葵と命2
「えっと、わかりました。俺は青井 葵っていいます。」
「はじめまして、私は白木 命と申します。今日この世界に飛ばされてしまって困っているんです。簡単にでいいのでいろいろ教えてもらえませんか?」
葵はいい人ですぐに警戒を解いていろいろな事を教えてくれました。この世界での常識や魔法の事、そして冒険の事。
どうやら葵は小さい頃から父親と共に冒険をしていて、10才からは1人で冒険をしているそうです。冒険に必要なのは食料や水などからモンスターと戦う武器に至るまでたくさんありますが、葵は魔法でほとんどできてしまうため大勢で移動するより1人の方が楽に冒険できるそうです。
「葵って凄いんですね。私も冒険したいです。」
興味が沸いたため思わず口から出てしまいました。ちなみに葵さんと呼ぶと照れくさいらしく、葵と呼ぶことになりました。
「もっもう遅いから寝ましょうか。本当に俺が小屋にいてもいいんですか?」
「ええっ。1人だと不安ですし、こう見えても私結構強いんですよ。」
不思議な事に葵と話していると笑みが零れます。実際は薙刀を少しやっていた程度でこの世界の人と戦えるとは思っていませんでしたが不思議と安心してよく眠れました。
そして翌日、再び葵にいろいろ聞いた後初心者の館へ行き、ついでにギルドでステータスリングをいただきました。葵はゴールドランクらしく、マスターの人と楽しそうに話していました。ちなみに小屋は葵の持ち物らしく、冒険して手入れが出来ないため、あちこちに建物を寄付してたまに自分も使っているらしいです。
「白木 命さんですか?いいお名前ですね!この本に書いてある魔法が使えるかもしれないので試してもらっていいですか?」
初心者の館ではブロンズランクの夫婦がいろいろな魔法を試させてくれました。生物にしか使えない魔法は葵が練習台になってくれるというので甘えてしまいました。
「白き精霊よ、生命の理を捻じ曲げあの者の生命を奪いたまえ。」
「生命吸収!」
「白き精霊よ、聖なる霧で我を隠したまえ。」
「白霧!」
いろいろ試してみたところ、白魔法に適性が強くあるらしくとても驚かれました。今までの経験も影響するらしいので毎日教会で祈っていたおかげかもしれません。
そんな訳で町を全部見たあと、小屋に入ると真剣な顔をした葵に言われました。
「もし昨日言っていたように冒険したいなら、俺と一緒に旅をしないか?」
「はい、喜んで!でも私じゃあ足手まといじゃあありませんか?」
「確かに始めはそうかもしれないけど白魔法使えるだけでとても役に立つと思うし、なによりも一緒に冒険する仲間が欲しくてこの町によく来ていたんだ。」
「わかりました。よろしくお願いします。」
こうして私は葵と旅をすることになりました。




