7.アビィ叔母さんです
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アビィは夜一人でお茶を飲みながら
村の人に、ノラを預かれないかと相談に行った時の事を回想していた。
「私が仕事ででている時だけでもお願いできないでしょうか?」
「ずっと大人しいならまだしも、あんな悪魔みたいに豹変する子は少しだって預かれないよ。」
「うちの1歳の赤ん坊の方がまだ静かに泣くよ。あの子は私の手にはおえないね。」
「だいたい、あんたは結婚もせず、ほとんど家にいないじゃないか!孤児院にでも入れるんだね!」
「随分と羽振りよく暮らしてたみたいじゃない、ご立派な親戚でもいるんだろ」
「お高くとまっていたものね」
かけおちして、アビィが住んでいた村に引っ越してきた姉夫婦の事をよく思っていなかったようで、一様に拒絶の意を表す。
両親の他界後、仕事する拠点に丁度いいからとアビィが引っ越してきた時も、結婚もせずに仕事をしている事についてアレコレ言われたものだ。
頭の固い、意地悪な田舎のババア共め。
あんたらにノラを預けるなんて、こっちから願い下げだ
可愛い姪でありながらも、神経質な姉エマの心を蝕む程、我が強く、甘やかされわがままに育ったノラは、慣れない環境で緊張しているのかもしれないが、この家に来てから一度もわがままな面を出していない。
そもそも、とても愛くるしかったのだ。
多感な時期にストレスがかかったのと、少し頭がよく、大人が何をやったら嫌がるのか感じ取れてしまう要領のよさが悪い方に転がってしまったようだ。
姉のエマは旦那を連れ戻しにいくから、一応知らせておくと私に置き手紙をのこした。
見つかるまで戻っては来ないだろう。
所在の目星はついていたのだろうか?
今回は本当に短絡的すぎたと思う。
でも、昔からエマは神経質で傷つきやすかったから、妹の私としては可哀想だと思うし、力になってあげたい。
それにしても…
ノラの庭いじりの結果には目を見張った。
大人でも中々あそこまでできないだろう。
センスが良いのが一目でわかる。
もともと整理整頓が苦手な私には到底無理だ。
包丁の使い方も、小さい包丁ではあるが大人顔負けのみじん切り具合だった。
そして編みかけのレースも、5歳の子が作ったとは到底信じられないでき映えだ。
手先が器用なのだろう。
この村で預かり先を探していたが、村で悪意に晒されるより、
もっとノラの可能性を広げるべきなんじゃないだろうか。
しかし、可愛い姪を近くに置きたいと思ってしまう。
一緒に連れて行けるものなら連れて行きたいが、そうもいかない。
罪悪感や喪失感、苛立ちなど様々な思いを抱えて、胸が痛い。
しばらくすると、ゆっくりと立ち上がり
ノラの家から持って来ていた住所録を開き始めた。。




