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プロローグ

 俺たち四人は無敵だ。

 少なくとも、俺はそう信じている。

 小学生の俺たちには世界にはまだ知らないことが山ほどある。けれどそれは怖いことじゃない。

 知らない場所があるなら、そこに行けばいい。

 できないことがあるなら、できるようになればいい。

 今日叶えられないことだって、明日には叶えられるかもしれない。

 子供から大人になれば、きっと今よりもっと自由になれる。

 だから未来なんて怖くない。

 むしろもっと早く来てほしい。

 だって俺たちは最強の四人。

 男子二人に女子二人、班分けの先生が泣いて喜ぶ完璧なバランスの四人組だ。

 四人揃えば、どこまでだって行ける。なんにだってなれる。

 

 小田栄は仲間を大切にする男子だ。

 誰かが転べば真っ先に手を差し出して、誰かが泣けば自分のことみたいに怒る。

 家族の話をするときは、いつも少しだけ得意そうだった。

 運動ができて、誰よりも仲間思い。

 そんな小田栄に、俺たちは何度助けられたかわからない。

 

 大川は誰とでも友達になれる女子だ。

 転校生だろうが、上級生だろうが、近所の知らないおばさんだろうが関係ない。

 気がつけば隣にいて、笑っていて、いつの間にか相手まで笑わせている。

 大川がいるだけで、知らない場所が少しだけ自分たちの場所になる。

 

 弁天橋は、頭がよくて物知りな女子だ。

 勉強ができる、なんて言葉だけじゃ足りない。

 俺たちが「なんで?」と首を傾げている間に、弁天橋はもう答えにたどり着いている。

 先生の言うことだって、世の中の決まりごとだって、全部一度自分の頭の中で分解してから理解していた。

 だから俺たちは、困ったら弁天橋に聞いた。

 俺らが知らなくても、あいつなら絶対に知っている。

 

 そして——

 そんな三人をまとめるのが、鶴見。

 つまり、俺だ。

 みんないいやつだけど、それぞれが好き勝手に動いてたら、そりゃバラバラになってしまう。

 小田栄が前を向いて。

 大川が周りを巻き込んで。

 弁天橋が道を見つける。

 だったら俺は、その三人がバラバラにならないようにすればいい。

 ……まあ、要するに。

 俺が四人をまとめるリーダーってわけだ。


 誰が言い出したのかなんて覚えていない。

 でも気がつけば、俺たちはいつも四人だった。

 学校でも。

 帰り道でも。

 みんなで作った秘密基地でも。

 大人になったら何になるか、なんて話をするときだって。

 四人なら、何にだってなれる。

 四人なら、どこへだって行ける。

 そして俺たちの友情は、永遠に続いていく。

 疑うだなんて、そんなの滅相もない。

 根拠? 理由?

 そんなこと、わざわざ説明しなくても分かる。

 だって俺たちは、無敵だから。

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