表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アネックス・ファンタジア ~V配信者による、神ゲー攻略配信日記~  作者: 風遊ひばり
第七章 ~天地貫く太古の慟哭~
306/319

100万人記念特別コラボ配信! 19

評価・ブックマークありがとうございます!


 こいつ、私の戦い方をトレースしてる……!


 迷いなく初手から首元クリティカルを狙ってくる容赦のなさに、ラビリちゃんのアビリティを誘発しておいてそのカウンターを取る手筋・・、その上幻影を残してヘイト管理までする徹底ぶり見たら、もう確信しかない。



 あぁ、そうですか。

 なるほど、それは厄介この上ない。


 私の戦闘スタイルは、相手の動きを誘発しておいて回避&急所撃ち(クリティカル)で攻め切る一種のカウンタースタイルだ。


 盤石な立ち回りでアドバンテージを取りつつ判定勝ちを狙うようなタイプとは違い、安定性は無いけど一瞬でも隙を見せたらその時点で勝敗を決するだけの瞬間火力を出せる。



 しかもこのゲルナグラン・ディアボリカはただ私のスタイルを真似るだけでなく、しっかりと視力や動体視力に関わるアビリティを習得しているあたり、この戦闘スタイルを相当ものにしていると見た。



 考えられる要因は二つ。

 『本当に偶然、強化の方向性が一致した』か、『私の戦い方を知っていたか』だ。


 前者であれば、まぁ偶然だしあり得るか……むしろ私のキャラビルドが自然での種の進化と一致していたと考えれば、私の方向性は決して間違っていなかったという証明になる。



 後者だった場合……こっちも充分にあり得るのがなぁ……。


 かつての女王蜂をボコボコにしたのは私自身だし、そこから生き延びてさらに強くなった彼女があの戦い方を身に着けていてもおかしくない。それを自身の眷属に伝えていたとしても何ら不自然ではないのだ。


 問題は、今のアビリティ構成(・・・・・・・・・)を完全に再現していた場合、だ。


 高機動とクリティカル狙いはともかく、視覚強化やデコイ生成はこちらの攻撃が当たらなくなる可能性が格段に高くなる。その上もし【インビジブル・ステップ】のようなアビリティも持っていた場合……



「全滅の可能性もあり、ってことね……」


 ・あー、カローナ様の戦い方をコピーしてるのか

 ・厄介すぎて笑えない

 ・全滅って、カローナ様自分のアビリティ構成ならこのメンバーを全滅できるって言ってる?

 ・自己評価くっそ高くて草

 ・でも意外と可能性ありそうなのがな……

 ・当たらなければ死なないを実践する人だからなぁ



「【恋人ザ・ラバーズ】を使ったとしても、臭気が届く前に逃げられるだろうなぁ……私だったら絶対そうするし……」


「なるほど、カローナ様の戦い方を真似ていると……であれば、カローナ様対策を実践する時ですわね!」


「えっ……?」


「ま、あのPvPで研究した成果をここで発揮できるってことアルな」


「あの……?」


「問題ありません。スタイルが同じなら、おのずと弱点も同じです」


「はい……?」


「いつかその首を狩りたいと思ってたぴょん!」


「ラビリちゃんまで!? と言うか『首を狩りたいと思ってた』って何!?」


「あっ、口を滑らせたぴょん」


 ・ラビリちゃん放送事故で草

 ・心の闇が漏れてるww

 ・他の皆もしっかりカローナ様対策準備してて笑うんだが

 ・そりゃあんだけ手の内晒してたら対策されるだろうよ

 ・口を滑らせたって、確信犯じゃねぇか!

 ・意外とどうにかなりそうで草



 ランキング上位のセレスさんや対人向けの憂炎ユーエンさんはともかく、あのレリーシャさんやラビリちゃんまで闘争心を燃やしていたとは……


 ホント、頼りになるメンバーだなー。(棒)



「で、作戦は?」


「カローナ様は自由に動いてくださいまし。皆さまは各々、対カローナ様戦法をお願いしますわ!」


「「「了解……!」」」


「キュルルルルッ!」



 私達が動き出すと同時、それまで様子見をしていたゲルナグラン・ディアボリカも動き出す。道の相手に対しては動き出しを待つスタイルまでも、私に似てるなんてね……!



「っ……!」



 ゲルナグラン・ディアボリカが繰り出したのは、最短最速、無拍子の一撃。踏み出した一歩が地面に付くまでに、まるでロケットのような加速で一気に間合いを詰めたゲルナグラン・ディアボリカの鎌の切っ先が、最初に狙われたレリーシャさんの腹部へと突き刺さる。


 が、まるでそれを知っていたとばかりにニヤリと笑みを浮かべるレリーシャさんは、つぎの瞬間───彼女が繰り出した鉄拳が奴の横っ面へと叩き込まれた。



「ひぇっ……」



 あー、『肉を切らせて骨を断つ』戦法ね! 相打ち覚悟でやられたら、HPやVITが低い私が先にダウンする戦法だ。


 しかも相手はレリーシャさん、自己回復はお手の物だ。



 回復魔法で即座にHPを回復するレリーシャさんに苦笑いしつつ、私は私で奴へと間合いを詰める。


 途中でジャンプして慣性のまま接近しつつ、【ウェーブスラッシュ】のチャージを見せる。当然私なら……だよね。『発動前に潰す』を選んでくるのは分かっていた……!



「ふっ……!」



 【ウェーブスラッシュ】を即時キャンセル、【次元的機動ディメンジョン・マニューバ】による反重力機動によって奴の鎌を躱し、その瞬間に【旋閃蜂壊せんせんほうかい】をどてっぱらに叩きこむ!



 うーん、手応え無し!

 奴の作り出したデコイによって空振りに終わったようだ。



「デコイはね、こうやって使うのよ!」


「キュルッ!?」



 ゲルナグラン・ディアボリカのデコイを中心に、奴の行く先を塞ぐようにデコイを生成し、取り囲む。即座にそれをデコイと認識し、横薙ぎに切り裂く奴の鎌───



「それこそが狙いよ! 【兜割かち】!」



 ガキィィィィンッ!


 ゲルナグラン・ディアボリカの鎌と私の薙刀がぶつかり合い、けたたましい音を立てる。デコイを生成した私は、その中に隠れるように身を潜めて相手の攻撃を待ったのだ。


 後はレリーシャさんのように相打ち覚悟のカウンターを放てば───



「攻撃は当たるのよ!」


「それと、その後に隙が生まれるぴょん!」


「ギュルルッ!?」



 いつの間にか背後に回っていたラビリちゃんが放ったアサシン系(・・・・・)アビリティ【急所穿ち(クリティカル・パス)】がゲルナグラン・ディアボリカの背中を襲い、満足いくダメージを叩き出す。


 相当効いたのだろうか。

 ギリリッと歯ぎしりのような音を立てたゲルナグラン・ディアボリカの取った行動は、『離脱』の選択だった。


 翅を広げ、私とラビリちゃんから離れる方向へと加速し始めたゲルナグラン・ディアボリカは───



「移動中は避けられないアルね? 【天津星砕あまつほしくだき】!」


「ッッ───!」



 メキッ───と鈍い音を立てて、憂炎ユーエンさんの拳がゲルナグラン・ディアボリカにめり込む。どうやら私とラビリちゃんの位置から、逃げる方向を読んで先回りしていたようだ。


 とはいえ流石は私をコピーしたモンスター。憂炎ユーエンさんの拳を受けながらも空中で身体を回転させ、ダメージを最小限に抑えたようだ。


 あー、そんな対応もできちゃうわけね。



 ……なんか私もいつかこんな目に会わせられるかもと思うと、ちょっと怖い……けど、皆の対応が慣れすぎていて順調に追い詰めることができているようだ。これなら───



「カローナ様であれば、ここからいくらでも巻き返しますものね。ですから、一切手抜きはしませんわ」


「っ……!?」



 背後からセレスさんの声が聞こえてくると同時、ゾクッと冷たいものが走る感覚に私は思わず身体を震わせる。


 いや、ちょっと待って?

 この気配、まさか……セレスさん!?



 瞑目するセレスさんが、歌うように言葉を紡ぐ───













招魂しょうこんの法()く、深闇しんあん喚子鳥よぶこどり……“妖気解放・・・・”───」



 ───ぬえ、起動。





お読みくださってありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ