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【完結】真壁レオは今日も重い 〜独占欲強めな白銀狼に溺愛されています〜  作者: ほしよみ
第二章

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新入生歓迎会1 一日目

若葉を揺らす風が心地よい。

窓を開けると

若葉の香りがふわりと流れ込んでくる。


第五統合事業部には、

毎年恒例の「新入社員歓迎会」がある。

一泊二日で会社の保養地へ向かい、

レクリエーションや各課のお披露目会を行う、

部署の垣根を越えた人気イベントだ。

そして毎年必ず囁かれる、

ちょっとした噂もある。

獣人族は人族から見ると

驚くほど容姿が整っているため、

歓迎会の後には特に人族の女子社員の間で、

「人生で一番格好いい人を見た」

「夢のような一夜だった」

といった話が必ずどこかで上がるらしい。

そんな訳で、

歓迎会が近づくたびに、

社内はどこか浮き足立っていた。


歓迎会まであと二週間。

陽向は妙に機嫌が良かった。

新人の仕事は雑務も多い。

資料整理、

備品確認、

データ入力。

「陽向、お前今日も早いな」

「はい! 歓迎会楽しみなんで!」

そう言って、

誰よりも張り切っていた。

本来なら自分の担当ではない仕事まで

「先輩忙しそうだったんで!」

と手伝い、

周囲を苦笑させる。

陽向がいると、

不思議と空気が明るくなる気がした。


そして当日。

バスの集合場所で、

陽向はきょろきょろと辺りを見回した。

空間演出課の面々は揃っているが、

どうしても見当たらない人がいる。

「あの……真壁先輩は?」

尋ねると、先輩社員は少しだけ首を傾げた。

「来ないよ? 白石さん、毎年来ないし」

「白石……?」

陽向は思わず聞き返す。

「真壁先輩ですよね?」

「あっ! あの人、真壁統括と結婚して

名前が変わったんだよ」

その瞬間、陽向の思考が凍りついた。

「結婚……?」

「してるよ?」

周囲の先輩たちは、

まるで天気の話でもするかのように

当たり前の顔で頷く。

「あの二人、昔から特別だったからな」

「な。人族と獣人族が結ばれるなんて

前代未聞だったけど、

あの二人なら納得っていうか」

「……えっ、真壁CEOって獣人ですよね?」

「あぁ、そうだな」

陽向は立ち尽くした。


(人族と獣人族って、

惹かれ合わないはずじゃ……?)


今まで教えられてきた常識が、

目の前で音を立てて崩れていく。

真壁CEOは狼族だ。

そして、真壁先輩は――。

何が引っかかっているのか、

何がそんなに苦しいのか。

陽向は混乱したまま、

先輩たちの輪から一歩、

また一歩と距離を取った。

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