アレンの想い
「これがアレンだ。確認をしてやってくれ。」
3人は明け方の5時頃にエレンの家に着いたが、母親が料理をしていたため呼び出し、全てを話した後にアレンを見せようとしたが止められてしまった。
「申し訳ございませんが夫と子供を起こしてまいりますので少しお待ちいただけますか?」
そして家族で変わり果てたアレンの姿を見ていた。顔はナイフのようなもので抉られて誰か見分けがつかなくなっており、鎧や身体中に矢が刺さっていた。
「これは罠にかかって死んでしまったのですか?」
父親が聞いてきた。
「矢は罠によるものでしょう。顔は人為的な傷ですね。私は命魔法が使えるので少しなら降霊できると思いますがお話しますか?」
「話したいが高額だろう?私のコレクションで払い切れるならお願いしたいが、今は他に金がなくて・・・。」
「お金は気にしなくていいですよ。私達はエレン君の依頼を受けています。なので1冒険者として依頼主の為に使うので。」
夫婦は驚きを隠せなかった。
「えっエレン、いったい報酬になにを渡すんだい?」
「僕はパパのコレクションを全部あげてもいいって言ったんだ。でもそれじゃあ高すぎるからって葵兄ちゃんが言って、もし欲しいのがあったらパパに売ってくれるようにお願いするだけでいいんだって!」
「それじゃあタダ同然じゃないか。どうしてそこまで?」
「困っている人はほっとけないだろ。」
「ですね。」
「俺は犯罪の匂いがしたから調べるついでにな。」
「ありがとうございます。でしたらできれば息子と話させて下さい。」
「わかりました。まだ数日なのでほぼ本人と話せると思います。」
命は目を閉じるとブツブツなにかを唱え始め、目を開くと全くの別人の気配になった。
「やあ、ただいま。死んでしまってすまない。」
「アレンなのか?どうして死んでしまったんだ?」
「すまない。ダンジョンに入ってすぐ傭兵に後ろから刺されてしまって、31階まで逃げたんだが結局殺されてしまった。」
「顔を剥いだのもそいつらかい?」
「ああ、僕が死んだあと剣と指輪を取ってから顔を剥いで罠部屋に身体を投げられたんだ。父さんの代わりに俺が家族を守りたかった。守れる強さが欲しかった。それなのにすまない。」
アレンの目から涙が流れる。
「兄ちゃーん。」
エレンがアレンに抱きつく。といっても身体は命なので葵はとても羨ましそうにしていた。アレンはエレンを抱きしめながら言った。
「兄ちゃんは死んじゃったけど、お前は強い子だ。父さんと母さんを守ってやってくれ。」
なにかが消えていく気配があり、命に戻った。




