さあ最終回、球児じゃ無いけど締まって行こう!
お酒で眠れたのは最初の頃だけボクの身体は飲酒に対する耐久力も高かった・・・ダーグ達❝爬虫類型人類❞はアルコール耐性に関してだけはボク達❝霊長類型人類❞より劣っていた様だが、それでも❝彼❞のスペシャルメイド・ボディはソノ弱点を克服し耐久力も高く成っていた。
だからボクは軽い眠剤を処方して貰ったのだけど・・・中和剤を入れられて叩き起こされ、眼が覚めると前にはココさんの貌がアップで迫っていた。
「お目覚めのキスを他の人から貰うとミューズに叱られ・・・」
「惚気てるんじゃ無いのっ!すぐにブリッジに来て、緊急事態ナンだから・・・」
ボクは休息用のカプセルから飛び出すとハンガーからアウターを引っ手繰ってブリッジへ急いだ・・・緊急事態と言われてミューズの事が心配に成ったから、ただ早々アイツ等が後手に回るとは思えないのだけど・・・・・
「キッド君!」
ブリッジに入るとジェリスさんも厳しい顔を・・・状況の説明が欲しくて口を開きかけた時、
「これ・・・如何思う?」
ブリッジは作戦指令室を兼ねており日本の某リアルロボットアニメの様に軽い会議や打ち合わせが出来る様に成ってる、この世界ではソレが当たり前の様・・・その為の情報掲示モニターがブリッジの中央のテーブル上にあった。
その上には立体的に表示された星間図(宇宙の地図の事ね)が・・・ボクが寝てたのは10時間足らずだったけど、先ずは後10時間ほどで到着予定だったミーモットの居る領都星が正面に表示されている!
そこから一列で・・・先ずはスターシップに搭載してあった高速ランチが逃げる様に先導を、その後をスターシップが高速ランチに砲撃しながら追いかけている・・・更にファルデウスの外から来た正体不明の一応増援?と領都星から次々打ち上げられる艦隊が互いに攻撃し合いながら、高速ランチとスターシップの後に続いていた!
「こ・・・この状況は何だ?」
あまりの非常識な光景にボクの眼が点に成ってるが・・・・・
「通信いや最早これは放送ですね・・・広域にレプトン通信でバラ撒いてるメッセージを傍受しました!」
自分の席に戻ったココさんが大声を張り上げる!
ココさんが忙しいのにボクを起こしに来たのは。ボクが薬剤を使って特殊な眠り方してるから・・・その心得が彼女に有ったらしい。
彼女が区域通信を繋げると・・・・・
「ひゃ~~~はっはっはっ!」
思いっ切り「ヒャッハーッ!」する奴ナンて初めて見たよアノン君・・・・・
「脅したって無駄ですよ!キャプテンキッドとミューズ姫を人質に取られたオマエ等が、この船を本気で狙い撃つ事なんて出来無いでしょ~~~~~っ!」
うん思いっ切り悪人面と言葉遣い、でも元々童顔なのと背広姿何でアンマリ悪人に思え無い・・・まあコイツが裏切ると思って無いけどね!
その思いっ切り煽りに行ってるアノンさんだけど砲撃は確かに機関部を狙っており、明らかに足留し様としてる様に見得るけど上手く外れる様にタイミングを逃してる。
あの御手本の様な撃ち方は間違い無くミューズ、つまりミューズがスターシップに乗ってる恐らくアノンさんも・・・と言う事はあの高速ランチは無人機なのだろう。
「と言ってもイツ迄も逃げられるとは思えませんねぇ・・・さあ早い所、セリを片付けてしまいましょう!マルドゥース公いや失礼しましたマルドゥース子爵とファルデウスの外から来たお客さん・・・アンタ等のドッチが高い値を付ける?このスターシップから盗み出した船と、スターシップに搭載されてたAIと・・・・・」
思いっきり嘘だと解る嘘を吐いてるのは、ボクに対して「自分が本当に裏切ってません!演技なんです!」とアピールしてるのだろう・・・スターシップのAIであるアリスは盗める様な仕様には成ってい無いからネ!
「AIを盗まれた所為で碌に私の事も追いかけられないらしいですね・・・今がチャンスです!鈍間なファルデウス軍が追いつく前に、この船を高い値を付けた方に進呈しましょう・・・さあドチラが大金を振り込んでくれますか?振込先は銀河連合銀行の特約口座で番号はXXXXのXXXXXXXXXXですよ・・・・・」
スターシップの技術を囮に?
でもソレにしたって食い付きが良過ぎ無いか?
「解ってます解ってます・・・アナタ方の本当に欲しいモノが、こんな船じゃ無い事くらい・・・・・」
アノンの奴ったら乗り捲っているなぁ・・・
「アンタ等の狙いは、この・・・・・」
次の瞬間ボクは凍り付いた・・・ちなみに恐怖や教学では無く呆れて凍り付いたんだ!
アノンさんが手荒く横から手繰り寄せたのは・・・・・
「このキャプテンキッドだろう!」
手繰り寄せられたのは・・・男装したミューズだった!
アノンさんったら演技だからって、ボクのミューズの耳の後ろに顔を突っ込んで・・・
「ん~~~良い匂い、良いでは無いですか♪この際は男でも女でも・・・キャプテンキッドが男か女か、そのドチラかかと言う秘密も一緒に貴方に販売してるんですよ!あぁ落札出来なかった方の入金は手数料を抜いて御返しするので御安心を・・・・・」
如何やら事前に入金させてるらしいが、
「今この場でズボンを下ろしてハッキリさせるのも良いかと思いましたが、この秘密を貴方だけの物に・・・お買い得だと思いませんか?」
おいアノン調子に乗るなよ?
ミューズにベタベタ触るんじゃ無いって、オマエ今ミューズの何処を揉んでいる?
死にたいのかな?
「今ならこの・・・ミューズ姫もオマケに付けちゃいますよ!」
と反対側から手繰り寄せたのは、お姫様っぽい格好をさせられた髪を銀髪に脱色された・・・いや映像に手を加えられてるイリスだった!
「如何やら報道は少し映像を弄ってたようですね!報道でも元々無かったけど更に胸は無い・・・でもそれが良いと思いませんか、しかもアノ皇帝の実の孫!使い道は無限に・・・・・」
うん・・・変態どもが血眼に成ってランチを追い掛け廻している!
この場に爺様が居たらボク以上に理性を失って、アノンさんの首根っこ掴んで引っこ抜いてたかも!
「こ・・・このセールスメッセージを流しながらスターシップから脱出した事にして逃げ回ってたんだね」
「で後ろのは追っかけ廻してる・・・上手く行けばロハで二人を手に入れられるから、でもソレならセリに参加して無いのでは?」
「んな事をしたら最悪キッド君(偽)を殺して逃げられるかも知れないと思ってるんだな・・・そこで落札した後に速やかに譲り受ける様に、奪われない為に追い回してるんだ。まぁ良く考えたモノだ」
ココさんやクランキー大尉が呆れながら言うとジェリスさん、
「あのキッド君の所の新しいスタッフ・・・彼は優秀だよ、見事に変態な悪党どもを上手く手玉に取ってる!セリに参加しいならサッサと逃げて行方を眩ますと彼は言ってるんだよ、力尽くで奪われたら少なくとも奪った側の入金は確保出来るし・・・」
「要は自分が奴等と同じ悪党に見える様に演じてるんだ・・・良い役者だよアノン君」
そう言うとボクは心の中でコトが終わったらアノンさんを半殺しにしたると心に決める・・・いやミューズの胸を揉んだ罪に半殺しじゃ生温い!
なのに・・・なのにアイツはミューズの股間にまで手を伸ばすと、そこに手を当てて揉む様な仕草をしながら!
「ここに可愛いモノが隠されてるか如何か、その秘密が買えるんですよ?その値打ちがそんな程度だと本気で御思いですか?」
ボクからは見えないし知れて無かったけど、この時アノンさんの秘密口座に恐ろしい額の金額が次々振り込まれて行くのだった!
「殺す・・・アノンの奴をブッ殺す!」
そう言ってノーダーの置いてある格納庫に行こうとするボクを、皆が羽交い絞めにして止める。
「まあまあ殺すのはミーモットを片付けてからで良いじゃ無いか♪」
「いやそう言う問題じゃ無いでしょう!」
「そんなに待て無い、今すぐ殺す!」
ボクを羽交い絞めにしながらコントするジェリス艦長とクランキー大尉にボクが漏らしてるとココさんが、
「そんな事言ってる場合じゃ無いですよ!この侭じゃ30分もしない内に接敵しますが、流石に奴等も私達と正面から戦おうとはしない!私達が接近したら踵を返して逃げ出しますよ、勿論ミーモットも・・・・・」
「その位の事が分かんない程、ミューズもアノンさんも馬鹿じゃ無いと思ったのだけど・・・・・」
ミーモットの奴がドンナに馬鹿でも変態でも、自分の命を捨ててミューズを追いかけるほど狂っているとは思え無い・・・と言うよりミーモットが狂ってても当然だけど周囲が止める。
そもそもミーモットの艦隊など百も居ないのにジェリス艦長のロイヤルフェンサー2は4百近い艦隊、この状況で正面からぶつかったって勝ち目の「か」の字も無い筈だ。
「しかし4百近い艦隊とは、地球の規模からは考えられな」
「そりゃ宇宙に進出して無い星の海上艦隊ナンて数十位しか無いんじゃない?」
そう言えばウィキペディアに地球で大きな国の艦隊は、戦時に5~60隻が搔き集められるって書いて有った様な気がするけど、コッチの世界では最終的に数百万って単位の艦船がドツキ合うからね!
「ミーモットの動かせる艦隊は・・・鉱山惑星で20ほど潰したから精々80位しか無い、それに艦船は旧式で練度も低い筈だ」
「それにしたって反逆者の家に100近い艦船を?」
そんなモノ持たせとく事に疑問を覚えるけど、
「これが婦女子だったり相当な愚か者なら近くに置いて馬鹿な事を考え無い様に見て置くのも良い、だけど反逆者に連なった者を国の首都星など国の中枢に置く事の方が危ないんじゃ無いかな?国を奪う程の戦力を整えられずとも暗殺と言う手も有るし・・・だから首都星や主要惑星から離した領地を与えるんだけど、そう成ると辺境に送る事に成るから諸外国からの防衛に纏まった戦力を与えざるを得ないんだ」
そう言う考えらしい。
「まあ君の様に単艦で万単位以上の相手を出来る代物じゃ無いんだから反逆されても潰せる様に、そして諸外国から攻め込まれても最悪敵に一当てして逃げて報告出来るだけの戦力を・・・君の妹がマタ何か変な動きを始めたよ」
ランチはボク達の方に真っ直ぐ向かって来てたけど大きく弧を描く様に転進し始め、ボク達とミーモット達を結んだラインに対し直角に曲がった様なラインに進路を変えた。
「人質が居ると言え我々に正面からやり合いたくないから逃げた・・・と言う感じかな?」
「多分だけどミーモットと諸外国からのオマケの連中は、一瞬だけかも知れないけど続いてくと思う・・・そのチャンスを逃さない様に全艦戦闘準備をしながら前進した方が良いと思います!」
「本当かい?」
ジェリス艦長は信じられ無いと言った顔をしてるが、戦闘準備をして前進を続ける様に指示を出した。
まあボクも普段なら敵が後ろを見せるなんて、そんな事をするとは絶対に思えないけど今回はアノンさんが下地を作ってた。
「ボク達に後ろを見せるのは危険だけどマダ射程距離の外、オマケに高速で逃げ回ってるランチを追い掛けてるんだからロイヤルフェンサー2に追い付かれるとは思って無いんじゃ無いかな?ミーモットは反乱時の戦いに参戦して無いからエルミスⅡシリーズの速さを知らないかもだし、ラグナレクと言うかジュリア級の速さだって更に知らない筈・・・・・」
「それはチョッと拙いかも知れない・・・ヴィダーシュペンスティガー級については性能こそ機密にされてるが、ミューズ様が設計してくれた船だと何処かの孫バカ馬鹿ジジイが触れ回って仕舞って・・・・・」
ジェリスさんも大分爺ちゃんに鬱憤溜まってるな・・・さり気無くバカ馬鹿と2度繰り返してる。
「いくら爺ちゃんの言う事でも信じるてるかな?孫バカの皇帝が大げさに騒いで言ってるとか、実は爺ちゃんが配下の者にテコ入れさせてる・・・そんな風に考えてれば?」
「そりゃ既存の艦より、ちょっと高性能な艦しか造れないと思うかもだけど・・・・・」
ボクはノーダーにポップさんが試験的に造った本格的な対艦装備に換装する様に指示を出す。
同時にクランキー大尉が部下の質問に怒声を上げた・・・ボクがエクセリオンの装備を整えてるので自分達もノーダーで出ると勘違いしてたらしい、ノーダーの乗員って適正持ちが少な過ぎ航宙戦闘機乗りと兼業してる者が多い。
「お前らバカか?対艦戦闘にノーダーで出るなんて変人はキッドだけで十分、コイツの装備だって変人仲間のポップが試験的に造った急増でオマエ達の分は無いんだ!スターシップの変人共が実戦で実証実験を重ねて正式採用されてから・・・ウン変人は言い過ぎた、訂正するから後頭部の銃口をどかして・・・・・」
アンタの後頭部に突き付けたのはココさんから借りた電子ペンだよ!
頭来たからって銃口を後頭部に突き付けるモノか!
「いやキッド君なら・・・何でも有りません」
「如何やらキッド君の読みが当たった・・・・・」
本当に愚かな奴等だ・・・ミーモットも帝国外からの乱入者も全艦が雪崩撃ってスターシップと言うより高速ランチか?
それを追い掛けて思いっ切り転進してる!
「折角チャンスを頂いたんだ!有効に利用させて貰おう・・・敵全艦隊が転進し切ったら、こちらも全速前進で後を・・・」
ジェリス艦長は指示を飛ばすが、それをボクは大声で止める。
「いや待った!ミューズが企んでるなら恐らくもう一度、ランチとスターシップを転進させてボク等に背を向け奴等を引き付ける。それ迄は・・・」
「微速前進コチラは慎重に進軍してる様に見せ掛けろ!」
「情報収集艦が前進、大型アンテナを展開しています。こちらの通信を傍受してるらしく・・・・・」
「放っとけ!コッチの情報は高度に暗号化され簡単に読まれたりしないし、たとえ傍受出来ても解析には時間が掛かる。それよりアンマリ遠くから撃って有効射程距離を教えない様、暫く砲撃も禁止・・・」
ジェリス艦長やクランキー大尉が適確?に思える指示を飛ばす、まあボクは軍人じゃ無いしソレが適確なのかは分かん無いんだけどねw
それでもボクに解る範囲で情報を提供、軍人では無くても船乗りとしては一人前だと思ってるし斬った張ったに関しては色々経験が有る・・・それに何よりミューズの能力と性格はボクが一番解かっている!
「先行してるランチが更に速度を上げて転身、元来た領都星に進路を変えました・・・それに続いてスターシップも、そしてミーモット・マルドゥース子爵の艦隊にファルデウス領の外から来た艦隊も続いて・・・・・」
「奴等も限界に近い速度を出してるから、我々が追い付く事は早々愛と思ってるんだろうな・・・・・」
「よしんば追い付かれても反転して布陣が整えられると思ってるのでしょう・・・馬鹿め♪」
ブリッジの中が笑いに包まれる。
こう言う馬鹿ばかりだと戦争も楽で良いね♪
「成る程・・・ミューズらしいや」
「何が?」
ボクの呟きにジェリスさんが首を傾げ、ココさんが問い掛けながらボクの顔を覗き込んで来る。
「ミューズはマルドゥースの艦隊に降伏する機会を与えてるんだ・・・ジェリスさんの艦隊が全速力で奴等の背後に付けば、艦の中でマルドゥースと縁遠い奴は降伏を検討する者も出て来るでしょう」
「死刑が確実だからミーモット・マルドゥースだけは絶対しない!」
自ら投降して来たので許されたけど反逆者の系譜、それが再度 国益を損ねる犯罪を犯したのだから死刑は免れないのだろう。
「敵艦隊が完全にコッチに背を向けました!」
「全艦全速前進、いつでも発砲出来る様にして奴等の背後に喰らい付けっ!遅れた艦の艦長は遅刻の罰金で金貨一枚徴収、それで遅れなかった艦に褒美に一杯奢ろう・・・・・」
いや聞こえた訳じゃ無いけど同僚艦達からワ~~~ッ!って歓声が沸き起こった様な気がするんだけど!
「おいおい・・・ラグナレクが遅れ気味じゃ無いか?」
「いくら競わせてるからって陣形は崩すんじゃ無いぞ!」
艦隊が凄い勢いで固まって防御陣形を取りながら敵対勢力に接近して行く・・・あまりの速さに敵が狼狽えてるのが解る程、そして陣形を崩しながら転進しコチラを迎え撃とうとするが・・・・・
「先行するランチとスターシップが転進・・・嘘だろ速過ぎるだろ、しかもその侭スターシップは後退しながら艦砲射撃を開始しました!」
一定の距離を取りながら敵に打撃を与え必要以上に接近しない、艦隊戦のセオリー位はボクもミューズも心得ている。
「ただランチはそのまま前進していきますが・・・あの侭じゃ敵の艦隊の中に突っ込むぞ?」
あっ・・・大体ミューズが何企んでいるか判っちゃったな!
考えて見りゃ奴等はランチが味方では無いにしろ、まさか最初っからボク達と通じてるなんて思って無い筈だ。
そして多分あのランチには誰も乗って無い、だけど奴等は裏切り者のアノンさんと攫われたボクとミューズが乗ってると思ってる。
そこへボク達とロイヤルフェンサーが現れたら自分達に合流し様としても不思議には思わない、勿論ボクとミューズを手に入れる為に・・・そうして中に入り込んだ誰も乗って無いランチの利用法は?
「ランチが爆発を・・・艦を何隻か巻き込んで誘爆しながら奥に・・・・・」
「アレは・・・」
「派手だなぁ中性子爆弾だろ?」
真空中で爆発しても空気が無いから衝撃が伝わらず他の船に被害が出ない何て言った馬鹿が居たけど、実際に巻き込むだけの気体や質量それに飛び散る残骸に周囲の艦が数隻巻き込まれる。
「真空で無重力じゃ飛んで来る残骸も勢いが減退しないし・・・・・」
「あぁマタ一隻・・・シールドで防御出来る量じゃ無いんだアレ!」
「でも流石に巻き込まれて轟沈する船も居ないな・・・まあミューズ様はそう仕向けてるんだろうけど。
敵艦はダメージを覆いながらも爆発四散まで言って無い、だけどコレは何時でも沈められると言う強力なメッセージで・・・だがボクはミューズの読みが甘かった事を見付けて仕舞った。
「ジェリス艦長・・・全力戦闘の用意を」
これで敵が降伏すると他の人は読んでたみたいだけど、そう簡単には行か無い事とボクとジェリスさんは読んでる。
「ミーモットを殺さ無かったのはミューズの判断ミスだよ・・・ミューズはトップが死んだら降伏する奴がいなくなると考えたんだろうけど、この場は無理してでもミーモットを殺すべきだったね」
「奴は生き残ってるのか?」
クランキー大尉が呟く、即はミーモットの座上艦は健在なのを見付けてたんだ。
「これはミューズ様も詰めが甘かったな」
ジェリスさんが言うけど、
「ボクやミューズが軍人じゃ無いからね、そう言うの求める方が如何かと思うけど・・・確かに今回ミーモットを生かして置くのは失敗だった。一番上を殺すと停戦させる者がいなくなると思ったんだろうけど・・・・・」
「奴は死刑が確定してるから往生際悪く見苦しく抵抗する、ほら現に奴は配下の者にコチラへの攻撃を支持し突入を命じる通信を飛ばしまくっている」
するとスターシップも後退を止めて加速しながら前進、如何やら何時もの高機動宙間格闘戦に移行する様である。
「判断が甘いとは言え無い・・・判断ミスと言っても増援の方が降伏する可能性だって有ったんだから、でもこれでボクも見せ場が出来たと・・・・・」
ヘルメットを取ってブリッジから出てこうとする。
「やっぱりノーダーで突っ込むのかい?」
「恐らくミューズだって、この甘温い攻撃じゃ敵が降伏しきれない可能性は考えてた筈・・・それでも決行したのは出来る限り的でも殺したく無かった、それで降伏されなくても自分が責任を取って戦い抜く気でね。ならボクは❝お兄ちゃん❞として可愛い妹の望みを叶えてやらなきゃ!」
ジェリスさんは呆れ顔で溜息を吐きながら、
「そう言って旗艦まで突っ込むんだ?」
「確実でしょ♪」
背後からジェリスさん達の「そう言う問題じゃない!」と言う反論が聞こえた。
エクセリオンのコクピットに乗り込むとココさんから通信で、
「ミューズちゃんキッド君を見習ってスターシップで敵艦隊に突入して中で暴れ廻ってる、危ないから止めさせる様にキッド君から言わせろってウチの大将が・・・言う気ある?」
「無いよ!そりゃミューズは優しいから戦闘には向か無いけど、戦闘時に敵に情けを掛けて自分がやられるような馬鹿じゃ無い。それに腕はボクに匹敵してるし早々的にカモられる事は無いと思う・・・だから好きにさせて上げて♪」
データを送って貰ったけど以前と違い全て自分で熟そうとせず砲撃は仲間任せ、そして自分は操船に集中その上で偶に砲撃にも参加してるから良いタイミングで敵に大ダメージを与えている。
「これなら・・・今後はスターシップをミューズに任せ、ボクはノーダーや航宙戦闘機で外で暴れ捲る戦法が取れそうかな?」
「怖い事言わないでよ!」
すると敵艦隊を突き抜けたミューズは此方に、そしてロイヤルフェンサー2艦隊の前で再度反転すると合流し遠距離で艦隊砲撃戦に加わった!
「こう言う戦い方に関してはボクより完全に上だな・・・おいミューズ聞こえるか?」
「お叱りとお仕置きは戦闘後に・・・・・」
いや叱る気なんて無いんだけど・・・アノンの奴以外は!
「いや別に怒って無いけど・・・いやそんな事は如何でも良いけどオマエ艦隊の先頭に陣取って・・・・・」
「対処はしてあるよ」
制宙権を確保する気なのだろう・・・スターシップから艦載機であるアイアンイーグルが射出され、カタパルトで飛び出すとスターシップの周囲で敵艦載機に攻撃を開始する。
同時にカブリヌスも射出されスターシップの周辺警護を、なんか最近ミューズの方が艦長に適してるんじゃ無いかと自信を無くして来た!
「合格以上だよミューズ、そのまま後退してロイヤルフェンサー2と一緒に・・・・・」
「お兄さまは・・・聞く迄も無いですね、安全にだけは気を付けて下さい」
ボクはモニターに映るミューズにキスを投げながら、
「晩ご飯までには帰る、愛してるよミューズ♡」
「わ・・・私もです、いってらっしゃ~~~い♪」
ミューズもキスを投げ返してくれると開放してるコクピットの横に居たポップさんとクランキー大尉が、
「ガキの癖に歯の浮くようなセリフを・・・・・」
「こう言うのキッドさんの世界で爆発しちまえって言うんでしたっけ?」
楽しく盛り上げてくれた。
「さてと真面目な話だ・・・お粗末ながら連携は取れてるが敵は混成艦隊、ミーモットの数百に国外から侵入して来たエイリアンが1万・・・・・」
「最悪ミーモットの口だけは塞いで、自分達が人身販売の注文者に成った事を有耶無耶にする気だ」
腐った奴等だ!
「そんな事させないよ・・・それに気が付いてるのかミーモットだけは離れて布陣してる。ミューズ、パインさん達の艦隊と一緒に・・・・・」
通信にジェリスさんの声が割り入って来た。
「ウチからも応援を出すからミーモットはミューズ様にお任せします」
「そして敵の艦隊は・・・・・」
国外から来た乱入者は最低でも5つの勢力から来たのが通信の解析で分かっている。
「この5つの勢力ごとの旗艦をボクが潰すので、包囲した残存勢力に攻撃しながら投降を呼びかけて下さい・・・ハッチを閉めますよ」
そう言ってポップさん達を追い払うとクランキー大尉が、
「これは持ってけ・・・あくまで予測だが敵の旗艦である可能性が高い」
ラグナレクからデータをダウンロードしてからハッチから離れる。
「アリガト♪じゃあボクは出ますね・・・発艦オフィサーへ、キッドです出ますよ!」
ボクはポップさん達に礼を言ってからハッチを閉め、そして通信機で管制塔に出撃を告げる・・・するとノーダーを移送するアームがエクセリオンの肩部バーに伸びて来た。
その途中でポップさんとクランキー大使が何か話してるのが見えたので収音マイクを作動させ会話を拾うと・・・・・
「んな事言ったってキッドが中に飛び込んで暴れ始めたら・・・」
「そりゃ奴等も大慌て人食い鮫サイズの白アリが中に入って来たんだから!」
失礼な事言いやがって・・・ボクはエクセリオンの細かい作業をする為の端末を起動・・・・・
「こちらスターシップのアリスです。エクセリオンのAIと接続終了・・・一体ナニをしてるんですか」
呆れた感じで・・・
「外部収音のマイクが起動してますね?ログを解析・・・全く程々にして置いた方が良いかと思いますよ」
ボクはバーニアスラスターが二人の方を向いたタイミングで、流石に吹かさなかったけど中に溜まってた水蒸気を噴き出した!
「キ・・・キッドさんに聞かれてたみたいですね・・・・・」
「畜生キッドの奴っ!オイ危ないから早くハッチを・・・」
ボクはハッチを開けて上半身を乗り出しアッカンベーしてから再びハッチを閉じると隔壁が開き、エクセリオンを気密区画に・・・そこで空気を吸い出されて真空にしてから宇宙空間に放たれるのだ。
「真空化完了・・・外部ハッチ開放します・・・・・」
宇宙に繋がるハッチが開きアームがエクセリオンを甲板に移動、そこからは徒歩で艦砲の横に伸びるカタパルトに自力で移動・・・航空機とか航宙機と違い自分で歩いた方が早いからね。
「エクセリオンは前傾姿勢を取って下さい・・・電磁カタパルトは現在チャージ中、忘れ物は大丈夫ですか?」
「リンさんも何気にボクを子ども扱いするよね・・・まあ子供なのは事実だけど・・・・・」
ラグナレクの発艦オフィサーの女性に軽口を叩きながらボクは前傾姿勢を取る。
この世界と言うか宇宙戦闘では戦闘機は打撃力が不足な為に重要度が低下、その為に空母と言う存在が無くなった訳じゃ無いけど影を潜め大型の戦艦や重巡洋艦が役割を担っている様だ。
と言ってもノーダーにも対艦戦における打撃力を有する様に成ったのだから、戦闘機も出番が・・・・・
「無理でしょうね?」
アリスから突っ込みが入る。
「何で?」
「戦闘方法が違い過ぎます・・・高速で飛び廻りながら攻撃する戦闘機は、敵のバリアシールドを掻い潜って有効な攻撃を与えられません。ノーダーの様に敵の艦体に取り付いて攻撃するなら未だしも・・・・・」
その理屈ならノーダーだってと思うだろうけど、超高速で飛び廻る航宙戦闘機はアンチバリアシールドを張ってても敵のバリアシールドに突っ込んだ段階で機体が耐えられず爆散する。
じゃあ敵のシールドに当たる直前で減速と考える人も居るけど、その瞬間に敵から対宙攻撃を食らって撃ち落とされるがオチだった。
なら何でノーダーなら大丈夫なのか・・・鈍いなら撃ち落とされるだろうと思われるだろうけど、この世界の戦闘機も前進は早くても他の動作は遅い、下手すると後退出来無い機体迄ある。
だけどノーダーは全周囲どの方向へも即座に移動出来、各方向への転回も一瞬で済む・・・実は対艦戦闘に革命を起こしかねない代物だったのだ!
「それを証明する為にも今回の戦闘で・・・」
とポップさんが割り込んで来たが・・・
「チャージ終了、いつでも出られます!」
「エクセリオンOK、オールクリア・・・射出お願いします!」
「戦果を期待します・・・幸運を、射出3カウント・・・2・・・1・・・射出っ!」
アニメほど大袈裟じゃ無いけど、それでも中々キツ目のGが正面から掛かってエクセリオンは星空の中に射出された!




