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74話

※2014/09/25 運営より指摘あり……五度目の修正

「しかしマリヤ様。それはやはり本気でお考えなのですか?」


 城の通路を歩きながら犬が訪ねてきた。ダークエルフとの戦いが終わって、色々と動いてたら結構時間かかっちゃってね。

 漸く落ち着いたと思って様子(・・)をみようと、犬とデカマラ引き連れて歩いてるんだけどねぇ。


「勿論冗談で言ってるつもりは無いよ。あんたも大丈夫でしょ?」

 

 あたしはデカマラを振り向いて問いかける。


「うむ。我としてはあの首輪から開放され、仲間たちも自由を取り戻した。その上このような形で城まで手に入り、マリヤの申し出を断る理由がない。しかし、逆に大丈夫なのか?」


 別に大丈夫じゃない? とか思ったりもするけど、ただ馬鹿がね……。

 まぁこの城に関しては基本的にはオークの自由にしていいという話で落ち着いた。

 こっちはいずれは領地に戻るしね。

 そういえば一度外に出て外観を確かめたりはしたけど、ここは城にしてはこぢんまりとしていて、砦みたいな物とか犬がいってたね。


「まぁとりあえず下の様子を確認かなっと。上手く言ってるかどうかってのもあるからね」


 そう口にしながらあたし達は例の地下へと降りていく。


 そこではダークエルフがオーク達に仕返しとばかりに家畜化されていた。

 中にはあたしに拷問をかけた連中もいたけどね。


「主尾はどうだ?」


 デカマラが報告にきたオークに尋ねる。


「へい! もうほぼ全員しっかり孕みやした! こいつらもう俺達なしじゃ生きられない身体っすよ」


 オークが愉快そうに身体を揺らしたね。で、後ろから犬が、何を話してるのですか? と聞いてきたので通訳してやる。デカマラ以外のこいつらの会話は基本オーク語だから犬には判らないしね。


「あ、姉御! いやぁ姉御のおかげで我々も助かりましたよ! 生け捕りにするって聞いた時は正直、なんでだ! とちょっとムッとしちゃいましたが、こんなお考えがあったとはねぇ」


 ……とりあえずはよく判らないけど、あたしはすっかりこいつらからは姉御呼ばわりだ。

 最初は戦女神だなんだ煩かったけど、なんかその呼び名も嫌だといったら姉御って呼び方にかわっちゃったんだよねぇ。

 戦女神よりはまぁいいけど。


 まぁいっかとりあえず確認は終わったし。

 一旦馬鹿のとこに戻るとするかね。





◇◆◇


「え? ここを私の領地の管理下に?」


 部屋に戻ってあたしが伝えた提案に、馬鹿が眼を丸くさせた。かなり戸惑ってる様子も感じられるね。


「し、しかし何故突然そのような?」


 う~ん納得がいかないって顔だね。

 とりあえず一緒に来てもらったデカマラとは既に話は付いてるんだけどね。

 だからまぁそれで決定にしたいとこなんだけど、領主はこの馬鹿だしね。


 まぁ理由としてはこの森が密かに結構いいところってのもあるけどね。

 外に出た時にちょっと歩いてみたけど近くに綺麗な湖もあるし、この森でしか採れない果実も豊富だ。

 一つ食べてみたけど甘くて美味かったし、この城も別荘として考えるとピッタリだしね。


 この城の格部屋も家具やベットもしっかり完備されてるから改めてこっちで用意する必要もないし。

 普段はオークに住まわしとけば清掃とかはやってくれるみたいだしね。

 ただまぁ、流石にここを別荘にしたいからじゃ理由としては弱いから。


「確か領地で問題が起きた時に対応できる手が足りないって言ってただろう? これからオークも数が増えていくし、ここからオークを派遣して貰えば役に立つと思うんだよね。見ての通り戦士としてこれだけ頼りになるのはいないし」


 あたしはデカマラの腰をパンパンっと叩きながらそう説明する。


「お、オークに私の領内の警護を任せるという事か? う、うむぅ」


「それにここでしか採れない果実も分けてくれるって話だしね。それにこの城別荘にピッタリだし」


 あたしはさり気なくメインの理由も織り交ぜた。でも、う~ん、う~んって難しい顔して唸ってるねぇ。


「……すまん。マリヤの提案だ受け入れたいとは思うし、オークがダークエルフに無理やり言いなりにされていたというのも理解はしている――だが……」


 そう言って馬鹿が後ろに目をやる。

 あぁやっぱそれかぁ。


「は、はぁんオークしゃまの赤ちゃん~」


「あぁん。うぎょいてる~」


 この部屋にはベッドが二つあるからまぁ彼女たちの部屋に選んだんだけどね。

 んでスラパイもメイド長もずっとこんな感じだ。

 他の部屋には別の囚われていた女達も寝かせてるけどそっちもおんなじ感じだね。


「あぁ、アリス……メイド長」


 馬鹿がスラパイの手をぎゅっと握りしめた。

 だけど馬鹿にはあまり反応を示さないねぇ。


「……マリヤには我らも心から感謝しておる。しかし、いくらダークエルフに従わされていたとはいえ、本当に申し訳ない事をした……謝ってすむ話ではないのだが――」


 デカマラが肩を落としてすまなそうにしてるね。

 まあ、と言ってもやっちまった物は仕方ないし、命を取られたってわけでもないからねぇ。

 ただ、とは言えこのままっつうのもね。


「この状態はいつまでも続くってわけじゃないんだろ?」


「あ、あぁ。出産し暫くすれば落ち着く筈なのだが……」


「しゅ、出産!?」

 

 馬鹿が愕然としてるね。でもまぁ妊娠してんだから子供はやっぱ産むよね。


「確か出産までは二ヶ月かかるのでしたかな?」


「そのとおりだ。人間に比べれば出産も成長も早いのがオークの特徴ではあるのだが……」


「そうですか。ただ困りましたな。今の状態だと食事を取らせるのも一苦労ですし……」


 犬の言うとおり確かにそこが弱ったとこかな。何せオークとやる事以外は殆ど動こうとしない。食事を出しても手を付けようともしないしね。


 ちなみに本来オークは自分が食べた栄養を精液に含ませてるから、オークの子を孕んだ後の女がオークの虜になってしまうのはそれが原因かもってこいつらも考えてるみたいだね。ただ、あくまで予想で詳しい事はこいつらも判ってないらしいけど。

 

 まぁ、ようは妊娠後はオークに注いでもらうことで食事の代わりになってるって事だ。

 だからオークにヤラれてる内は食事を摂らなくても平気らしい。

 てか、ゴブリンといいオークといい、お前ら精液の栄養豊富すぎだろ! 


 ただ、まぁだからって、じゃあ引き続き彼女たちをオークに相手させましょうか? て話を出来るはずもないしね。

 あたしにだって流石にそれぐらい判る。ダークエルフはどうでもいいけど。


「何かいい方法はないものですかな」


「それなのだが……もしかしたらあのエロイーヨが何とか出来る薬を隠し持ってるかもしれない。そんなような話を耳にした覚えがあるのだ」


「うん? なんだ。だったらさっさと吐かせて手に入れてしまえばいいじゃん」


「うむ。そうなのだが、実はな――」


 



 

 

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