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世界最強、その名はランクNo.0彡☆  作者: パタパタ
魔王編
32/166

船の上のゴンザレス①

 世界最強と呼ばれる存在がいる。


 曰く、全てを見通す千里眼を持つ大軍師。

 曰く、万の敵すらも打ちのめす大将軍。

 曰く、病の悉くを治療して人を救う聖者

 曰く、元男でも関係無く愛せる慈愛の人

 曰く、最強にして無敗、世界の叡智の塔に刻まれるランクNo.1も超えた最強ランクNo.0


 だが、その正体は一切不明。

 男か女かオカマか、年齢も不詳なら、生まれも公爵家の捨て子だとか転生者とか生まれながらの救世主だとか、数え上げたらキリがない。

 それら全てを合わせて、誰も見たことがないという。


 それが、世界最強ランクNo.0





 旅行けば〜。


 どうも、アレスです。

 そろそろゴンザレスに戻して、平和に生きたい気もします。


 詐欺師です。


 この肩書きも最近、無理がある気がします。


 今、船の上に居ます。

 俺の隣には、年の功は10代後半といったところ。

 亜麻色の髪を肩まで伸ばし、綺麗より可愛い系の女。


「あるじ様。もう2日程で目的のメーべ島に着きます。

 そこで買い出しをして、目的の物を揃えたら、エストリア国のカストロ公爵領に帰りましょう。」


 俺をNo.0と勘違いして、あるじ様と呼ぶ世界ランクNo.8の危険な女。

 会った当初に剣で殺されかけて、ずっと俺にとって、恐怖に対象だ。


 俺は遠い目をする。

 あー、メメちゃんに会いたい、、、。


 見渡す限りの海、海、海。


 逃げ場ねーなー。


 ちろっと女を見る。

 田舎っぽさが抜け、更に可愛くはなっていたが、いかんせん怖い!


 後、それなりに大きな船に乗ってるんだけど、これウチの船らしいんだぁ。


 ねえ?誰か教えて、『ウチの』って何?


 俺、ただの詐欺師よ?

 いつから船抱えるような大物になったの!?


 、、、まあ世界ランクNo.8ともなれば、そんぐらいの規模の人ぐらい動かせるわな。


 あれ?でも最初こいつ、国失って1人でウロウロしてなかったか?

 あー、まあ、あん時は帝国に狙われてたからな。


 今は仲間と合流したんだろ。


「しかし、流石ですね。あるじ様。


 ついには帝国をも操ってみせるとは。カストロ公爵への支援が国を越えて、帝国からも届くようになりました。


 お陰で、このような船の手配もスムーズに行えました。」


 あー、あー、聞こえなーい。


 必死に現実逃避しているんだから、変なこと言うんじゃねー。


 俺の常識がガラガラ崩れて、まるで俺がカストロ公爵で、この船の持ち主で、本当に世界ランクNo.8の化け物のあるじみたいに言うんじゃねー!


 、、、怖くて止めれねーけど。


 俺は暇を持て余して、船の上から釣り糸を垂らしながら、全く興味はないが、女に聞いた。


「それで?その島とやらには何を求めて行ってるんだ?」


「魔王討伐に使用する秘宝グニルニグムが、そこにあるとか。

 もっともそれについては期待薄ですが、後は火と水の魔石から作る宝珠ですね。


 我が領は、あるじ様の采配のおかげで、何処よりも魔獣被害は少ないですが、それでも全く被害が無いわけではありませんので。」


 ふーん、と俺は関心無さそうに。

 実際、あるじ様とかこの女は言うが、俺の領地でも無いし。


 そんな感じなので、俺は変わらず気のままに思うことを言う。


「追い込み漁みたいに出来れば、魔獣は立派な資源なんだけどな。」


「え?」


「だーかーらー、追い込み漁。


 魔獣に追いかけられたけど、アイツらそんなに頭良く無いだろ?


 山の土砂崩れとか気にせず、ドタドタ目の前の餌に向けて突っ込んでくるし。


 潤沢な火の宝珠とか水の宝珠とか使って、罠にかけて狩ることが出来たら、素材とか良い材料になるだろ?


 エール共和国の冒険者とか、それで稼いでいるんじゃ無いのか?」


 違うのか?と女に聞く。


 女は真剣な顔で、顎に手をやり考え出す。

 場所は何処が良いでしょう?と聞かれた。


 知るか!

 と言いたいが怖くて言えん!


 女はまるで、俺からの指示を待っているかのように待っている。

 マジで待ってんの!?


 この熱い視線が普通の女からのものなら、直ぐにベッドへゴーなんだがなぁ。


 あの俺を拉致した領地なら、、、。

「平原から、山の方に向かって急に窪地になってる場所あるだろ、あんな感じのところじゃねぇの?やるなら、だけどな。」


 この女もなぁ〜、変な凶暴性とか執着心とかなけりゃあ、ふっつうに上等な美人なんだがなぁ、、、。


 手〜出したいけど、出したら最期、No.0じゃ無いとバレた瞬間にズンバラりんだろうな。


 バレなくても、この女の感じなら、それこそ他の女と関係持ったりしようものなら、俺ごと殺して、私も死ぬ!とか抜かしそうだし。


 あー、やだやだ、逃げたいけどこの女の船の上〜(断じて俺の船ではない!)、アチキ囚われのゴンザレス。


「バーナード船長!」


 女は髭面の海賊風な船長を呼び、何かを話す。

 海賊風船長は頷き、海賊風部下に鳩を連れて来させて、女が渡した手紙を括りつけ飛ばしいる。


 ねえ?君まさか、ボクちんが言った話を、真に受けてないよね?


 聞いたこと無いよ?

 魔獣を狩って特産物にするなんて。


 、、、まあ、いいや。

 他人事だし。


 あ、でも、俺のせいにするなよ?

 俺は適当に言っただけだからな?


 聞いてるか?


「分かっております、あるじ様。

 全てはあるじ様の思し召しのままに、如何なる結果もあるじ様のなすがままに。」


 え?どういう意味?

 それと何でひざまづいてるの?


 君ってそういうキャラだっけ?


 出会いの時を除けば、ずっとこうだった気がする、、、。


 、、、まあ、いいや。


「好きにすると良い。」

 いやほんと。


 それなのに、何で目をキラキラさせて涙ぐんでるの?怖いよ?

 詐欺する前に騙されないで?


「はい!」


 いや、はい!じゃないから。

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☆【世界最強、その名はランクNo.0彡☆の真相編先行版はこちら、近い内全て再掲予定。
ネタバラシになりますので、先が気になる方はこちら】☆
世界最強、その名はランクNo.0彡☆真相編女神陥落
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