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スーパー働かないおばさん、巨大化してのんびりする  作者: 鴉野 兄貴


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5/12

ジム

 徳香はジムになど行かない。終わり。


 と言うわけにもいきません。

 さすがに火曜と木曜は忙しいから200字で妥協することもあるが真面目に更新する!



 作者ほどではないが怠惰な徳香とて昔と同じウエストサイズでもたるみが出てくるのは気になるお肌の曲がり角。

 ハリははておき腹は減らしたい。


 なのでジムに登録して……あれ?

 あのジム潰れてら。


 自動引き落とし契約が勿体無い話だが、無人ジムのほとんどの収益は徳香のような幽霊会員からの自動引き落としによるものである。


 確か登録したのって……何年前だったっけ。

 澄香が三国の『あしかがハウス』に引っ越してきたあたりだったっけ。


 つまり13年以上前。怠惰に過ぎる話だ。


「あー。○ンジャロなんじゃろー」

 公益社団法人日本広告審査機構(にほんこうこくしんさきこう、英: Japan Advertising Review Organization, JARO(ジャロ))は、日本の公益社団法人である。

 間違えても糖尿病の方々の本来の利用を圧迫する痩せ勢のための薬ではない。


「ああ言う痩せ煽り勢は無限地獄に堕ちろ!」

 謎の怨嗟を放つ徳香。最近安全の為に個人情報一度書き換えてからInstagramを削除した。えらいぞ。


 そもそも『徳香の体質的に』に一般的な薬や毒物が通用するのかは極めて疑問がある。

 なら運動もそうではないだろうか。


「しょわ!」


 徳香はベッドの上で昔のネットミームの黒ギャル二人のように飛んでポーズ。残念ながら四十路にもなってこんな遊びに付き合ってくれる同居人はいない。猫は姉に引き取り願った。



 徳香の胸に赤のラインが浮かび上がる。

 乳房から脇腹に向けてブルーのラインが浮かび上がる。

 下腹に日本石油のロゴそっくりのそれが浮かんで銀色のスレンダーな女性体に彼女はなった。

 最近身長を変えずに変態できるようになってきた。10センチくらいなら背を縮めることもできる。


 うむ。魅惑のスレンダーボディ。

 胸は控えめながら形くっきり。

 ウエスト極細なのに縦腹筋の4本の筋が美しくそれでいて柔らか。


 お尻のラインも典型的日本人のまっすぐな腰ではなく腰骨折れるだろコレレベルでS字九十度。

 故に鼠蹊部(そけいぶ)も太もものうちも筋がしっかりでキレッキレ。


 この体型のままならダイエットはいらないのだが。


 母に言わせれば『慣れたら色々大きくも小さくもできる』らしい。


 実際今回はアパートを壊さずに済んだ。

「じょ!」

 無駄にポーズを取る。

 なんかこの姿していると空手などやったこともない徳香でも武道の構えのようなポーズを取りたくなる。


「じゃ!」


 スマホで自分を撮るとピントがなぜか合わない。後で見たらデータが壊れていた。


 同じように彼女の変身体を見た人間は速やかに記憶が薄くなるらしい。


 いや、徳香を覚えている地元の人間はわずかなのでこれは能力とかではないかもしれない。ちくしょう。


 そういえばInstagram削除したっけ。

 うーむ。顔を隠して上からセクシーなシャツを着ればワンチャンモデルを名乗れるのでは。

 どっかの作画資料お姉さんみたいにバトン持ってポーズするためにアカウント復活させるべきか彼女は思案。


 何をする気だやめろおばさん……もといお姉様。青少年の性癖を歪めるな! 徳香!


「うーん。なんでピンボケするんだろ」


 変態中の徳香は怪異の一種なのかもしれない。普通の人間は意識しても認知できないし認知できる存在は『こっち側』に属する。


「顔だけ隠して上からなんか羽織ればスタイル抜群のスレンダーボディで通るし変な薬もプロテイン爆飲みもいらないし運動しなくていいのに」


 ちなみに、徳香は意識していないが彼女が空を飛ぶと莫大なエネルギーを消費する。

 それでお腹周りが40年間もゆるいままなのはひとえに彼女の怠惰と偏食と暴食による。

 学生時代は夜中に「レディースデイ」「女性と学生おかわり自由」のラーメン屋おかわり自由に挑戦して大盛り十杯も平らげりゃそりゃ肥える。


「銀色の肌は上から厚化粧とマスクとヅラてなんとかならないかな」


 子供の頃から色々やっているが無理っぽい。


「うーん。姉さんみたいに鼻を高くしたり、二重にならないかなぁ」


 そう呟くと鼻が伸びた。

 ニュッと。


 視界でぐんぐん伸びる鼻の先が徳香お気に入りのマグカップをぶっ飛ばした。

 ピノキオじゃないんだぞ!?


 胸が熱い。

 なんかぐにぐに風船みたいに膨らんでいく。

 やがて部屋を破壊しかねないサイズへ。もちろんこれでは動けない。


「とーまーれー!」

 ぼしゅー!


 胸が今度は真っ平になった。

「たいへんだー! もどれ!」

 今度は腹が膨れた。

「こっちじゃないよー!」



 変な匂いがすると思ったら鼻がまた伸びてとぐろを巻いている。


「芥川龍之介の『鼻』じゃあるまいし!」

 意外と教養があるぞ徳香! もし時代が時代なら夢野久作先生の『鼻の表現』に君の話題が載ったかもしれない!


 今度は唇が伸びた。と思ったら消失して変な声が出る。

 さらに今度は首だけ伸びた!

 足だけ伸びたり手だけ伸びたり。


「やーめーてー!」


 もこもこまるまる。

 ぐにぐに。


 徳香の姿はあぶくのようになり、あちこち膨らみ丸くなりまた収縮して出鱈目にうごめく。


「怪獣だぁー!?」

 街は大混乱だし自衛隊と警察のSATと猟友会が出動するし、銃で撃たれたら痛いし泣きたくなるがその目玉も膨れたり縮んだり。



 徳香はなんとか自分の元の姿を思い出した。

 よって今回はここまでとする。


 しかし徳香よ。

 人間態にてウエストを10センチ絞ったのはやり過ぎだ。世の人々に恨まれろ。


 なお、7日で元の67cmに戻った。

 節制しろ。徳香。


 本日の決め技:マイクロウルトラ

 任意で身長を変える。なぜ体重も増減するのかは謎である。

 なお、顔を含め体型を変えようとすると今回のように暴走する。

「2016年以来。怪獣再来か。泡のようにうごめく銀色の不気味な肉塊現る。自衛隊出動するも煙のように消える」


※女性のウエストは体格にもよりますが64から68くらいが普通なのでむしろ痩せてるんじゃと作者も思いますが、多分二の腕とお尻と太ももがむちむちです。内臓脂肪も多め。徳香運動しろ。

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