〜幕間〜 魔女の独り言
王都――グランディア。
その街の片隅の家屋に彼女はいた。
「ん〜あんまし研究に集中できないや」
Sランク冒険者“終焉の魔女”ルミナス――。
ミリアたちと別れた後も王都に残り、魔術の研究をしていた。
「リリシアちゃん元気かな。あの子の魔力、ちょっと気になりすぎるんだよな〜」
ルミナスは独り言を呟きながら魔法陣が描かれた古紙を一枚、また一枚とめくっていく。
窓の外はすでに暗く、部屋のランタンが薄明かりを灯していた。
「それにしても、ミリアちゃんすごかったな。あの破滅の黒龍、倒しちゃうかね…」
ルミナスにはミリアの圧倒的な攻撃力が脳裏に焼きついていた。
「”龍殺しの英雄”か〜〜。かっこいいな〜、私もいい感じの異名が欲しかったな……」
ルミナスは眉を寄せる。
「う〜ん、”終焉の魔女”て…。なんかすごい悪者っぽいし……」
ルミナスの手元の魔法陣が淡い光を発する。
魔法陣からは星屑のように煌めく光の粒が弾け飛んだ。
それを見つめていたルミナスは唐突に閃いた。
「”スターダストウィッチ”!!可愛いかも!なんか正義の味方っぽいし!」
その時、他の複数の魔法陣が暴発する。
ドガァァァァン――――!!
「あいたたた〜」
煙の中でルミナスは頭をかきながら自らの失敗を嘆いていた。
「今日は集中できない日かも……。気分転換に夜の王都の街でも見てこよっかなっ」
壁に立てかけていた箒を手に取り、ドアを開けて外に出る。
静かな路地裏の空気。
夜風が小道を抜けてルミナスの髪を撫でる。
ルミナスは箒に跨り、風魔法を発動する。
箒が浮き上がり、夜の王都の街を空から見渡していた。
「くはぁ〜〜!気っもちぃ〜〜!!」
見上げれば満点の星々が瞬いている。
見渡せば眼下に王都の街明かりが灯っていた。
「はぁ〜、今日はどこに飛んで行こうかな……。気分転換は大事だよねっ」
“スターダストウィッチ”(自称)は今日も悩みを抱えながら夜の王都の空を散歩する。
このドジな魔女とミリアたちが再会を果たすのはもう少し先の話――。
次回から新章突入です。
舞台は帝都――ラドム。
ミリアたちは帝国騎士団が長年追い続けている任務に巻き込まれることに――。
引き続き、よろしくお願いいたします!




