第八章③終幕
第八章③終幕
ユリウスの死後、色々と大変だった。
特にウェンディは他の神々への説明、負傷者の治療、そして新しい秩序の立て直しと大忙しだった。
「これで、やっと終われるな。」
「俺の役目は終わりってことだ、あー、もうこんな責任背負うなんて嫌なんだがね。」
「ウェンディ……ユリウス倒してからの方が大変そうじゃないか、大丈夫か、あいつ……。」
ふっと一息。
「大丈夫に決まってる、か。」
気がつけば隣にウェンディがいた。
「篠田さん、あなたの役割は終えました。お疲れ様です。」
「私が見込んだとおり、世界を変えてくれました。」
「あなたは……このあと、どうするつもりです?」
「いや、普通に日本に帰りたいんだが?」
ウェンディは少し怪訝な顔をする。
「え?世界を救ったのですよ?神にですらなれるよう、用意していたのですが。」
「そんな責任、俺は背負いたくないね。」
「そう……ですが。」
「では、後日、女神の間まで来てください。」
終始納得のいかないような顔をしていたが、篠田は気分が楽だった。
後日。
女神の間。妙に懐かしい気がした。
「では、篠田さん、これでさよならですね。」
「ちょっと名残惜しいです。」
「まぁ……そう言われれば、俺もちょっとは寂しいかな。」
「え、ここは、「やっぱり俺はウェンディと共に世界を!」とか言って、私にデレるところじゃないですか?」
「……なぁ、お前、ラブコメ好きだろ?」
「バレましたか。」
「バレバレだ。」
ふぅと一息つくウェンディ。
「さて、それでは……。」
詠唱を始めるウェンディ。魔法陣が起動して……篠田は日本へ帰国した。
それから数ヶ月後。
「篠田、上がりまーす、お疲れ様でしたー」
「お疲れ様ですー」
(はぁ、今日も疲れたな……異世界より、こっちの方が疲れるんじゃないか?)
篠田はコンビニのバイトを終えて、帰路についていた。
しかし。
突然、足元に魔法陣が現れ……。
気がつけば、女神の間にいた。
「……おい。」
「なんでまた呼んだ?」
「いえ、ちょっと世界の再建に手こずっていまして、お手伝いをお願いしようかと。」
「レティなんて何度も過労で倒れてるんだからね!」
なぜかリゼットがいた。
「なんでお前がいる?」
「いちゃ悪い?私だって、再建の手伝いをしてたんだわよ。」
「やれやれ……。」
「また面倒な責任、負ったな、俺。」
篠田は嫌な予感が頭をよぎった。
「異世界にも労基ってあるのか?」
ウェンディはニコニコしているだけだった。
それが全てだと、篠田は察してしまった。
完




