VSブルーグリズリー
ヘレンは突然の乱入者に驚いたが、自身の目的を果たすためブルーグリズリへ斬りかかる。
「次元断!」
しかしブルーグリズリーはひょいと躱してしまう。
「あーあ、そんなんじゃあ当たらないぞ。攻撃の瞬間に型を意識しすぎて動きが丸わかりだ。」
葵が呆れたようにいうと、そんなことは分かっていると言いたげな目で睨んでくる。
「怖いな、睨むなよ。白木さんどうする?この子眠らせることも出来るけど?」
「いえ、本人がああ言っているのでやらせましょう。」
2人は見学を始め、石頭は飯を求めて狩りに行った。
30分後、へとへとになったヘレンがまだ戦っていた。
「くそっ、当てに行くと斬れずに斬りに行くと当たらない。」
先ほどからヒット&アウェイを繰り返して剣戟を与えているが中々ダメージが通っていない。ブルーグリズリーは先ほど腕を引っ掻いた以降攻撃が当たらないことにイラついており、ずいぶんと大振りになっている。
それを考えてヘレンは懐に入って攻撃しようと剣を横に構えたまま前進する。
「空蝉!」
「グワァァァァァ。」
ヘレンの攻撃がブルーグリズリーの腹を真横に裂いたが、まだ倒せておらず、ブルーグリズリーは爪で攻撃してくる。失敗を悟りヘレンが目を閉じた。
「葵さん!」
「わかってる!!」
「氷壁!」
ヘレンの背中とブルーグリズリーの腕の間に氷の壁が現れて爪を止めた。そしてそのことに気づいてブルーグリズリーは葵を振り返るのと葵がブルーグリズリーに手を伸ばすのが同時だった。
「アイスランス!」
先ほどヘレンが斬ったところに深々と槍が刺さり、ブルーグリズリーが沈黙した。
「白い風!」
命の魔法がヘレンの傷口を白い霧で覆い、止血していく。
「くっ、助かった。礼を言う。」
ヘレンは不服そうに礼を言った。
「おーい、戻ったぞー。」
あらかた傷が塞がった頃に石頭がブルーグリズリーを背負って戻ってきた。
「おっさん、熊2匹もいてどうするの?」
「あっ、すまん。冷凍してくれ。」
日も傾きだしていたため、野宿をすることにして4人は晩御飯にした。
「ヘレンって言ったか?試験とか言ってたがどういうことだ?」
「そっそれは、私は獣人なんだ!」
「?それがどうした?」
「龍馬という剣豪に剣術を習っているのだが、先日ついに私は剣客として教える立場になったんだ。」
剣客とは本来用心棒のような役割で使う言葉だが龍馬の寺の場合は違い、資質有りと認められたものが直接指導してもらう代わりに下の門下生を指導する講師のような立場である。
「ところが、私は他の門下生に歓迎されなかったんだ。」




