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状況を説明する・・・

「つまりスターシップのAIがミューズ様だったと?」


 ビジーズ大将が言った。


「正確には制御管理AIがアリスで、そのオペーレーターがミューズなんだ♪」


 ボクはモニターを操作し、スターシップ内の格納庫に有る航宙戦闘機アイアンイーグルを映し出した。

 そして胴体下の増槽・・・補助燃料タンクをアップし次いで内部を表示、その中には薬液に満たされ全裸のミューズが浮いている。

 作業はドローン任せだけど分解改装中のスターシップから、AIを移動させた際にミューズも一緒に移動されていたんだ。


「な・・・何するんですかっ!お兄さまのHっ」


 怒られて仕舞った。

 だが姿を陛下に見せとか無いと・・・他の人も居たね、そう言えば。


「お爺ちゃんばっかりだし良いじゃ無い?」


「駄目ですっ!すぐ消してェ」


「ハイハイ」


 ボクはモニタを操作し、カプセルの中で眠ってるミューズの身体の映像を消した。


「わ・・・私はお爺ちゃんにはマダ・・・・・」


 ジェリス艦長は不満がある様だが、それより陛下が迫って来た。

 胸より下は映らない様にしたんだけど、駄目だったかな?


「ミューズは生きておるのか?」


 ソッチか♪


「立派に生きてます♪ミューズ、肉体の修復率は?」


 ミューズは計算し解答する。


「ほぼ99.87%修復済み、でも残りの0.13%が・・・・・」


「脳基幹部ナンだよね」


 全く頭が痛かった。


「こうなった以上、最初から全て説明して貰いたい。良いかな?」


「良いですよ♪ミューズから・・・」


「お兄さまからお願いします・・・私より冷静に説明出来ると思います」


 OKでは僭越ながら・・・・・




 ミューズの余命宣告が残り一か月に迫った時、まあ勿論だが宣告された日時ピッタリに死ぬ事は無いだろうけど、それでもミューズは死の恐怖と戦っていた。

 同時に彼女の境遇を自分の責任だと思い詰めている皇帝陛下を見て悲しみ、何度も「陛下の所為じゃ無い」と励ましていた。

 だが確かにボクが同じ立場でも自分を責めただろうね。


 そんな折に陛下がミューズにプレゼントしたのが普段は虹色に輝き、しかし人が触れると一瞬で色彩が消える不思議なガラス板だ。

 この先古代文明遺跡から出土品は、普通の人には綺麗なインテリアに過ぎない。

 

しかし先文明の住人と同じ精神感応能力者(テレパシスト)には話が違ってくる。


 そう先文明は精神感応能力(テレパシー)で栄えた文明だったのだ。


 能力の差は在れ先文明人には全員テレパシーが備わっており、あらゆる文明の利器がテレパシーに対応していた。

 ミューズの部屋に有ったガラス板❝教科書❞ですらも・・・それに触れるて勉強する訳だが、ボクとミューズにはテレパス能力が有って、強制的にお勉強させられた訳だ。

 しかも安全装置が壊れてたので、3教科それも1年分の授業を一瞬で詰め込まれてブッ倒れたけどね!


 まあソレは置いといて中に入ってたのは❝初等社会❞❝初等政治経済❞❝宙理(宇宙版の地理)❞の3つの教科であった。

 それを学んだミューズは先文明の医学なら、自分の身体を修復出来る事を知って仕舞った!

 そして宙理でその場所も・・・彼女が旅立ったのは自分の身体を修復し祖父を喜ばせる為、黙って出たのは心配し危険な旅に付き合わせたり止められるのを防ぐ為だった。


 そして彼女は黙って人知れず旅立ったのだ。




 陛下がプルプル震え、ミューズがビクビク怯えているのを感じられる。

 陛下は兎に角ミューズの反応が面白い、モニター越しに怯えてるのが分かるとは♪

 本来なら祖父として、心配かけたミューズにカミナリの一つ落とす権利は有る。

 だが、


「陛下、ミューズを叱るのは止めて下さい。ミューズが一人黙って旅立った事に付いて叱責されねば成らない人が居るなら、それは彼女でなく貴方なんですから」


「何故だ?」


 少々怒りを滲ませながら陛下が言った。

 だがボクも❝その程度❞で怯む様な可愛い性格をして居ない!


「死の恐怖に怯え、悲しむ祖父の姿を見せ付けられ、彼女の精神は限界まで擦り減ってました。そこへ貴方が危険物であるガラス板を持ち込んで、我々より進んだ文明の人々が一年かけて学ぶ学問をホンの一瞬で頭脳に書き込まれたんです。身体も精神も弱り切った状態で・・・当然彼女がエルミスに乗り込んだ時、マトモに考えられる余裕も状況でも無かったんですよ」


 そのとき彼女は「生き延びたい」と言う本能と「祖父を悲しませたくない」と言う欲望のみで動いていたんだ。


「それは・・・済まなかったなミューズ」


 爺さまは搾り出す様に言った。


「こちらではミューズが旅立って10年以上経ってますが、ミューズが実際に旅をしてたのは1~2年に過ぎません。ミューズが超えた次元の先、つまりボクの生まれた次元とは時間の流れが違うようです。その時の事をこれから説明いたします」


 ボクは話を続ける。




 ミューズ姫の生い立ちは悲劇として舞台に出来る物語だったが、自由に成っても彼女の悲劇は続いた。


 次の悲劇はワープに関してだった。


 先ずワープに関しておさらいすると・・・我々の住むこの世界は、違う世界が無限に連なっている。

 別次元・異次元・パラレルワールド・異世界・・・等々様々な言い方がある様だが、それ等は亜空間と言う時間の概念の無い世界を間に挟んで存在する。

 そうワープとは時間が流れて無い亜空間を航行する技術なのだ。


 亜空間とは非常にエネルギーの圧力が激しい場所で、この世界のワープでは表面を滑る様に移動してるに過ぎなかった。

 ところが先文明人達の船は平気で深い部分にまで潜り、下手をすると亜空間を突き抜けて別次元まで渡り移動する。


 そうミューズは先文明人達と同じ航路を辿り、彼等ほど技術が進歩して無いエルミスで亜空間を突き抜けようとした。

 それがミューズ第2の悲劇だった。


 当然エルミスは耐えられる筈も無く、ボロボロの状態で何とか生存可能な惑星に不時着した。

 それが地球、ボクの住んでいた星だった。




「あの時は本当に驚いた・・・」


 今思い出しても身震いしてしまう・・・なにせ全長200mを超える、巨大な火の玉が空から落ちて来たのだから!

 地球では隕石か何かと勘違いされ大騒ぎ、同時にボクの乗ってたヨット以外にも数隻沈んだモノの、()()()()の人的被害が無かった事が謎として語られた。

 まあ200m級の隕石が落ちて来たら、本来は爆発や直後の大津波で周辺は大被害を喰らう筈だ。


「その節は大変ご迷惑をお掛けしました」


 ボクは船ごと火の玉いや墜落したエルミスに巻き込まれ、海の藻屑と消え・・・た筈も無く、エルミスの緊急収容ゲートから船内に取り込まれ、太平洋の底に沈んで休憩する事に成った。


「ご家族や御親族は心配されたんじゃ」


「それは無い!心配したのは友人だけ、まあ一部の政治家や公務員は別の意味で心配しただろうけどね」


 実はボクも結構複雑な事情の境遇だった。




 祖母と母が相次いで亡くなった。

 それは良・・・くは無いが二人とも病死、運命だったのだから仕方が無いだろう。

 問題は親族の叔父一家だった。


 母はボクの高校大学の学費と生活費に十分な保険を残してくれた。

 だが叔父は勝手に祖母の遺産を処分したうえ、母から借りた借金も返さない人物だった。

 危険なので叔父に引き取られたくなかったが、小学生の言う事など聞いて貰えず、無理矢理叔父に引き取らされ保険を全て借金の返済に使われて仕舞った。


 それが露見した時、叔父が言ったセリフが忘れられない。

 「残念だが手遅れ、使っちまったよ」だとさ・・・ボクは無理矢理に叔父に引き取らせた役所、曳いては国の責任であると主張し裁判を起こそうとしたが、小学生の身では満足に行動を起こせなかった。

 裁判に必要な後見人を起こす所から邪魔されたのだ。


 そこでボクは「この件に世間の注目を集めて世論を動かそう」と考えた。

 ボクが幼い頃に死んだ父親が残した手作りのヨットで、出国の許可も取らずに報道機関にのみ通知して、太平洋を横断しようとしたのだ!


 まあ大騒ぎには成った♪


 国のメンツは丸潰れ、連日ヨット周辺には各国の報道機関のボートやヘリコプターが飛び回る。


 海保の巡視船?それとも海上自衛隊?

 それらが船を止め乗り込もうとするが、ボクはスキューバダイビング用の鉛の錘を腹に巻き付けて抵抗する。

 脅した訳じゃ無いが、その姿でニッコリ笑うボクに意図は理解して貰えたと思う。

 これでボクが死んだら責任問題に成るんじゃない・・・とネ♪


 ボクが落ちた時の為ダイバーも準備し控えていたが、錘を背負って沈むボクにダイバーの助けが間に合うのか?

 間に合わなかったら、それこそ世論は大騒ぎだ。

 奴等は結局、手が出せなかった。


 そんな時にエルミスが墜落し、ボクは死んだ事に成った。


 エルミスの機器で情報を集めたが、叔父は特別何とかという罪に問われて収監、その後もネットで素性を公開され酷い眼に会っている。

 地球の放送を受信するアンテナを置いて来たので、コチラに来るのに次元を超えるまでは情報収集出来たのだ。

 面倒臭がってボクを叔父に引き取らせた役人も同じ運命を辿っているらしい。


 友人には連絡を取ったが、ボクは社会と繋がりが途切れたのでエルミスの修理を手伝っていた。

 必要な素材を各国を巡って購入し集めてた・・・がドコとは言わないが、欲深い国がエルミスに気付いて奪おうと騒ぎに成ったりもした。

 その時に一人で戦ったのが先程の、ミューズにオシオキされて仕舞った話なのだ。


 その後ミューズはボクを地球に残し、1人宇宙へ戻ろうとした・・・この先の航海が危険だからと言うのが理由だった様だ。


 まあ逃がさないけどね♪

 エルミスに積まれてた航宙戦闘機を勝手にコピーして取って置いたのだ。

 そんな予感がしてたんだ・・・来ない方が良い、危ないと散々煩い程クドく言ってたから!


 酸素が付きかけたが火星軌道上で無事に追いつき、エルミスに乗り込んでミューズが泣くまで尻を引っ叩いた!

 その時に2度と嘘は付かないと約束させたのだ♪

 でボク達は先文明人を探す旅に出たのだが・・・・・




「キッド君・・・気持ちは分かるが、嫁入り前の幼い娘の尻を叩くのは如何かと思うぞ?」


「彼女を一人で旅立たせた方が良かったですか?彼女が二度と危険な事をしない様、思い知らせるのに仕方のない処置でした」


「彼女は皇族つまり皇女ナンだがね!」


「申し訳ありませんが、たとえ陛下でも悪い事をしたら叱り付けるのがボクの流儀です。女の子だから傷が残る心配のないお尻叩き、男が相手なら顔面に一発入れますよ」


 ボクは陛下が相手でも安定の通常飛行です♪




 彼女の容体は悪化してたが健気にソレを見せず、またソレをボクには教えてくれなかった。

 まあ知ってたらボクもミューズの尻を引っ叩くなんて出来なかっただろう。

 それがボクに知らされたのは目的の星まで辿り着いた時で、この時点で彼女の余命宣告から既に半年オーバーしていた。


 彼女の息がある内に辿り着けたのは幸運だったか・・・いや第3の悲劇の始まりだった。

 その文明はアチラ側つまり地球の在る世界でも滅んでいたからだ!

 悲しそうに諦めの言葉を漏らすミューズと、あくまで運命に(あらが)うボクと・・・そこで女神はボクに微笑んだ。


 文明は滅んでいたが最後まで生き残っていた人が、自分の精神と英知をAIに残し生き残っていてくれたんだ。

 ボクは彼に既に手遅れ一歩手前のミューズの治療を依頼する。


 だが彼のAIも限界を迎えていた。

 ミューズを助けるのに必要なエネルギーは、彼の残したソレを全て使う事に成る。

 つまりミューズを治療した時、同時に彼は死ぬ事に成る!


 だが彼は・・・


「このまま生き残っててもオレは十数年しか持たない。ならオレの命でカワイイ女の子を助ける方が有益だろ?その代わり・・・オマエはオレの後継者として、オレの残した英知を引き継ぐんだ。それがオレへの報酬だ!」


 そう言って彼はミューズを助け、そして死んで行った・・・だが彼でもミューズを完全に助ける事は出来なかった。

 それでも道筋は彼が示してくれた。

 やり残した彼の仕事を引き継ぎ、ボク達はコチラの世界に来た!




「それだけじゃ無いでしょっ!」


 カワイイ声でミューズに叱られる。


「な・・・何の事です?」


 ジュリア中佐が恐る恐る聞き返した。

 膨れる彼女の怒りが凄まじい。


「人の身体は肉体と精神エネルギーで構成されてるんだけど、先文明人達は精神エネルギーの力が強く、AIや人工身体に心つまり精神を移す事も可能、だけどテレパス能力の低い現代人にソレは殆ど不可能なんだ。だから・・・あくまで肉体を修復する必要があるのに、ミューズの身体は奥の方で修復が不可能なほど壊れていた」


 仕方なくボクは説明した。


「ですが何故か、お兄さまは非常に強い精神エネルギー体を御持ちだったのです。AIや人工の身体に心を移動できる位に・・・そして私は適性が有ったモノの、お兄さまほど高い能力は無く精神の移動は出来ませんでした。更に私の身体が完全に修復出来なかった理由は、修復に必要な素材が不足してたのです!」


「じゃあ・・・まさか・・・・・」


「そのまさかです」


 ミューズに言われて仕舞う。


「あの方の施設には、一体の人工ボディ(クリーチャー体)が残ってました。彼はAIの方が施設の管理にも便利だと使わなかったのです。その身体を生前のお兄さまに模して造り変え、心を移しました。そして私の身体は・・・お兄さまの身体を使ってココまで修復したのです!」


 ア~ア~、言っちゃった!

 気を使われたく無かったから秘密にしたかったのに、先に口止めしとくべきだった。

 いやミューズは結構強情な所が有るから、こればかりは公表したかも知れない。


「チョッと待ってくれ、彼の姿はミューズを模したモノじゃ無いのか?」


「お兄さまの本来の姿です」


 モニターに映されたのは東南アジアのビーチで撮ったモノで、確かにボク達は元々良く似てる容姿をしていた。

 ボクの方が若干だが身長が高く、今と同じくらい長い黒髪に黒にしか見えないほど濃い鳶色の眼、それに対し地球ではミューズの眼と髪の色はカラコンと染めた事にして誤魔化した。


 ただし・・・あくまで良く似てると言う程度でしか無く、実際は並べれば別人である事は判別出来る。

 それでも誰が見ても兄妹にしか思えなかっただろうけど♪


「ミューズさん・・・ボクの容姿を勝手に弄った理由は?」


 ボクは例のボールを手に取る。


「そっ、それはその・・・ゴメンなさい、単なる悪戯です!だってお兄さまの身体は自分でカスタマイズ出来るから、すぐに何時でも戻せるじゃ無いですか!」


 全く困った奴だ・・・まあコノ程度でボールを使い、お尻を擬似的に叩くのは勘弁してやろう。


「そして彼の残した英知を駆使し、残っている施設を総動員して造ったのがスターシップなのさ!エルミスに似てる筈だよ、ボクが実際に触れた宇宙船はエルミスしかないんだから!」


「先文明の生き残っている遺跡がある可能性を求め、コチラの世界に帰って来たのです。私の身体を完全に修復する為に・・・・・」


 これがボク等の旅の顛末だった。


「ところが亜空間を跳躍する際、電磁波嵐が起っちゃっててね!その所為で精神防御シールドが欠損し、ボク等の記憶が一時的に引き出せなく成ったんだ」


 と言う訳でした。

 ジェリス艦長が気に成ってた事を聞いて来る。


「そんな進んだ文明が何で滅びたんだろう?」


「戦争だってさ・・・さっきも彼等は精神エネルギーが強力で、テレパスで栄えた文明だって言ったでしょ、そのテレパス能力が強い一部の人間が❝A級人民❞を名乗って圧政を敷いてたんだって。それを残りの92%の人民が反乱を起こし最後は滅んだんだ」


「そんなに進んだ文明でさえ、下らぬ選民意識を持つ者が・・・愚かな」


 ウェルム少将が呟いた。




 夜に成ったが寝付けず、ボクは庭に出て見る事にした。

 空は満天の宇宙空間、アイスコフィンと係留された艦船群が光のデコレーションしている。

 ふと気が付く・・・誰かがガーデンチェアに座って寛いでいた。


 陛下に手招きされたので近付いた。


「飲むかね?」


「残念ながら、マダ美味しいと思える身体に成長して無くて♪」


 ボクは正直に答える。

 テーブルの上には陛下の分以外に、もう一客のグラスにワインが満たされていた。


「大事な孫娘を救ってくれた、もう一人の恩人の名を聞くのを忘れてたんだが・・・・・」


 彼が切り出した。


「残念ながら最後まで名乗りませんでした。名を遺すのは俗物、オレは足跡を残すだけで良いと言い続けてね」


 彼の行為は英雄と呼ぶに相応しいだろう。


「世界は広いな・・・マダマダ素晴らしい男が大勢いるよ」


 彼はグラスを高く掲げた。

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