第19話 可愛い兄貴現る?
お、お気に入り1000件越え・・・?
え?・・・ええ!?(゜ロ゜ノ)ノ
思わず2度見してしまいました(;´_ゝ`)
ありがとうございます!
あと、今までの話に少し修正させていただきました!
ご迷惑をおかけしてすみません(>_<)ストーリーは変わりませんので、よろしくお願いしますm(__)m
どうしようかな~・・ ・。
ただ今部屋のベッドの上で考え中。
兄貴の顔が気になるって言ってもメイナードとユリアーナはよほどのことがあっても会えない。
それはメイドさん達が鉢合わせないように、ユリアーナの行く道を決めているから。
そういや、兄貴のメイナードとユリアーナは10歳違うから・・・今15歳か。
ん?学校は?
疑問に思った私は通りかかったメイドさんに聞くと、嫌そうな顔をされながらも教えてくれた。
兄貴が通う学校には1ヶ月くらいの休みが年に2回あるらしい。
んー。夏休みと冬休みみたいなもん?
首をひねる私を尻目に「もうよろしいですか?私には仕事がありますので」と刺々しい口調でメイドさんは去っていった。
oh・・・。冷たいぜ・・・。
ベットに倒れこみ、足をバタバタ。
さあ、どうしようか。と考えていると視線を感じた。
「ん?」
「!!」
こっちを扉の隙間から伺うように見ていたのは、なんと兄貴だった。
見つかったのに動揺しているのか、キョロキョロと目を動かしている兄貴においでおいでと手招きをすると、ぎょっとした顔をした後、恐る恐る部屋に入ってきた。
まぁ座んなさいよと自分が座っているベッドをべしべしと叩くと、兄貴は顔を真っ赤にして、「べ、ベッドに異性に誘うなど・・・!?」と口をパクパクさせてる。
あー・・・。ごめん。
この部屋の座れるとこってベッドくらいだからさぁ、前世では友達部屋に呼んだらベッドに座っててもらったから癖でつい。
それにしても・・・。
ぶふふっ!ユリアーナの兄貴に相応しい悪役顔の美形なのに初々しいな!?
最初に会った時逃げちゃったけど、こんな可愛い兄貴なら大丈夫だわ!
思わず笑いながら固まって動かない兄貴の腕を引き、なんとかベッドに座らせる。
ふぃ~。いい仕事したぜぃ・・・。
てかお客さん来てんのに、お茶ねぇや。どうすっぺなぁ。
「お前は・・・」
「んー?」
「本当にあのご令嬢を階段の上から突き飛ばしたのか?」
「・・・私がやってないって行ったら信じてくれるの?」
「それは・・・」
「そのご令嬢のメイドとうちのメイドが私が突き飛ばしたところを見てたって言ってんでしょ?」
ユリアーナの記憶では必死にやってないと訴ったえてるのに、なんなのあのクソ親父め、ろくに調べもしないでユリアーナの部屋に押し込みやがって・・・!!
思い出しイライラしながら足を揺らす私に、「数ヶ月前、お前がメイドを辞めさせた件を調べてみた」
「!!!!」
数ヶ月前、ユリアーナが癇癪を起こしてとあるメイドをクビにしたのは・・・。
「お前はあのメイドに騙されてた上、暴行されていたんだな・・・」
そう。こともあろうかそのメイドは幼いユリアーナに暴力をふるっていた。
しかもご丁寧に衣服に隠れる所だけ。
他にはユリアーナが頼んだ覚えのない装飾品やドレスをあたかもユリアーナが欲しいと言ったように頼み自分の物にしていたのだ。
ユリアーナの中の深い悲しみと絶望。
―――――そして、裏切られた怒り。
手に温かいものが触れハッとして下を見ると、兄貴が私の手をそっと握っていた。
「あ、にき?」
ぎこちなく頭を撫でてくる兄貴に、私は思考が停止する。
「気づいてやれなくてすまない・・・。怖かっただろう」
――――――――――――――。
『初めまして、ユリアーナ様。私◯◯と申します。これからよろしくお願いします』
『え・・・くださるのですか!?いえっ、困ります・・・!・・・そうですか?ではいただきます』
『ユリアーナ様、こちらのドレスはいかがでしょうか?』
『ユリアーナ様っ、この装飾品とても綺麗ですよ!』
『あら、ユリアーナ様。そんなところにいらしたのですか』
『申し訳ございません、手が滑りましたわ』
『ユリアーナ様は一生、私のお人形でいてくださいませ・・・ね?』
「んで・・・」
「?おい」
【《「なんで優しかったのにどんどん周りの大人と一緒になっていくの?なんで私が頼んでもないものを頼んでるの?なんで運ばれてきたご飯私にくれないで自分で食べてるの?なんで男の人に服を脱がせてもらわなくちゃいけないの?なんで叩かれて助けてって言ったのに笑って助けてくれないの?」》】
『ユリアーナ様っ』
『ふふっ。ま~た増えちゃった!』
『お貴族様はお子様でもこんな良いもの食べてるのねぇ~』
『ちょっと!ヤるなら早くしなさいよね!』
『・・・ふふふ!』
なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで!?
『ユリアーナ様知ってます?やられたらやり返さなくちゃいけないんですよ?』
本人がそう言ったから・・・。
【《「だから私はやり返してあげただけよ」》】
頭から熱い熱い紅茶を振り掛けて、何回も不味いやり直しって言ったの。ドレスも装飾品も気に入らないセンスないわね!って商人の前で笑って言ってあげたわ。
料理だって私の口に合わないから食べてくださる?って食べやすいように床に皿から落としてあげたり、男達に今日はあの子が相手をしてくれるそうよ?って伝えてもあげたし、道具も買ってきてあげたわ。
他にも色々してたらメイド長に泣きついて勝手に辞めていったの。
・・・ふふっ。
【《「最初からこうすればよかったのよね」》】
なんだか気分がいいわ!
そうよ、あの女もこのやり方で―――。
「―――ユリア!!!!」
突然の大声に私は我にかえった。目の前は部屋の壁が見え、兄貴が自分を抱きしめていた。
な、なんだったんだあの感情は・・・って。
・・・・・・・・・・・・・・・ん?
「ユリア?」
なんのこっちゃと首をひねると、そこには顔を赤くした兄貴。
「そっ、そのユリアーナだから・・・!」
「え・・・?」
「だ、だから!!お前の名前はユリアーナだから!!・・・お前を呼ぶときはそう呼ぼうと思ってだな・・・」
ゴニョゴニョとだんだんうつ向いていく兄貴。
「ぶ・・・はははははははは!!」
「な!?なぜ笑う!?」
「だっ、だって可愛すぎなんだもんよ!」
「かわ・・・!?」
一生懸命なんて呼ぶか考えてくれたのかな?
嬉しいなぁと思わずニヤニヤする顔をおさえる。
ぶふっ。そっ、それにしてもベッドの件といい、呼んだだけで真っ赤になっちゃうとこといい、可愛いすぎっしょ!
ぎゃははと笑いながら背中に回した手で兄貴の背中を叩く。
兄貴っ最高っっっ!!
「なんで兄貴なんだ・・・」
「・・・へ?」
「あ、いや、その・・・」
「もしかして・・・お兄様とか呼ばれたいの?」
「!!」
えー・・・と。図星な感じですか?んー・・・でもねぇ。
「やだ」
「!?・・・なぜだ?」
う。んな悲しそうな顔しないでよ!
だってさぁ!!
「私にとって、兄貴は兄貴なの!」
お兄様って呼んでもいいんだけど・・・。
なんか、この人には兄貴って呼ばなきゃいけない気がするんだよねー。
「・・・せめて他の呼び方にしてくれないか?」
「えぇぇぇ・・・じゃあメイ兄でいい?」
メイナード兄様って長いし!
メイ兄はブンブンと首を縦に振り、頷いた。
わぁ~。嬉しそうだね~。
・・・なんか複雑。
はたしてどれが今のユリアーナか?




