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アネックス・ファンタジア ~V配信者による、神ゲー攻略配信日記~  作者: 風遊ひばり
第七章 ~天地貫く太古の慟哭~
307/319

100万人記念特別コラボ配信! 20

評価・ブックマークありがとうございます!


招魂しょうこんの法()く、深闇しんあん喚子鳥よぶこどり……“妖気解放・・・・”───」



 ───ぬえ、起動。



 鳥肌が立ちそうな不気味なプレッシャーとともに、セレスさんの姿が変化し始める。両方の目が黒くなり、そこから覗く金の瞳は一つの眼球に二つずつ開いている。


 銀糸の髪をかき分けて生えてきた耳はネコ……というよりトラっぽく、ドレスの裾から見える尻尾の先にはヘビの頭が牙を覗かせていた。



 セレスさんから溢れ出たプレッシャーは、私もよく知る……というか、私と同じもの(・・・・)だ。


 『妖気解放』───それは、妖怪の力を身に宿す"妖仙"の技だ。


 つまりセレスさんは『鬼幻城』にてカグラ様と出会い、『百鬼夜行』の誰かとの試合を経て妖仙流のアビリティを習得していることに……!



「ちょっ待っ、セレスさん!?」


「んふふふふ、カローナ様のそんな表情は初めて見ましたわ! 後で色々と教えて差し上げます。まずはこいつを倒しますわ!」


「キュルルルルルルッ!」


「くっ……!」



 セレスさんが杖を振るうと同時に動き出すゲルナグラン・ディアボリカを見て、私も地面を蹴る。



 あー、マジか。まさかセレスさんも『妖気解放』を習得しているなんて……!


 いやセレスさんの実力を考えれば不思議でも何でもないんだけど、『妖気解放』を習得してるってことは、カグラ様のスペリオルクエストを発生しているということだ。


 全然気が付かなかった……! 同じクエストを発生してるなら『鬼幻城』で出会ってもよかったのに───



 ハッ……うーわ、思い出した。

 私が桔梗ききょうさんに試合を頼んだとき、『きいちさん』? だっけ……百鬼夜行2位の人が忙しいって言われてたの、さてはセレスさんの相手してたな!?


 しかもセレスさんに【呪術】とか絶対強いじゃん……もともと『暗黒呪術師』なんだし、セレスさんなら使いこなすだろう。



 あぁぁぁぁ……私のアイデンティティが……。


 視聴者さんのコメントでも、セレスさんの妖気解放に対する驚きの他に『カローナ様食われてるぞ』という忠告が飛んできてる。


 うぐぐ、悔しい……。

 いいもんね。きっと2種類の『妖気解放』を使えるのは私だけだもんね。



「黒く、くろく、くろく、蒼窮覆う黒の迦楼羅天───『妖気解放』!」


 ・カローナ様も来たぁぁぁっ!

 ・元祖来た!

 ・しっかり対抗心燃やしてるカローナちゃん可愛い

 ・いやでもセレスさんの妖気解放が衝撃的すぎてなぁ……



「カローナ様、行きますわよ! "妖仙流呪術(・・)"───【虚白霧うつろしろぎり】!」


「キュルッ───ッ!?」



 其は妖仙の名の元に顕現せし、窮極の"霧"。気付いたときにはすでに術中に嵌まってる、不可視の呪い(・・)だ。


 対象のゲルナグラン・ディアボリカが白い霧に包まれると同時、奴はまるで平衡感覚を失ったかのように地面へとダイブし、ダメージエフェクトを散らした。



「転けた!?」


「"妖仙流"の呪いですわ!」


「それはちょっと強すぎん?」


「効果は数秒しか持ちません、チャンスを逃しませんように!」



 まともに動けなくなるほどの呪いなら、そりゃ長続きはしないか。妖気ゲージの消費とほんの数秒の効果時間を考えても破格の性能だろう。



「ふっ……!」



 『鴉天狗』を解放した私にとっては、その数秒すら十分すぎるほど長い。


 目から漏れる残光と黒羽根を宙に残して一瞬のうちに接近した私は、そのままの勢いで膝をゲルナグラン・ディアボリカに叩き込む!



「"妖仙流剛術"───【紫電】!」


「ギュルルッ!」



 紫の閃光が弾け、妖仙のがその横っ面へと炸裂する───が。


(手応えが薄い……!)



憂炎ユーエンさん! そいつ、自分から跳んだわ!」


「チッ……なかなかの対応力アルね!」



 私の【紫電】を受けながらも自分から跳んで威力を殺したゲルナグラン・ディアボリカ。体勢が崩れた状態から私の攻撃に対応できるなんて、それだけでも十分化け物だ。


 が、こちらはみんな歴戦の猛者ばかり。配信で鍛え上げられた対応力こそこちらの領分だ。



 ゲルナグラン・ディアボリカの跳んだ先に回り込んでいた憂炎ユーエンさんの両手に、白い雲のようなエフェクトが纏わりつく。


 "流雲拳"・【天津返あまつがえし】。受け身を損ねれば確定ダウンという強力なアビリティが、緩やかな所作でゲルナグラン・ディアボリカへと襲いかかる───



「ギュルッ!」


「なっ……空中機動!?」


憂炎ユーエンさん!」



 憂炎ユーエンの拳が触れる直前、空中を踏み締めてベクトルを変えたゲルナグラン・ディアボリカは、そのまま憂炎ユーエンさんの頭を越えて後ろへと回り込む。


 高速度を保ったまま、目の前でいきなり方向を変えたのだ。まさに『消えた』と表現するしかなく、憂炎ユーエンさんが戸惑うのも仕方がない。



 複眼に灯る妖しい光が軌跡を描き、憂炎ユーエンさんが背後を振り返る間も無く……ゲルナグラン・ディアボリカの鎌が、彼の身体を切り裂いた───



「残念、それは残像ですわ!」


「ギュルルッ!?」



 いったいいつから入れ替わっていたのだろうか……ゲルナグラン・ディアボリカが切り裂いたそれは、セレスさんが作り出した幻影。


 手応えがなければ当然ダメージもなく、奴が『偽物だ』と気付いたその一瞬の硬直。



「【クレッセント・リッパー】!」


「ッ!?」



 『隠密』&『急所』のダブル特効を上乗せしたラビリちゃんの大鎌が、ゲルナグラン・ディアボリカの首へと直撃した。

お読みくださってありがとうございます。

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