〜〜その真実を伝えてみました〜〜
天空神「なんでそんな早いの?禁止シューズ履いてる?」
翔「そうか?そんなでもないだろ」
天空神「あ?」




