ヘレンの悩み
先週、龍馬の寺にて
「龍馬先生!私達は獣なんぞに習いたくありません!他の剣客の方に見てもらうことはできませんか?」
ヘレンに習うはずの門下生が全員で龍馬に直談判していた。
「そうは言ってもヘレンは他の剣客と遜色ないレベルぜよ。剣術においてなにが不満がわからん。」
「そうはおっしゃりますが、まず身体能力が違います。そのため剣術の技術ではなく力で振っています。さらに、獣人に恨みを持つ者もおりますゆえ、どうか考慮いただきたい。」
龍馬は考えた末、こう締めくくった。
「では修行の道の獣を1人で討伐させてみて、その結果で判断する。」
「ということで私はここに生息するモンスターを狩ってから証拠を持って帰ったのだが、一番強いブルーグリズリーでないと実力の証明にならないと言われてしまったんだ。」
「なるほどな、でもそれだけの力があるならブルーグリズリー位倒せるだろ。」
「もちろん倒せますが条件も付けられてしまって、今まで習った型だけで倒すように言われてしまったんです。私は獣人で今までの慣れなどから最速で動く少し型がずれてしまって、型通りに振るとどうしても遅くなってしまうんです。」
そこでブルーグリズリーが焼けたので食事をし、葵と石頭が真剣に話を始めたのを見て命がヘレンに話しかけた。
「申し訳ございません。この近くに水浴びができる場所はありますか?」
2人は少し離れた川岸へやってくる。
「ここには何か所かこのような川が流れていて綺麗なんですよ。モンスターに覗かれますけどね。」
ヘレンが舌を出しながら笑いかけていた。
「やっとあなたの自然な顔が見れた気がします。やはり男が2人いると緊張しますか?」
「そんなことはありません。私は獣人と人間の血が流れているため、獣人として暮らしていました。つまり、その、気を抜くと語尾がおかしくなってしまって。」
「そうですか、本人が気にしてるならまあ無理に打ち解けろとはいいません。ただ、今からはこの周りに声は聞こえませんよ?」
命が微笑みながら呪文を唱えた。
「白い壁!」
川の周りが白い霧に包まれていく。
ヘレンは慌てて剣を抜いて命に向ける。
「なんのつもりですか!?さっきの回復魔法とも違いますね?」
「警戒しなくて大丈夫ですよ。これはホワイトカーテンといって、壁のようなものです。外から中の様子が覗えなくなり、声なども遮断できる簡易結界です。」
そう説明すると命は服を脱ぎだした。




