レオの発情5
「あの……欲を言えば」
レオが珍しく、 少しだけ視線を泳がせた。
「出来たらでいいんですが」
妙に丁寧。
唯衣はきょとんと首を傾げる。
「?? なに?」
「力になれるならやるよ?」
するとレオは、 少しだけ耳を揺らして立ち上がった。
「……ちょっと待ってて」
そのままクローゼット部屋へ消えていく。
数分後。
レオは大量の紙袋を抱えて戻ってきた。
「……え?」
テーブルの上に並べられる、 見覚えのない服。
というか。
「これ、全部……?」
レオは静かに頷いた。
「着てくれると俺、喜びます」
唯衣、 固まる。
そこには、
クラシカルな丈の短いメイド服。
胸元が空いた ゆるっとした彼シャツ。
看護師に病院の先生白衣。
そして、
狼族の耳としっぽがセットになった狼族キッド。これに関しては白から茶色、黒まである。
毛並みはふわふわで市販とは思えないクオリティだ。
「ちょ、これ布少なくない!?」
かなり際どい衣装まで混ざっている。
どこかの民族衣装を模してあるようだが、
隠れているところが少ない。
これ、隠れるの?!
唯衣の顔、 一気に真っ赤。
レオは少し耳を伏せながらも、 期待を隠しきれていない。
しっぽなんて、 もうぶんぶん揺れている。
「……だめ?」
低い声。
大型わんこ。いや、大型狼。
レオの上目使い攻撃。
ずるい。
美形がやっていい仕草ではない。
唯衣は数秒悩んだあと、 観念したみたいに小さく笑った。
「……レオはどれが好み?」
その瞬間。
レオの目、 めちゃくちゃ輝いた。
「レオが着てほしいの、着る」
満面の笑み。
普段クールな男の、 破壊力がおかしい。
たぶん今、 脳内で花火上がってる。
脳内のミニレオがすごい勢いで喜んでいる。
レオは真剣な顔で衣装を選び始める。
でも途中から、 完全に楽しくなってる。
「これも似合う」
「こっちも見たい」
「……いや、でも最初はこれ」
耳ぴこぴこ。 しっぽふりふり。
全然隠せてない。
唯衣はそんなレオを見ながら、 思わず吹き出した。
「レオ、すごい嬉しそう」
するとレオは一瞬止まって、 少し照れたみたいに視線を逸らした。
「……好きな相手が、自分のために着てくれるの、嬉しいだろ」
その声が、 思ったより優しくて。
唯衣の胸が、 また少しだけ熱くなった。
コスプレ衣装だけどね…




