同棲生活1
同棲開始から1週間。
2人の生活は、 少しずつ“当たり前”になり始めていた。
朝。
同じ洗面台。
色違いのマグカップ。
「車回しとくよ?」 「レオ、お弁当」
「いってきますのキス」
そんな小さな日常が増えていく。
そして会社では、
もう誰も、 2人が付き合ってることを隠してるとは思ってない。
だってレオが 分かりやすすぎる。
唯衣が外回りから帰社すると、 どこにいても気づく。
唯衣が疲れてると、 数秒で察知する。
唯衣が昼を食べ損ねると、 なぜか机におにぎりとインスタントのおみそ汁が置かれてる。
しかも犯人、 だいたいレオ。
でも、やっぱり 職場全員が祝福ムードってわけじゃない。
中には、 面白くない思わない先輩社員もまだいてる。
特に、 フロアーの違うレオに少し憧れてた系の人たち。
「いいよねぇ、 守ってもらえて」
「真壁統括にあざとさアピールで選ばれたくせに。」
「仕事中くらい、恋愛控えたら?」
「若さしか武器がないのね。」
そんな、 聞こえるような嫌味。
唯衣は笑って流す。
プロジェクトでの1ヶ月で、 前より強くなったから。
でも、その次の瞬間、 空気が変わる。
「……何?誰の話?」
低い声。
先輩たち、 一斉停止。
いつの間にか、 レオが後ろにいる。
いや本当に、 “いつ来た?”レベル。
しかも毎回。
絶妙なタイミングで現れる。
最初はびっくりしてた。
でも最近、 少し慣れてきた笑
(あ、来た)
って。
レオは、表立って怒鳴ったりしない。
でも静かに怖い。
「仕事で評価されたいなら結果だせ」
「お前の部署は相当暇があるようだな」
笑顔ゼロ。
温度マイナス。
相手、 秒で退散。
そしてレオは唯衣の方を見ると急に声が変わる。
「……大丈夫か」
この切り替え、 周囲いつ見ても震える。
同僚たちなんて、 最近もう実況してる。
「あー出た」 「守護霊レオ」 「唯衣ちゃんセンサーが反応した!」 「半径20m以内なら3秒で来る」
しかも怖いのが、 レオ本人は無意識。
本気で。
「嫌な空気したから来た」
くらいに思ってる。
獣人の勘なのか、 愛なのか、 もはやチート。
でも唯衣にとっては、 すごく安心だった。
だって、 どんなに忙しくても。
どんな場所でも。
レオは必ず、 見つけてくれるから。




