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終末に熱が出て寝込んでまして投稿できず申し訳ないです
未だ本調子でないので短いです
「どうしてこのような事態になっているのか説明して下さるのでしょうな?」
「い、いや。その・・・ほら、やっぱりまだ早いかな~と思っちゃったりして?」
カモーラの街の大門の前で対峙する領軍と近衛騎士団の面々。 しかし対峙するとは言っても近衛騎士団の方は大門から距離を取り全員が下馬して戦闘の意思を持たない事を示していた
「ヴィクトリア様の事はそちらから出た話、正直サウスバーグ領としては殊更必要では無いのですよ?」
「うっ!いや、そのまさかこんなに早く魔術師長に認められるとは思わなくて・・・」
アルベルトのステータスを見た時は王国の先を考え何とか彼を王家に取り込もうとしたものの、可愛い盛りの娘を単身向かわせるのが堪えがたかった国王は色々画策していた
宮廷魔術師達に認められてからという条件を出したのもそうだ。 いくら魔法神の加護を持っているとはいえ六歳のエリザベスが魔術師長に認められるのは時間が掛かると考えていたジオブリント。
しかし、彼が与えるお菓子の誘惑にも綺麗なドレスにも興味を示さす黙々と教えを吸収していく彼女は厳しい訓練にも根を上げず魔法神の加護もあって、僅か半年でお墨付きを得るに至ったのだ
その結果、第三王女はいざ愛しき人の元へと言った感じで嬉々として準備を始める。その様子は父親の事など視界にも入らなくなっており益々ジオブリントを焦らす
更に始めは彼と共に難色を示していた妃までもが恋する娘の様子に後押しを始めすっかり孤立した国王は最終的に近衛騎士団を動かし阻止しようとした訳であったが、国益を考えるアクセルに根回しされていた近衛騎士団の団長は味方同士の戦いにまでは従う事は無かった
因みにだが、アクセルを筆頭に有能な臣下たちの忠誠を受けるジオブリントは賢君として評価されている一方でチョイチョイやらかすタイプであった。 その為、臣下達も此処までは仕方無いというラインを心得ており、そのラインを越える様な事は決して許さない
後の歴史書は臣下を上手に使いこなす類い稀な賢君と評するのだが、今を生きる彼にとっては聊か不満の残る事では有った事は言うまでも無い
「メネドール殿、取敢えず人目も有りますれば・・・」
「ドノバン殿。此度の事ご苦労でしたな」
後方に控えた騎士達から老齢の団長が進み出てメネドールを宥める。 一応は国王は騎乗のままだし下馬しているメネドールが臣下の礼を取っている様に見えなくもない。
だが完全武装状態で鎧を身に着けたメネドールからは絶賛お怒り中ですオーラが迸っておりその迫力で国王はタジタジ状態にあるのだ。 外聞という事を考えればこのままという訳にはいかず仲裁に入ったという事だろう
「元はと言えばお主が儂の命令を聞かぬから・・・」
「何か仰いましたかな?」
「い、いや・・・」
しかし、大門を前に全軍突撃を叫ぶ国王を無視してサッサと部下を下馬させた彼が言い出すには聊か不適でジオブリントは不満を漏らすが、団長のジト目に思わず黙り込む
彼の英断が無ければ身内同士の戦いが繰り広げられていたのだ。 頭の上がらない二人の迫力に頭の冷えた国王は黙って付いて行くしかなかった・・・
☆△☆△
「王都からの強行軍、さぞお疲れでしょう。」
「う、うむ。ソフィア殿も息災であったか?」
メネドール達が住む屋敷で一番立派な応接室に通された国王はメネドールの準備が出来るまで夫人であるソフィアの歓待を受けていた
本来ならば国王を待たせるなど不敬に当たるのだが鎧姿のまま歓待する訳にはいかないのだ。 近衛騎士を率いて攻め込む寸前だったジオブリントがそれを指摘する訳にもいかず、当たり障りのない話で誤魔化す
「陛下にはご心配をお掛けして申し訳ありません。 至らない身体のせいで王都にも行けず最近は着替えをするのも大変な始末でして・・・」
「い、いや身体を労わるのが大事だ、謁見など些事に過ぎん・・・熱ッ!!」
「あら、ロッテったらお湯の温度を間違えたのかしら?ホホホホホ」
「申し訳ありません。直ぐに御取り替えを」
「しょ、しょれにふぁおひょばん。ハッハッハ」
ソフィアのチクリとした一言に狼狽えながら目の前のお茶に口を付けたジオブリント。 素知らぬ顔のメイド長を怒る訳にもいかず火傷したまま笑うしかなかったのであった・・・
「おや、どうなされました?」
「いや、少しお茶が熱かっただけの様だ」
「なんでお主のは・・・」
「ふむ。ロッテ、気を付けるようにな」
着替えを終えて部屋に入ってきたメネドールが戸惑ったように声を掛ける。 ドノバンは普通にお茶を飲みながら答えたので、その事に愕然とする国王を放っておいてメネドールは何事も無かったように席に着く
その様子にこの場に一切味方がいない事に気が付き、肩身の狭い想いのするジオブリントだった・・・




